孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】江戸城無血開城。西郷・勝会談が重要な役割。だがそれ以前に征軍先鋒参謀木梨精一郎が英国公使パークスを訪問、パークスは江戸城攻撃反対を表明。

『アーネスト・サトウと倒幕の時代』、江戸城、無血開城は西郷・勝会談が決定に重要な役割。しかし、それ以前に征軍先鋒参謀木梨精一郎が英国公使パークスを訪問、パークスは江戸城攻撃反対の意向を表明。これを受け、西郷は勝との会談前に中止決定。
2018-12-15 08:18

江戸城、無血開城は西郷隆盛・勝安房会談が決定に重要な役割。。勝海舟の説明、西郷「いろいろむつかしい議論もありましょうが、私が一身にかけてお引受けします」、これで江戸惨禍から救われた。
だが、この会談前に、征軍先鋒参謀木梨精一郎が英国公使パークスを訪問、ここでパークスは「（江戸城攻撃は）そんなことは出来ませぬ。いずれの国でも恭順即ち降参というものに向って戦争せねばならぬということは無い筈」と江戸城攻撃反対の意向を述べます、これを西郷隆盛に伝え、西郷は、勝との会談前に、江戸城攻撃を取りやめることを決めています。

倒幕側の証言①、渡辺清「江戸、攻撃中止の真相」英国公使パークスが東征軍先鋒参謀木梨精一郎と会談したことが無血開城に極めて重要。以下証言内容
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木梨精一郎が大総督の命を承けたというてここに来た。―中略―木梨がいうには
「―中略―負傷者の手当に如何とも詮方ない。それで横浜に参り、英のパークスに逢うてかれの世話で横浜に病院を造りたい―中略―。英の管轄の病院があらばそれを流用して貰いたい―中略―という命を承けて参った。清左衛門（清の旧名）も同道して共に横浜に参って談判せいという内命で、直ぐ行かなければならぬ」ということである。

　◦木梨より、
「今度かようかようの次第で、江戸城攻撃につき病院が必要であるから、大総督より貴君〔パークス〕に依頼して病院を世話して呉れ〔内容取り纏め〕」と申しました。パークスが如何にも変な顔付を致して、「これは意外なことを承わる。吾々の聞くところに依ると徳川慶喜は恭順ということである。その恭順しているものに戦争を仕掛けるとは如何」という
。木梨はいう、
「それは貴君の関するところではない。吾々はどこ迄も戦えという命を受けて来た。兎も角用意して呉れ」といったところが、
「（江戸城
〔いろいろのやりとりの後〕「ここにおいて療治するだけはして呉れぬか」と言いました。パークスはひょいと立って内に入って戸を締めて出て来ない。どうも仕方がないから木梨と顔見合わして去って露店によって、
「これはどうもいけない。彼のいうところは道理であるから、明日の江戸城打ち入りということは出来ぬ。早く各国領事に大総督より命令せねばならぬ。清は急飛にて品川に行きこのことを西郷に告ぐべし」と、木梨と横浜で別かれて馬に騎り切って品川に着したのは今の午後二時頃であった。
直ぐ西郷のところに行きまして横浜の模様を「かくかく」といいたれば、西郷も成る程悪かったと、パークスの談話を聞て愕然としておりましたが、暫くしていわく、
「それはかえって幸いであった」といううち、西郷の顔付はさまで憂いておらぬようである。話が後へ戻りまするが清が窃かに右のことを西郷に言うた時に、西郷いう、
「自分も困却しておる。かの勝安房が急に自分に逢いたいといい込んでおる。これは必ず明日の戦争を止めて呉れというじゃろう。彼れ実に固まっておる様子である。そこで君の話を聞せると、全く我が手許に害がある。故にこのパークスの話は秘して置いて明日の打ち入りを止めなければならぬ。
止めた方がよろしかろう」と言ううちに、
「最早既に勝が来ておるから君も一緒に行ったらどうかい」清いう、
「それではお供しよう」
と言いました。その時西郷と一緒に出たのは村田新八、中村半次郎、清はほんのつけ物のようにし
て、その席に出ました。―中略―

勝安房言うに、
「〔慶喜が恭順に服していることを述べた後〕聞くに明日江戸城攻撃ということであるが、兎に角それを見合わせを願うために参ったのである」
〔両者の談判の模様を詳細に記述した後〕
〔勝海舟が述べるに〕「明日兵を運動して江戸城を攻撃するならば何等の変動を引き起して、慶喜の精神も水泡に属するのみならず、江戸は勿論天下の大騒乱となることは目前である。又西郷殿にはかねて申し上げたことがあるから大抵御諒察のことと思う。兎に角明日の戦争は止めて貰わなければならぬ」
といいました。―中略―
　

◦西郷は「然らばよろしい。先鋒隊の挙動は拙者が関するところであるから攻撃だけは止めよう― 中略―」〔と述べた。その後引き渡しの交渉〕