ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】 平成は・・・「転落と格差」の30年(前半)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


インタビュー 森永卓郎さん「とてつもない大転落」

NHK NEWS WEB 2019年6月4日火曜日

経済評論家として活躍している森永卓郎さん(61)。平成15年に出版した「年収300万
円時代を生き抜く経済学」などの著書で、早くから日本における格差拡大の到来を指摘
してきました。平成の時代、日本経済はどう変化したのか、そして未来の日本はどうな
っていくのか、話を聞きました。
(聞き手:ネットワーク報道部記者 管野彰彦)


平成の時代とは?

やっぱり平成はですね、「転落と格差」の30年だったんだと、私は思っています。

——転落と格差だと思われる理由はどんなところでしょうか?

特にこの20年ちょっとで顕著なんですけれども、日本の世界に対するGDPのシェア、
日本経済が世界のどれだけの割合を占めているのかっていうのは、例えば1995年は18パ
ーセントだったんです。それが直近では6%まで落ちた。つまり日本経済の世界でのシ
ェアが20年余りで3分の1に転落したんですね。この事は裏返すと世界の普通並の経済
成長をしていたら、われわれの所得は今の3倍になっていたっていう事なんですね。こ
れは実はじわじわ来たので、みんなあんまり感じてないかもしれないんですけれども、
その世界シェアっていう面で見ると、とてつもない大転落を日本経済が起こしてしまっ
たっていうこの30年の歴史なんだと思います。

実はですね、これは人口減少だとか、あるいは高齢化のせいだっていう事を言う人がい
て、それを多くの国民が信じているんですけども、全くのうそなんですよ。なぜかって
いうとこの期間にですね、人口はわずかですけど増えています(※1)。それから労働
力も実はわずかですけど増えているんですね。つまり人口も増えている、働く人も増え
ている。にもかかわらず日本経済が3分の1、2に大転落したっていうのが、この20〜
30年の歴史っていう事になるんだと思います。

(※1)約1億2361万人(平成2年)→約1億2709万人(平成27年)総務省「国勢調査
」より。

——それはどういった要因でなったとお考えです?

端的に言うと構造改革がもたらしたんだと思います。典型的には小泉政権の時に起こっ
たんですけれども、不良債権処理っていうお題目で、ここにはメディアもみんな乗っか
ったんですけれども、潰す必要のない企業っていうのを軒並み潰して、それを二束三文
でハゲタカに売り渡すという事をやったんですね。

その結果、日本が日本のものではなくなってしまっていった中で、労働分配率(※2)
がどんどん下がっていく。実はこれ統計の取り方によって違うんですけれども、かつて
平成に入る前っていうのは、日本は世界でも労働分配率が高い分類の国だったんですね
。それがどんどん転落して、今や世界最低水準になっている。

(※2)労働分配率=企業などが生産した付加価値のうち、給料など人件費に回された
割合。

つまりですね、日本の会社が海外あるいはハゲタカのものになって、しかもそこで稼ぐ
お金を全部ハゲタカが持っていって労働者に分配しない。この構造の中で、一気に大転
落が起きて、その結果、なにが起こったかっていうと、とてつもない格差の拡大ってい
うのがこの平成の間に起こったんだと私は見ています。


かつては考えられなかった事態に

——格差の拡大という意味では、森永さんは15年ぐらい前から著書などで年収300万円
時代の到来という事を書いていらっしゃいますが、どういった所で格差の拡大は起きた
のでしょうか?


実はですね、この平成の前半と後半では格差の拡大要因が異なっているんですね。
平成の前半で起きた格差拡大っていうのは、正社員がどんどんリストラされて非正社員
になっていく、つまり下が拡大するっていう形の格差拡大で、これは止まったわけでは
なくて、じわじわと今でも進んでいるんですけれども、平成の後半で起きた格差拡大っ
ていうのは、実は富裕層がとてつもなく増えたっていう形の格差拡大なんですね。

例えばフランスのコンサルティング会社が、ワールドウェルスレポートっていう世界富
裕層報告っていうのを出しているんですが、昨年版で見ると、日本には100万ドル、1
億1000万円以上の投資家の資産、つまり自宅とか車とかそういう投資用じゃない資産を
除いて、純粋に右から左に動かせるお金を1億1000万円以上を持っている富裕層がです
ね、なんと316万人もいる。

これは実はアメリカに次いで世界第2位で、中国よりも多いですよ。今や日本経済の3
倍ぐらいある中国経済も日本の富裕層の方が実はまだ多いんですね。しかもこの300万
人もいる富裕層の大部分が、実は働いていないんです。
昭和の時代も富裕層はいたんです。でも例えば松下幸之助にしろ、本田宗一郎にしろ、
なにかビジネスをして新しいものを生み出して、実業でお金持ちになってたんですよ。
だけど、今の富裕層のほとんどは、仕事をしてない、お金にお金を稼がせて、とてつも
なくお金持ちになるっていう人たちが爆発的に増えている。
一方、庶民はずるずる転落していっているという形の格差拡大が、平成の後半で起きた
ことなんだろうなと思います。

——かつては総中流社会とも呼ばれていましたけども、今おっしゃったような状況にな
ってきたその転換点というのはどこだったとお考えですか?


いくつか転換点はあるんですけれども。平成に入ると同時に、例えば厚生労働省が労働
政策を大転換するんですね。それまで雇用調整助成金を一生懸命出して、企業になるべ
くクビにしないでください。終身雇用を守ってくださいっていうのを一生懸命働きかけ
たんですけど、その方針を変えてその円滑な労働移動というふうに言い出して、どんど
んこう会社をかわれるような仕組みっていうのを支援していきましょうという方向に政
策のかじ取りを変えるんですね。

そういう環境の中で一番大きかったのは、小泉内閣が成立して構造改革、不良債権処理
でどんどん会社はつぶすぞって、その時に不良債権処理は失業と倒産を増やすのでよく
ないっていう批判に対して、当時の小泉首相はですね、「失業や倒産を恐れずに断行す
ると、これが構造改革だ」っていうふうに言って、雇用を守るっていうのは、私が役所
で働いてた時も政府に課せられたいちばんの責務だって、私はずっと言われて育ってき
たんですけれども、ある意味で行政のトップである総理大臣がですね。失業が増えたっ
て構わないんだと、おそらく日本の歴史上、そういう事言った総理大臣は初めてだった
んだと思います。

現実にどんどん失業をして、結局、再就職先がなくてどんどん非正社員に転落していっ
たと。さらにですね、リーマンショックのあとの派遣労働者たちは、次々にくびを切ら
れて、東京の日比谷公園には年越し派遣村までできるっていう、かつての日本では考え
られなかった事態っていうのがこの平成の時代に起こったんだと思います。


働かずに価値が生まれる時代に

——森永さんも早くから正社員、非正社員の格差が拡大するとか、一度転落したらなか
なか上がれなくなる時代が来ると指摘されていますけれども、それが15年ぐらい前だと
思うんですが、そこから後半の15年というのは想像していたとおりでしょうか?


私は下方向の格差拡大は予想していたんですけれども、これほどとてつもない数の富裕
層が日本に生まれるとは夢にも思っていませんでした。そこはまったく予想しなかった
事態ですね。ちょっとした運とか思いつきとかで、若者が一夜にして何億、何十億って
いうお金を稼いでしまう、サラリーマンが一生かけて稼ぐお金の10倍以上の金を一瞬で
稼いでしまうなんていう事が起こるとは思いませんでした。

特に私はあの仮想通貨については、当初からバブルだからやめなさいっていう話をして
いたんですけれども、その中でもどんどん上がっていってですね、 “億り人” (※3
)って言われる人たちっていうのが大量に生まれた。

(※3)億り人=株式投資や仮想通貨取引などで億単位の利益をあげた人を指す言葉。


彼らは別に働かなくたっていいじゃん、だって、投資でいくらでももうけられるんだか
らっていう発想になってしまった。そういう感性に日本人が変わるってことは全く想像
してませんでしたね。

——仮想通貨は高校生でも1000万円単位の利益を出したという話を聞いて、やはりその
辺はちょっと想像を超えた事態ですよね。


そうですね。例えば通貨、われわれが使っている日本銀行券っていうのは、紙を刷って
るだけじゃなくて、実は日銀券を出す時に、日銀は国債だとか株だとか不動産投資信託
とか買って代金としてあの札を出すんですね。必ずバックに資産があるんです、裏付け
があるんですよ。ところが仮想通貨は全くないんですね。だから下がる時は無限に下が
っていくし、上がる時は需給だけで値段が決まるので無限に上がっていく。

そこで勝ったやつの勝ちっていう社会になっていった。私は正直言ってそこは、自分で
本当についていけなかったですね。

——その人自体に価値を見いだすサービス、例えばVALU(※4)のような、人だっ
たりその人の時間にお金を投資するみたいなサービスも広がってきましたよね。

(※4)VALU=個人のやりたい事などに対し、賛同した人がトークンと呼ばれる仮
想コインを購入することで応援するサービス。トークン自体の売買も可能。

そのVALUをね、私はすごくショックだったのは、例えば一般の株式であれば、その
株を買った人は議決権を有するんです。つまり一種の会社のオーナーになれるわけです
ね。会社を動かせるわけです。

ところが、このVALUの場合は、別に買ったからといって議決権を持たないんですよ
。例えば株主優待のようなサービスは推奨はされているんですけれども、してない人も
たくさんいて、例えばホリエモンとか一切してないですね。それでもどんどん値段が付
いていって、時価総額が10数億円になる。

私は労働価値説っていうので育ったので、なぜモノが価値を持つのか、サービスが価値
を持つのかっていうのは、労働者が一生懸命努力して創意工夫をして、額に汗して働く
から付加価値が生まれるんだっていうふうに教わったし、そう信じてきたわけですよ。


ところがですね、働かずに価値がどんどん生まれていってというのが、ごく日常的に起
きるようになったというのが、平成に起きた大きな変化なんだと思うんですよね。


会社は誰のもの?

——会社という組織の形態も大きく変わってきた平成の時代だなと思っていまして、年
功序列にせよ終身雇用にせよ、それが薄れてきているあるいはなくなってきていますね



個人的に言うといちばん大きな事件は実はライブドア事件(※5)だったんですね。な
ぜかっていうと、会社は誰のものなのかっていう大きな問いかけをしたんだと思うんで
す。

(※5)ライブドア事件=ライブドアによる証券取引法違反事件。また、刑事事件とは
別に、ニッポン放送の経営権をめぐり、ライブドアとフジテレビがニッポン放送株の買
い取りをめぐり激しく争った出来事を指すこともある。

会社法上は株主のものなんですよ、会社っていうのは。法律上では。だけど私はそのニ
ッポン放送っていうラジオ局で、当時、ずっと朝の番組をやっていて、ラジオ放送局っ
ていうのは、まずリスナーのものだし、スポンサーのものだし、そして従業員のものだ
と思っていたんですけれども、そういうのを無視して、金の力で株式を買ったから自分
が全権を持つんだっていう現実にぶち当たったんですね。

私はそれで徹底抗戦をしたんですけれども、この問題っていうのはいまだに解決してい
ない問題なんだと思います。もちろんそのお金を出してくれた株主は、それはそれなり
に偉いんですけれども、ただ極論するとお金出しただけだと私は思うんです。

だから儲かった時には配当すればいいんだけれども、やっぱり会社っていうのは、お客
さんと従業員と地域社会と、そういう利害関係者全体のためのもので、金もうけのため
のものではないと思うんですけれども。でも私の主張っていうのは、法律上もあるいは
経済学のうえでも否定されてしまうんですよ。

——その傾向は最近、一層強まっていると?

強まっていると思います。ライブドアの事件以降、少しよくなったという人もいたんで
すけれども、最近の日産自動車の事件を見るとですね、相変わらず資本を持った人の勝
ちっていうことで、例えば日産が経営再建できたっていうのはすばらしい事なんですけ
れども、じゃあその裏側で何万人もの従業員が職を失い、多くの中小企業が仕事を失い
、そして工場が叩き売られて、地元の自治体が大変な混乱に陥るっていう事も起こって
きたっていうのも事実なんですよね。(土)(続く)

コメント(1)

ほんとうに、会社が「株主のもの」なら、それが資本主義の大原則なら、なぜ、つぶれた会社を再建したり、国が援助したり、するのでしょう。

資本主義の経済理論どうりに、社会はいってません。

修正資本主義というか、強欲資本主義というか、そんな社会になっている。

森永さんの言うようには、今の「強欲資本主義」が続く限り、格差解消はありませんね。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見 更新情報

孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング