1:2020年、大統領選をにらみ、民主党候補者は、高額所得者に対する課税強化を取り上げざるを得ない状況になってきた。 2:先ず、法外な収入に課税すべきだと主張するのは、ニューヨーク州選出の民主党の新人、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員である。1000万ドル(約11億円)を超える課税所得の税率を70%にするというものだ。単身者で収入が50万ドル以上の税率が37%という現行制度と比べ、これはかなり高い。(注、一定の水準を超えた場合その超えた部分に対し70%)。 次いで、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)は、保有する資産に課税すべきと主張する。5000万─10億ドルの純資産がある場合は年率2%、10億ドルを超える場合は同3%の税金を納めるべきというものである。 3:こうした動きに合わせ、ニューヨーク・タイムズ紙は、2月3日 社説「Bernie Sanders’s estate tax plan would reduce the federal debt and help even the playing field」で、次を書いた。 ・問題は2020年大統領選挙で、民主党大統領候補者達が富裕者に対する課税を取り上げるか否かではなくて、どのように提案するかである。 ・エリザベス・ウォーレン上院議員は5000万ドル以上の富に年2%の課税を行うことを示唆した。 ・サンダース上院議員は膨大な遺産に対する課税を提言した。 ・2017年共和党税法では、カップルに対し、税控除を1100万ドルから2200万ドルにあげた。 サンダース上院議員はこの共和党税法を戻す以上を考えている。 ・豊かな相続者達はサンダースの税を払った後でも豊かである。 4; 加えて、ポール・クルーグマン(アメリカの経済学者、コラムニスト。2008年度ノーベル経済学賞受賞)はブログで発信している。 「突然、富裕者に対する課税が政治議題になった。候補者たちが不均衡を制限する為、過去何十年も見られなかった方法で、税について語り始めた。何故今変わったのか。ワシントンポストは大衆心理に大きい変化が起こった」と指摘している。 Paul KrugmanSuddenly, taxing the rich is on the political agenda. Candidates are talking frankly about taxes as a way to limit inequality in a way we haven't seen for decades. But why is this happening now? The WaPo says there's a "profound shift in public mood" 1/ 5:POLITICO/Morning Consult pollは月曜日、有権者の76%は高額所得者はもっと税払うべし。Fox News調査は、70%の米国人は年収1000万ドル以上への課税に賛成、共和党員も54%賛成。