過去米国の対中政策の基本は「関与」政策。中国は韜光養晦、トウ小平氏が強調した「才能を隠して、内に力を蓄える」、これが変化。冷戦期の対ソ、技術の包囲網（ココム）を彷彿。米国他国同調要請→分岐、分裂
2019-01-14 08:413
『公明』二月号は山本吉宣元東大教授の「世界秩序の変化と日本」を掲載している所、その主要点。
（１：最近の動向）
・世界秩序は大きく変化。英国のEU離脱、トランプ大統領の出現、欧州におけるポピュリズムの拡大。
・トランプ大統領、WTOへの批判的発言TPP、パリ協定、イランとの核合意、INFからの脱退。貿易政策においては、二国間の結果重視の相互主義
・これらの動きは、自由で、開かれた世界秩序の根底を揺るがしている。
・力の分布の大きな変化。
冷戦後、米国の圧倒的な軍事力、米中心の西側諸国の圧倒的な経済力。しかしグローバリゼーションの進行の中で新興国は急速に力をつける。GDP先進国は冷戦終結直後６０％以上、今や５０％以下。
同時に先進国の貧富の差拡大。
急速に台頭する新興国に権威主義的、国家主義的
・中国は米国のGDP６０％（注：購買力平価ベースでは中国は米国を上回る）
（２；米中関係の過去）
・冷戦後、中国経済はアメリカの１０分の�軌焚次�
米国の対中政策の基本は「関与」政策。中国をアメリカの主導する秩序の中にいれ、中国の国内、対外政策の変化を狙う。
中国は韜光養晦（とうこうようかい）トウ小平氏が強調した「才能を隠して、内に力を蓄える」という中国の外交・安保の方針。
アメリカの関与政策と中国の韜光養晦の組み合わせ→長きにわたって米中の安定。
（２：米国の関与政策、中国の韜光養晦の変化）
中国、中国の国家主席を二期に制限するルールを廃止。中国の政治的自由化に対立するもの。
一帯一路。南シナ海での人口島、大国間関係を主張、（「中国製造2025」第5世代移動通信システム、航空エンジン、新エネルギー自動車など産業の発展、2025年までに日本、米国、ドイツなどの世界の製造強国に仲間入りし、2035年までに中級レベルへアップ、2049年には技術・品質などの総合力で、世界製造強国のトップ）
米国「関与」から「ヘッジ」
トランプ政権「アメリカ第一」、軍事的な覇権維持。経済的にアメリカの利益（ラストベルトの白人労働者の利益）を重視し二国間の厳しい結果重視。貿易赤字の大幅削減、知的財産権の保護、高関税の制裁。米中のハイテク分野での覇権争いが明確。
アメリカは、中国のファーウエイやZTE等のハイテク企業を安全保障上の理由もあり、アメリカ市場（政府調達）から排除しようとしている（２０１９年国防権限法）。この動きは豪州、加、日、仏、独にもみられる。
冷戦期の対ソ、技術の包囲網（ココム）を彷彿。
中国、米国の経済にマイナスの可能性、米国が他国に同調を求めれば、世界、東アジアの分岐、分裂を高めることになろう。
2019-01-14 08:413
『公明』二月号は山本吉宣元東大教授の「世界秩序の変化と日本」を掲載している所、その主要点。
（１：最近の動向）
・世界秩序は大きく変化。英国のEU離脱、トランプ大統領の出現、欧州におけるポピュリズムの拡大。
・トランプ大統領、WTOへの批判的発言TPP、パリ協定、イランとの核合意、INFからの脱退。貿易政策においては、二国間の結果重視の相互主義
・これらの動きは、自由で、開かれた世界秩序の根底を揺るがしている。
・力の分布の大きな変化。
冷戦後、米国の圧倒的な軍事力、米中心の西側諸国の圧倒的な経済力。しかしグローバリゼーションの進行の中で新興国は急速に力をつける。GDP先進国は冷戦終結直後６０％以上、今や５０％以下。
同時に先進国の貧富の差拡大。
急速に台頭する新興国に権威主義的、国家主義的
・中国は米国のGDP６０％（注：購買力平価ベースでは中国は米国を上回る）
（２；米中関係の過去）
・冷戦後、中国経済はアメリカの１０分の�軌焚次�
米国の対中政策の基本は「関与」政策。中国をアメリカの主導する秩序の中にいれ、中国の国内、対外政策の変化を狙う。
中国は韜光養晦（とうこうようかい）トウ小平氏が強調した「才能を隠して、内に力を蓄える」という中国の外交・安保の方針。
アメリカの関与政策と中国の韜光養晦の組み合わせ→長きにわたって米中の安定。
（２：米国の関与政策、中国の韜光養晦の変化）
中国、中国の国家主席を二期に制限するルールを廃止。中国の政治的自由化に対立するもの。
一帯一路。南シナ海での人口島、大国間関係を主張、（「中国製造2025」第5世代移動通信システム、航空エンジン、新エネルギー自動車など産業の発展、2025年までに日本、米国、ドイツなどの世界の製造強国に仲間入りし、2035年までに中級レベルへアップ、2049年には技術・品質などの総合力で、世界製造強国のトップ）
米国「関与」から「ヘッジ」
トランプ政権「アメリカ第一」、軍事的な覇権維持。経済的にアメリカの利益（ラストベルトの白人労働者の利益）を重視し二国間の厳しい結果重視。貿易赤字の大幅削減、知的財産権の保護、高関税の制裁。米中のハイテク分野での覇権争いが明確。
アメリカは、中国のファーウエイやZTE等のハイテク企業を安全保障上の理由もあり、アメリカ市場（政府調達）から排除しようとしている（２０１９年国防権限法）。この動きは豪州、加、日、仏、独にもみられる。
冷戦期の対ソ、技術の包囲網（ココム）を彷彿。
中国、米国の経済にマイナスの可能性、米国が他国に同調を求めれば、世界、東アジアの分岐、分裂を高めることになろう。
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