孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】２２日の日ロ首脳会談について、ロシアのペスコフ大統領報道官は同日、インタファクス通信に「日本の立場に変化はなかった」と述べ、進展がなかったことを示唆（朝日）。

プーチン氏は「解決策は両国民に支持されるものでなければならない」とも語る（毎日）
2019-01-23 18:34

脳会談について、ロシアのペスコフ大統領報道官は同日、インタファクス通信に「日本の立場に変化はなかった」と述べ、進展がなかったことを示唆した。両首脳は歯舞、色丹の２島の引き渡しを明記した１９５６年の日ソ共同宣言を基礎とする交渉に引き続き意欲を示したが、ロシア側では交渉が長期化するとの見方が広がっている。
　両国は１１月と１２月の首脳会談で日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることや協議の枠組みで合意した。しかし２２日の会談を前に今月１４日モスクワで行われた外相会談ではロシア側が北方領土に対する同国の主権をまず認めるよう日本に求め、双方の立場の違いが鮮明になっていた。
　ペスコフ氏は今回の首脳会談で日本側から平和条約締結に向けた新たな提案はなかったと発言。プーチン氏が「前提条件なしの平和条約締結」を訴えた９月以来「われわれの立場も変わっていない」とし、両者の溝を埋めるにはさらに首脳レベルの協議を重ねることが必要との考えを示した。
　有力紙「コメルサント」は２２日の電子版で「首脳会談は成果がなかった」とし、世論の期待を背負って平和条約交渉に熱意を示した安倍首相に「緊急ブレーキ」がかかったと報じた。
　モスクワの国際関係大学のストレリツォフ教授は「近いうちに具体的な結果や提案、問題解決策が現れることは期待できない」とコメント。
A-2　事実関係２（読売新聞）
今月１４日に行われた日露外相会談では、歴史認識などを巡ってラブロフ外相の強硬姿勢が目立ったが、プーチン氏は日本をけん制する発言を封印した。
A-3日露首脳会談　領土巡り温度差　プーチン氏「長く地道な作業」（毎日新聞）
２２日夕プーチン氏は「（条約締結の）環境作りに向けて長く地道な作業がある」と強調。「解決策は両国民に支持されるものでなければならない」とも語り、交渉を急ぐ首相との温度差が浮かんだ。
B：評価：
・先ず、ロシア側報道、日本側報道をみて、今回の会談において進展がなかったことは明白である。
・日本は「歯舞色丹先行論」「歯舞色丹プラスα」等が喧伝されたが、結局、国後・択捉に対する日本の立場を問われ、明確な態度表明を求めるロシアに十分な回答は出来なかったとみられる。
・ロシア国内に領土返還の空気が高まっており、プーチンの「解決策は両国民に支持されるものでなければならない」との発言はこれを反映。
・私は個人的に日本が国後・択捉を日本領とする法的根拠はなく、ロシア側にはある状況を日本国民が理解すべきと判断している。
　参考：
北方領土は基本的に次の構図になっている。
1.日本が南千島・国後・択捉を放棄する
2.日本は放棄した島の帰属には発言権がない
3.連合国間では、米国はソ連に国後・択捉をソ連領と認める。

1.はサンフランシスコ条約で、日本は放棄する。
2.米国は５６年９月３日国務省書簡で「日本は放棄した領土に対する主権を他に引き渡す権利を他に引き渡す権利を持っていない」と述べている。　こうしたことから、日本は放棄した国後・択捉に誰が主権を持つかを述べる立場にない。
1.については、１９４５年２月１１日ヤルタ協定で、「千島列島はソヴィエト連邦に引き渡さるべし」としている。
　国連憲章には次の条文がある。
第107条
この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。
従って、日本がいう「不法占拠」論の根拠はない。

コメント(6)

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[1] mixiユーザー 01月24日 07:39

いまだに、先の戦争の結果、沖縄の一部を軍事基地として占拠しているアメリカと同じ立場、考えですね。

[2] mixiユーザー 01月25日 00:30

>>[1]

このごろ、国際外交に，有象無象が俳諧してますね。

[3] mixiユーザー 01月25日 19:42

　安倍は①「①二島返還+②経済協力｣＝③「日ロ平和条約」と考えていたようですが、甘かったですね。残りは、「①領土返還なし＋②経済協力｣＝③「日ロ平和条約」しかありませんが、こうなれば、焦る必要はありません。「平和条約」がなくても、「経済協力｣は出来ます。「平和条約は又の機会」でいいのではないでしょうか。
　「日米｣対「中露｣が続く間は無理ですね。

[4] mixiユーザー 01月25日 21:56

>>[3]

安倍首相は、論外で今は氏について書きませんが、ハローＭさんのご意見に同感です。日米軍事的従属関係は、民族主権を保守できません。ロシア中国は、どうも不透明であまり歓迎できません。トランプ米国よりは、落ち着いた国家ですが。

[5] mixiユーザー 01月26日 07:09

>>[3]
私は、これで、衆参同一選挙の可能性が遠のいて、ほっとしました。野党の共闘を推し進めてほしいものです。

[6] mixiユーザー 01月26日 10:14

>>[5]
民主党｢左派｣〔立憲+社民）と民主党「右派｣〔国民+自由〕に、二分されてしまいました。まるで、「社会民主主義」と「自由民主主義」に分かれたようなものです。「野党共闘」はどっちかが消えるまで無理かもしれませんね。

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