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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 日本は何故、電子分野で競争力を失ったのだろう。

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労賃だけの問題ではない。半導体シェア―1980年代後半には50%を超え、2017年に7%。今一人当たりGDP日本世界の42番で $42,900、台湾は28番で $50,500、韓国は$39,500
2019-06-07 10:099

1:日本は産業の各種分野で競争力を失っている。

 かつて日本は半導体で世界を席巻していた。今やや見るかげもない。

「半導体市場調査企業である米IC Insightsは、同社の調査レポート「McClean Report 2018」(4月度改訂版)にて、半導体企業の本社所在地域別の市場シェア推移を公開した。それによると、1980年代後半には50%を超え、1990年に49%であった日本勢のIC市場シェアは2017年に7%まで低下した。1990年代以降、さまざまな官民挙げた日本半導体の復権施策(コンソーシアムや国家プロジェクト、企業M&Aなど)が立案、実行されてきたがそのほとんどが奏功せず、長期低落を続けていることが浮き彫りになった。」(出典服部毅著「2017年の半導体市場、日本勢の世界シェアは7%に下落」

2:しばしば、日本に比し、台湾、韓国の賃金が安いと指摘される。そうなのだろうか。CIAに各国比較、一人当たりGDP比較(Country Comparison :: GDP - per capita (PPP)がある。幾つかを挙げてきたい。

7 Singapore $94,100 、18 Hong Kong $61,500、19 United States $59,800

28 Taiwan $50,500 、39 United Kingdom $44,300、40 France $44,100

42 Japan $42,900、46 Korea, South $39,500

3;一人当たりGDPでは今や台湾が日本の上、韓国もほぼ同等である。競争力を失った理由は他にある。日本は競争力の喪失をもっと真剣に考えるべきだ。



コメント(2)

>3;一人当たりGDPでは今や台湾が日本の上、韓国もほぼ同等である。競争力を失った理由は他にある。日本は競争力の喪失をもっと真剣に考えるべきだ。

技術を流出させてしまった結果だ。

他国が、一旦、技術と資本の蓄積を手に入れてしまえば、日本はそれと同じ程度にしかなれない。日本民族が他の民族より遺伝子的に優れているなどということはないのだから、当たり前の話だ。例えば、10カ国が日本並みの技術を手に入れてしまったならば、日本は10カ国の内の一つにしかなれない(自動車産業のように)。さらに、中進国には賃金体系では明らかに負けるのだから、同じ条件で競争しても二度と圧倒的な50%のアドバンテージを得ることなどできない。

1990年代の日本人は何か奢っていたようであり、「後進・中進国にどんどん技術を教えても、日本はそれ以上に技術を開発するから彼らは追いつけない」などと吹聴する者たちが大量にいた。だから、平気で秘密に近い工程まで技術指導をしていた。また、あろうことか、秘密の塊である半導体製造設備も工場ごと後進国に「廃棄」していた。半導体生産には、あらかじめ市場動向を予測して工場建設等に何千億円もかけることが必要であるが、その結果、資本投資の過当競争が常に半導体企業に課されることになる。企業は厳しい競争を少しでも楽にするために、本来ならば金を払って撤去してもらうことになる一世代前の古い設備を、わずか数千万円や2,3億円のはした金が手に入るからと言って中国や韓国にまるごと譲っていた。(日本の3,40年分のノウハウが詰まった設備をである。)

また、バブル崩壊の嵐が吹き荒れたこともあり、熟年技術者たちを中心として次々にリストラされたが、彼らの多くが韓国や中国の企業に高級をもって拾われていたりもする。「企業の中枢技術」を知っている者たちが、終身雇用のためそれまではあり得なかったレベルで、次々に外国企業に技術を伝えてしまった。

「グローバル経済」などと吹聴して現地生産を進めたことの影響(日本だけではないが)も大きいだろう。

さらに、日本の企業や社会が「安い低技術品・汎用品」の分野を軽く見て、競争を簡単に諦めたことにも原因がある。中韓に流出した技術により、特に中国などは日本では70円くらいするICを1円以下で売っていたりする。質はかなり悪いのだが、インバーターなどを作るには十分な性能だ。日本企業が一個数円くらいで売っているトランジスターも、中国製品は一個2,30銭程度で売っていたりする。確かに質は悪いのだが、ラジオ程度ならそれで全くそん色なく作れてしまう。技術流出した結果(とコピーフリーの結果)である。それなのに、日本企業は「我々は高度な先端技術で勝負する」などとのほほんとしていたために、すそ野の広い低技術品・汎用品の分野で徹底的に市場を食われ、次に中程度の技術の分野でも食われてしまった。そうなってしまったら、日米中などの巨大な市場を押さえる「ジャイアント」がどこかの国に出現する。日本は、せっかくジャイアントであったのに、その競争をはじめから捨て去っていたことになる。

韓国が何兆円もつぎ込んで国を挙げて半導体企業を応援していたことを軽視していたことなどは、その典型だ。技術流出と汎用品におけるシェアを軽視して次々に市場を食われ、さらには高度技術品においても今や日本企業は若干、韓国企業に後塵を拝するようになって来ている。

日本と言うジャイアントが惜しげもなく技術を他人に分けてやった上で、自ら競争を放棄して他のジャイアントを誕生させ小人になってしまった今、巻き返し云々を言ってみても余り意味がないだろう。インドネシアが自国自動車産業を興せないのと同様に、「小ネズミ」はジャイアントに立ち向かうことはできないものだ。日本企業の強調する高度技術品も、やがて資金の豊富なジャイアントとの研究開発競争に負けて食われて行くことだろう(例えば、サムソンや鴻海などによって)。しかし、10分の1としてそれなりにしばらくは存続はしていくのだろう。
>>[1]

まことに、詳しい解説ありがとうございます。まったく同感です。
NECの技術者であった、私の友人も、同じことを言ってました。

ちょっと、私見になりますが、そのほかに、70年代にニクソンショックの大幅な為替の切り上げ(円高)で、日本企業の競争力がアメリカにより、そがれた上に、80年代以降の、バブル崩壊、金融庁による会社つぶしの合理化により、将来性のある企業が、どんどんハゲタカ外資に売られ、技術者ともども、新興国(当時、ニースなどといわれた国や中国)に移りました。
やはり、日本の国を挙げての通産政策の欠如だと思いますが・・・

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