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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】 年号、「令和」、出典は万葉集。万葉集の代表的歌人は柿本人麻呂と山上憶良。この機会に 憶良の貧窮問答の歌を。

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「風雑り 雨降る夜の 雨雑り 雪降る夜は すべもなく 寒くしあれば 堅塩を 取りつづしろひ 糟湯酒 うち啜ろひて 咳かひ 鼻びしびしに」
2019-04-02 06:48

年号、「令和」、出典は万葉集。「令和」の出典は「万葉集」巻五の「梅花(うめのはな)の歌三十二首并(あわ)せて序(じょ)」。「初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」から引用



貧窮問答歌

(甲)風雑(まじ)り 雨降る夜(よ)の 雨雑り 雪降る夜は

  すべもなく 寒くしあれば 堅塩を 取りつづしろひ

  糟湯酒(かすゆさけ) うち啜(すす)ろひて 咳(しはぶ)かひ 鼻びしびしに

  しかとあらぬ 髭掻き撫でて 吾(あれ)をおきて 人はあらじと

  誇ろへど 寒くしあれば 麻衾(あさふすま) 引き被(かがふ)り

  布肩衣(ぬのかたきぬ) ありのことごと 着襲(そ)へども 寒き夜すらを

  我よりも 貧しき人の 父母は 飢ゑ寒からむ

  妻子(めこ)どもは 乞ひて泣くらむ 

  この時は いかにしつつか 汝が世は渡る



(乙)天地は 広しといへど 吾(あ)が為は 狭(さ)くやなりぬる

  日月は 明(あか)しといへど 吾(あ)が為は 照りやたまはぬ

  人皆か 吾(あ)のみやしかる わくらばに 人とはあるを

  人並に 吾(あれ)も作るを 綿も無き 布肩衣の

  海松(みる)のごと 乱(わわ)け垂(さが)れる かかふのみ 肩に打ち掛け

  伏廬(ふせいほ)の 曲廬(まげいほ)の内に 直土(ひたつち)に 藁解き敷きて

  父母は 枕の方に 妻子どもは 足(あと)の方に

  囲み居て 憂へ吟(さまよ)ひ 竈には 火気(けぶり)吹き立てず

  甑(こしき)には 蜘蛛の巣かきて 飯(いひ)炊(かし)く ことも忘れて

  ぬえ鳥の のどよび居るに いとのきて 短き物を

  端切ると 云へるが如く 笞杖(しもと)執る 里長(さとをさ)が声は

  寝屋処(ねやど)まで 来立ち呼ばひぬ 

  かくばかり すべなきものか 世間(よのなか)の道(892)

長歌は、貧者が別の貧者に語りかけるという構成をとっている。まず、(甲)の歌において、貧者が己の身の貧しさを歌い、その問いかけに応える形で、もっと貧しい貧者が、己の悲惨さを(乙)に歌う。

コメント(1)

まさに、土のにおい、人間のにおいのする、山上憶良の貧窮問答歌、ここから、とってほしいですね。

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