孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】「カショギ氏殺害にサウジ皇太子が命令」ＣＩＡ結論

「カショギ氏殺害にサウジ皇太子が命令」ＣＩＡ結論。トランプ大統領の娘婿クシュナーはサウジ皇太子と緊密な関係。皇太子関与が言われる中、クシュナーは皇太子批判に消極的。NYTは「米国政府官僚及びCIAも本殺害で皇太子が権力から排除されるとは見ていない」と報道。
2018-11-18 09:06

A－１:事実関係「サウジ皇太子が命令」ＣＩＡ結論　記者殺害で米紙（朝日新聞）17日

サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が、トルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館で殺害された事件で、ワシントン・ポスト紙は１６日、米中央情報局（ＣＩＡ）が「サウジのムハンマド皇太子が殺害を命じた」と結論づけたと報じた。在米サウジ大使館は同紙の報道内容を否定した。
　サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏が、トルコのイスタンブールにあるサウジ総領事館で殺害された事件で、ワシントン・ポスト紙は１６日、米中央情報局（ＣＩＡ）が「サウジのムハンマド皇太子が殺害を命じた」と結論づけたと報じた。在米サウジ大使館は同紙の報道内容を否定した。
　傍受した会話には、ムハンマド皇太子の弟で駐米大使のハリド王子とカショギ氏の電話が含まれるという。ハリド王子は結婚手続きの書類を求めていたカショギ氏に、イスタンブールの総領事館に行って書類を受け取るよう勧め、さらに安全だと伝えたとしている。このハリド氏の電話は、ムハンマド皇太子からの指示だったという。
　米情報当局は殺害前、通信を傍受し、サウジ王室が米国に住んでいたカショギ氏をサウジに誘い出す方策を練っていた内容を記録。カショギ氏に危険が迫っていたことになるが、殺害前には詳しく検討されなかったという。

A-2事実関係２」NYT[CIAはサウジ皇太子が・カショギ氏が殺害を指示したと結論（C.I.A. Concludes That Saudi Crown Prince Ordered Khashoggi Killed）

・CIAはサウジにおける皇太子の支配に基礎を置き、彼の承認なしにかかる殺害は起こらなかったこと、且つ殺害以前の皇太子の電話及び殺害チームが殺害後皇太子側近に行った電話盗聴（‘ここでthe mission was accomplished ことを“tell your boss”と述べている）を根拠としている。
・CIA報告はサウジ皇太子との関係を深めて来たトランプ政権に新たな問題を提示したこととなる。議会内の調査と懲罰を求める声を高める。トランプの娘婿クシュナーはサウジ皇太子と特に緊密な関係にあった。クシュナーはカショギ氏殺害後も皇太子支持を主張してきた。
・米国政府官僚及びCIAメンバーもカショギ氏殺害で皇太子が権力から排除されるとは見ていない。
・来年から議会情報委員会をリードする民主党Schiff 議員は米サウジ関係を再検討しなければならないと述べている。　
・CIAは皇太子によって追放されたNayef.と緊密な関係を持っている。

B：評価
・サウジ皇太子のカショギ氏殺害はほぼ動かない事実となりつつある。
・今日、サウジの内外政策の実権はムハンマド皇太子にある。
　皇太子の下、イエーメンへの攻撃、国内反対者の弾圧、米国、イスラエルとの緊密化、イランとの対決姿勢の強化などを行ってきている。
・CIAが皇太子関与を明確にしたことによりトランプ政権がどれだけサウジ皇太子に強い姿勢を取らざるを得ないかが焦点である。合わせてサウジ皇太子と緊密な関係を持つトランプの娘婿クシュナー批判の高まりもどうなるか見てみたい。