孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの異質異論を取り上げる

➀孫崎亨氏の評論に、②読者のクヴァーグル氏が長めのコメントを書いている。後から吟味するため本文とコメントを掲載する。
あきらかに意図は透けているし、このような考えは私とは異質であり、コミュニテイの「孫崎亨氏にまなぶ」方針を阻害されている。ただ、アラシやネトウヨと決めつける前にたまには違和異質との併存を保持し、今後どう展開する「かという」（編集補充しました）ことで、内在的に検討する。この氏はもうひとつ書いているが、あまり取り上げる必要は少ない。なおクヴァーグル氏の同種のコメントにはいちいち応じない。私はネットゲーム的マニアではない。自身の信念と目的が明確なのでこの種のやりとりに割く時間は皆無だ。

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➀
孫崎亨氏のつぶやき
我々は国後・択捉を露が不法占拠と思っているが、桑港講和条約で千島を放棄、吉田全権代表は国後択捉は南千島と演説を認識すべき
2019-01-13 08:408
A:事実関係
ロシア外務省が声明「北方領土の露主権認めよ」
ロシア外務省は１１日、モスクワで１４日に開かれる日露外相会談に先立ち、声明を発表した。日露平和条約交渉に関し「南クリル諸島（北方領土）のロシアの主権を含め、第２次大戦の結果を日本が完全に認めることが問題解決の主要な条件になる」と主張し、改めて日本をけん制した。
　外相会談では「双方の立場を示し、意見を交換することになる」との見通しも示した。旧ソ連が日本のポツダム宣言受諾後に不法占拠した北方領土に関し、ロシア側は会談で原則的な立場を示すとみられる。
　また、声明では、日本が導入する予定の地上配備型迎撃システム「イージスアショア」を念頭に、「米国による世界的なミサイル防衛システムのアジア太平洋地域への配備についても、我々の見解を示す」と言及した。ロシア側の懸念を外相会談で伝える意向を示唆したものだ。
B:評価
・安倍首相が北方領土の解決を「四島一括」ではなく、日ソ共同宣言にもとづき、歯舞色丹の返還で実施する方針を出したのは、ようやくありうる政策に戻ったことを意味する。
・ロシア外務省も南クリル諸島と述べているので、北海道の一部である歯舞色丹を返すことと矛盾していない。
・問題は国後択捉であるが、サンフランシスコ講和条約で日本は、①千島を放棄する、⓶
全権代表の吉田首相は国後・択捉は南千島であると演説しているので、日本には国際法的に要求する根拠はない。今これを明確に出来るかが求められている。
　なお、米国は連合国の一員として、ソ連に対し、ルーズベルト、トルーマン大統領がソ連が支配していいと述べているので、「不法占拠」ではない。
・日本国民は戦後、どのような約束をしたかを知るべきである。

②
[7] クヴァーグル
2019年01月17日 22:41
>我々は国後・択捉を露が不法占拠と思っているが、桑港講和条約で千島を放棄、吉田全権代表は国後択捉は南千島と演説を認識すべき
噴飯物の話だ。
ロシア（ソ連）が「合法的に千島列島を領有した」というのであれば、何処かに「合法」の根拠がなければならない。
つまり、何らかの条約に「ソ連が千島を領有した」ということが示されていなければならない。
ところが、そのような条約は一つも存在していない。
サンフランシスコ講和条約については、米英が中心となって働きかけ、条約の内容を決めるために連合国を構成した国々が何か月も水面下で調整を続けた。
この時、米ソは朝鮮戦争で対峙していてその後に長く続く冷戦が始まった時期であったため話し合いを持っていない。
この調整時に、米国はヤルタ協定を反故にしたい旨を英国に話したが、大戦時に東南アジアで大きな損害を受けた英国は国内の反日感情が大変強く懲罰的な意味から「日本にはソ連に領土を割譲させろ」と主張して譲らなかった。
ソ連が参加する全面講和条約の成立を望んでいた米国は、「日本からソ連に向けた割譲ではなく、日本にただ領土を放棄させる」ということでイギリスに譲歩させて条文をまとめた。
ただし、ソ連が条約に参加しないのに利益を得ることを防ぐため、「条約に参加しない国は、当該条約の条文を使っていかなる利益も引き出せない」という主旨の条文を２５条として付け加えた。
このようにして、米国はソ連が条約に参加することを希望していたが、結局、ソ連は条約に参加しなかった。
この結果、日本は「ソ連に対して千島を割譲する」ということにはならず、千島列島を名宛人もなくただ放棄させられただけになった。
つまり、千島列島については「どこの物とも分からない不確定な状態」になっている。
だから、「ソ連が千島を合法的に領有した証拠」など、どこにも存在していない。
因みに、１９５１年のサンフランシスコ講和条約締結に先立ち米上院で議論が行われた際、米上院では「ヤルタ協定を無効とすること」が議決され確認されている。
また、条約締結の最終段階のサンフランシスコ講和会議において、一応は英国の顔を立て日本に千島を放棄させた米国の代表は、「千島などの日本の領土については、この条約以外に日本が将来的に国際的に解決する道を残す」旨を発言している。
この発言は、日本代表の吉田茂による「千島は日本が平和的に得た領土であり、ソ連の主張する『暴力や戦争で得た土地』には当たらない」という主張に呼応してなされたものだ。
外務省には対ロ交渉においてほとんど何もしないで済ませようとする「無気力」な勢力が多数存在していることを理解しておく必要があるだろう。
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コメント(1)

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[1] mixiユーザー 01月19日 12:20

「イイネ」に恐縮です、有難いことですね。
すーちゃんさんの寛容さをしみじみ感じます。
昨夜のニュース２３で、北方領土に関わる「ダレスの密約」を報道していました。その時のツイートを下に。
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”ダレスの恫喝”と一連の報道は、現在のアメリカやロシア（旧ソ連）との外交のルーツを解き明かす重要報道と感じた。このような根本的外交機密は、外務省の要職にいた孫崎亨氏や博報堂にいた矢部宏治氏が著作で執筆しているが、マスコミでは貴重な労作と考える。
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