孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】外国人の眼・戦略③、日本人論の名著：ベネディクト著『菊と刀』・

日本人は行動が末の末まで、あたかも地図のように精密に規定。・人はこの「地図」を信頼。この「地図」に示されている道をたどる時にのみ安全。人はそれに反抗ではなく、従うことに勇気を示す。
2019-05-02 10:125
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ルース・ベネディクトは米国の文化人類学者、アメリカ人類学学会会長。1887年- 1948年。著書『菊と刀』は、日本人論として、最も著名なものであろう。

ベネディクトは、コロンビア大学の助教授時代、米国が第二次世界大戦を戦う上で助言を得るために招集した学者の一人で、戦争情報局日本班の長であった。彼らの任務には日本を侵略に駆り立てるものは何か、弱点はどこか、如何なる形で説得が行えるか等の考察がある。この任務を基礎に、終戦後、1946

年、米国で『菊と刀』を出版した。

外国人の眼・戦略③、日本人論の名著：ベネディクト著『菊と刀』・日本人は行動が末の末まで、あたかも地図のように精密に規定。・人はこの「地図」を信頼。この「地図」に示されている道をたどる時にのみ安全。人はそれに反抗ではなく、従うことに勇気を示す。(受中学・高校・大学受験、入社、会社での会談を上る、岐路での選択はあるがその選択後は描かれた道を歩む。ここで勇気とは何かを書いている。例えば戦争。これは地図の役割を果たすうえで勇気を示す。だが地図（日本のありよう）を変えるために勇気を示すことはない）

ベネディクトは「日本人は戦略的物の考え方をしない」とは述べていない。しかし、日本人には各々に与えられた「地図」があり、それに従っていれば、「最大の幸福が保護されている」と考えて行動していると指摘しており、実質的に日本人は自ら戦略を考えることはないとしている。

私達は何故、決められた道を歩むのか。彼女は、「日本人が詳細な行動の“地図”を好みかつ信頼したのは、一つにはもっともな理由があった。その“地図”は人が従う限り必ず保証を与えてくれた」と記述している。体制の中で生きていく保障を得ること、ここに日本人は価値を置いてきている。

ベネディクトは「十九世紀後半に徳川幕府が崩壊したときにも、国民のなかで、この“地図”を引き裂いてしまえという意見のグループは一つも存在しなかった」と記している。　日本の歴史を見ると、一般民衆が政権を転覆し、奪取の行動を起こしたことはない。

　出典：ルース・ベネディクト著　『菊と刀』（社会思想研究会出版部１９４８年）

コメント(4)

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[1] mixiユーザー 05月03日 10:28

この「菊と刀」は、昔読んで、実によく日本人を観察、分析していると感心したものです。
また、この日本人観に基づいて、占領政策がなされたようですが、それが成功した理由も納得したしだいです。
日本人の国民性、民族性は、この従属性そのものであり、お上に反発しない性格そのものでしょう。

[2] mixiユーザー 05月03日 17:21

>>[1]

その時代まではそうですね。

例外的な事例。
桓武天皇ー坂上田村麻呂による東北侵略への反撃
シャクシャインの反撃
堺などの町民一向一揆
天草四郎の乱
江戸期の大規模な東北一揆
明治自由民権運動　秩父事件の主役は逃げ延びて北海道道東で死去直前に自らが井上伝蔵として闘ったことを告白
近現代にはいると多いですね。

[3] mixiユーザー 05月03日 18:01

>>[2]

天皇に対する、国民の尊敬、言い換えれば、天皇の権威、を利用して、戦後のGHQの占領政策に利用しましたね。

[4] mixiユーザー 05月03日 19:25

>>[3]

そうでしょうね。
歴史家の意見ですが、昭和天皇が自分の戦犯逮捕とある事柄を引き換えにしたという説を読みました。ある事柄は、原爆投下への批判だったか別のことか定かでありません。
私は昭和天皇までは、天皇制批判派です。平成天皇のみ、天皇制のわくぐみと別にご夫妻の民主主義への造詣の深さに敬意を感じます。平成天皇夫妻を悪用して、右翼反動と政治的延命の手段に安倍首相が使ったとき、やはり天皇制そのものの検討吟味の必要を痛切に感じました。

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