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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【色平哲郎氏のご紹介】 左派からも、積極的にポピュリズム的戦略を推し進めるべきなのではないか?

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書評「左派ポピュリズムのために」

感情の力 戦略的活用のすすめ 信濃毎日新聞 
2019年5月12日 乙部延剛(茨城大准教授)

シャンタル・ムフ著 山本圭、塩田潤訳 明石書店、2592円

著者はベルギー生まれ。現在英ウェストミンスター大民主主義研究所教授。
邦訳に「政治的なるものの再興」など。


ポピュリズムといえば、一部右派の危険な潮流だというのが、
昨今流布する印象ではないだろうか。
だが、実態はより複雑である。

第一に、ポピュリズムは右派の専有物ではない。
歴史上、左派の支持を集めたポピュリストは少なくない。
現在でも、かつて左派を支えた層が右派ポピュリスト支持へとくら替え
する例は多い。
第二に、ポピュリストの背後には、政治の主流から見捨てられてきた人々の
至極まっとうな声が存在する。
EUや自由貿易協定への批判も、ポピュリストの貢献なくしては
今ほど注目を得ることはできなかっただろう。

ならば左派からも、積極的にポピュリズム的戦略を推し進めるべきなのではないか?
現代の代表的な政治理論家である著者が本書で提起するのは、
このような処方箋である。

著者によれば、20世紀末以来政治社会の主調であった新自由主義が危機に
瀕(ひん)しているのが、リーマン・ショック後の世界である。
自由貿易やEUを批判する右派のポピュリズムが支持を集めるのも、
グローバル化を推進する新自由主義への不信が高まっているからにほかならない。

とはいえ右派からの挑戦は、排外主義を伴うなど問題が多い。
そこで、平等や社会正義を重視する左派からのポピュリズムが求められることになる。

だが、経済や文化による分断が進む社会では、多様性を尊重せよと社会正義を
説くよりも、気に入らないやつらをたたき出せと排外主義に訴えるほうが
受けがよいのではないか?
この疑問に対して著者は、多様な人々の結合は可能であり、そのためにも、
感情が人々を動かす力を戦略的に活用すべきだと主張する。

実際、「社会主義」を掲げて米国にブームを引き起こしたバーニー・サンダース
上院議員や、英国労働党を躍進させてたジェレミー・コービン党首など、
左派ポピュリズム的な政治家が熱狂を巻き起こす事態も生じつつある。
本書は現在進行中の事態を読み解くためにも必携といえる。

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