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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 感謝、文庫化。日米開戦の正体(上) なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか (祥伝社文庫)

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文庫 –7/12発売。「この本の特徴は、私の解説が主眼でなく、当時の人々の発言を紹介し歴史には選択肢、その中真珠湾攻撃という選択をしたのか考えて欲しい」今とどう関連
2019-07-09 07:505

『日米開戦の正体(上) なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか』は2015/5/12出版。今回文庫化に。この本については、アマゾンに様々な感想が書かれているが、その一つ。

*************************************

前著「戦後史の正体」において「日本の戦後史を貫くのは対米従属である」と喝破した孫崎氏が、今度は「過去最大の愚策」である真珠湾攻撃に至る経緯を著した。本書の特徴は、日米開戦の原因をその36年前の日露戦争にまで遡って探っていることである。孫崎氏は当時の政治家、軍人、外交官などが遺した日記、回想記、資料を紹介して、彼らに歴史を語らせようと試みる。

ロシアとの戦争に勝利した日本は、アメリカの仲介でポーツマス条約を結んで講和した。樺太と遼東半島と満州鉄道の経営権を入手したが、日本は満州全土の利権を手に入れたと思い込み、軍事力を背景に満州支配に乗り出す。第一次世界大戦を経て満州建国、中国侵略と日本軍の横暴が目に余るようになるとアメリカは対日姿勢を硬化させ、中国を支援するようになっていった。しかし、内政不干渉を国是とするアメリカは武力を行使できない。そこでアメリカはイギリスと結んで日米開戦を画策する。経済制裁で鉄と石油を止められ、「ハル・ノート」で満州からの撤退を突きつけられた東条内閣は勝算がないまま真珠湾攻撃に突入していく。一方、アメリカ国民は真珠湾攻撃を受けて対日戦争に奮い立った。

注目すべき証言や事実が次々に明かされる。

・東条英樹は御前会議において「ABCD包囲網でジリ貧になり滅亡するより、勝算は五分、思い切って戦争へ」と発言した。

・チャーチルは、日本の真珠湾攻撃を聴いて「我々は勝ったのだ」と述べた。またアチソン米国務次官補は、「日本のこれほどの愚策は想像もできなかった」と書き残している。

・関東軍の横暴や侵略に批判的な政治家、外交官は右翼や陸軍の強硬派から暗殺の対象になり、何人もの犠牲者が出た。そのために天皇ですら身の危険を感じて軍部の要求をのまざるを得ない場面があった。逆に軍に取り入ったり、軍に屈服したりする政治家、官僚が多く生まれた。吉田茂、小村寿太郎、廣田弘毅、松岡洋右、等々。

・新聞は対中、対米強硬策を煽り、世論もそれを支持して好戦的な雰囲気が社会を覆った。学者、知識人への言論の圧迫が繰り返された。

・外務省にはアメリカについて詳しい人物がいなかった。政治家も外交官もアメリカの国力や外交政策についての知識が欠けていたためにアメリカを過少評価していた。

・不敗神話にとり憑かれ視野狭窄に陥った強硬派は、勝利への展望のないまま日米開戦になだれ込んだ。周到な準備をして待ち構えていたアメリカとは対照的であった。等々。

歴史にIfは禁句だが「もし伊藤博文の暗殺がなければ日米開戦はなかったのではないか」と孫崎氏は述べている。当時、伊藤博文は日本の満州支配の企てを批判し、中国との融和を説いたので、それを快く思わぬ右翼から命を狙われていた。安重根は右翼にそそのかされて伊藤を暗殺したのではないか、とまで孫崎氏は推察している。政府内において最も力があった伊藤博文が暗殺されていなければ、日本の満州支配は成らず、その後の中国、アメリカとの戦争には至らなかったのではないか、との孫崎氏の論は説得力がある。

伊藤博文以降も暗殺は続いた。政治家、外交官、軍人と軍事強硬派に対立する者は暴力によって倒されるか、排除された。対中国では張作霖事件などの謀略を仕掛けることで侵攻を拡大していった。気付いた時には対中戦争で40万人の兵力を失い、もはや引き返せないところまで来ていた。「正しい目的のためにはいかなる手段も許される」と確信する集団によって日本は破滅への道を突き進んだのであった。

孫崎氏は序文で「この本の特徴は、私が解説することを主眼としたものではない」と書く。「できるだけ多く、当時の人々の発言を紹介していきます。そして歴史にはいろんな選択肢があった、異なった道があった、その中でなぜ真珠湾攻撃という選択をしたのか考えて欲しいのです」孫崎氏のこの試みは見事に成功している。本書によって政策決定に携わった人々の本意に触れた感覚に私は捉われたのであった。そして、孫崎氏はいま日本で起こりつつある事態を確かな情報を集め全体像を把握すれば、正しい見通しを持てると強調している。愚かな歴史を繰り返さないために心したい。文庫 –7/12発売。「この本の特徴は、私の解説が主眼でなく、当時の人々の発言を紹介し歴史には選択肢、その中真珠湾攻撃という選択をしたのか考えて欲しい」今とどう関連
2019-07-09 07:505

『日米開戦の正体(上) なぜ真珠湾攻撃という道を歩んだのか』は2015/5/12出版。今回文庫化に。この本については、アマゾンに様々な感想が書かれているが、その一つ。

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前著「戦後史の正体」において「日本の戦後史を貫くのは対米従属である」と喝破した孫崎氏が、今度は「過去最大の愚策」である真珠湾攻撃に至る経緯を著した。本書の特徴は、日米開戦の原因をその36年前の日露戦争にまで遡って探っていることである。孫崎氏は当時の政治家、軍人、外交官などが遺した日記、回想記、資料を紹介して、彼らに歴史を語らせようと試みる。

ロシアとの戦争に勝利した日本は、アメリカの仲介でポーツマス条約を結んで講和した。樺太と遼東半島と満州鉄道の経営権を入手したが、日本は満州全土の利権を手に入れたと思い込み、軍事力を背景に満州支配に乗り出す。第一次世界大戦を経て満州建国、中国侵略と日本軍の横暴が目に余るようになるとアメリカは対日姿勢を硬化させ、中国を支援するようになっていった。しかし、内政不干渉を国是とするアメリカは武力を行使できない。そこでアメリカはイギリスと結んで日米開戦を画策する。経済制裁で鉄と石油を止められ、「ハル・ノート」で満州からの撤退を突きつけられた東条内閣は勝算がないまま真珠湾攻撃に突入していく。一方、アメリカ国民は真珠湾攻撃を受けて対日戦争に奮い立った。

注目すべき証言や事実が次々に明かされる。

・東条英樹は御前会議において「ABCD包囲網でジリ貧になり滅亡するより、勝算は五分、思い切って戦争へ」と発言した。

・チャーチルは、日本の真珠湾攻撃を聴いて「我々は勝ったのだ」と述べた。またアチソン米国務次官補は、「日本のこれほどの愚策は想像もできなかった」と書き残している。

・関東軍の横暴や侵略に批判的な政治家、外交官は右翼や陸軍の強硬派から暗殺の対象になり、何人もの犠牲者が出た。そのために天皇ですら身の危険を感じて軍部の要求をのまざるを得ない場面があった。逆に軍に取り入ったり、軍に屈服したりする政治家、官僚が多く生まれた。吉田茂、小村寿太郎、廣田弘毅、松岡洋右、等々。

・新聞は対中、対米強硬策を煽り、世論もそれを支持して好戦的な雰囲気が社会を覆った。学者、知識人への言論の圧迫が繰り返された。

・外務省にはアメリカについて詳しい人物がいなかった。政治家も外交官もアメリカの国力や外交政策についての知識が欠けていたためにアメリカを過少評価していた。

・不敗神話にとり憑かれ視野狭窄に陥った強硬派は、勝利への展望のないまま日米開戦になだれ込んだ。周到な準備をして待ち構えていたアメリカとは対照的であった。等々。

歴史にIfは禁句だが「もし伊藤博文の暗殺がなければ日米開戦はなかったのではないか」と孫崎氏は述べている。当時、伊藤博文は日本の満州支配の企てを批判し、中国との融和を説いたので、それを快く思わぬ右翼から命を狙われていた。安重根は右翼にそそのかされて伊藤を暗殺したのではないか、とまで孫崎氏は推察している。政府内において最も力があった伊藤博文が暗殺されていなければ、日本の満州支配は成らず、その後の中国、アメリカとの戦争には至らなかったのではないか、との孫崎氏の論は説得力がある。

伊藤博文以降も暗殺は続いた。政治家、外交官、軍人と軍事強硬派に対立する者は暴力によって倒されるか、排除された。対中国では張作霖事件などの謀略を仕掛けることで侵攻を拡大していった。気付いた時には対中戦争で40万人の兵力を失い、もはや引き返せないところまで来ていた。「正しい目的のためにはいかなる手段も許される」と確信する集団によって日本は破滅への道を突き進んだのであった。

孫崎氏は序文で「この本の特徴は、私が解説することを主眼としたものではない」と書く。「できるだけ多く、当時の人々の発言を紹介していきます。そして歴史にはいろんな選択肢があった、異なった道があった、その中でなぜ真珠湾攻撃という選択をしたのか考えて欲しいのです」孫崎氏のこの試みは見事に成功している。本書によって政策決定に携わった人々の本意に触れた感覚に私は捉われたのであった。そして、孫崎氏はいま日本で起こりつつある事態を確かな情報を集め全体像を把握すれば、正しい見通しを持てると強調している。愚かな歴史を繰り返さないために心したい。

コメント(1)

ぜひ、読んでみたいと思っています。

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