孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】カナダ紙、米加貿易交渉をめぐる発言。日本も同様なのに、日本新聞は報じる勇気はない。

【孫崎享のつぶやき】
カナダ紙、米加貿易交渉において、トランプは「一切譲歩しない、それを言ってしまうと、彼ら（カナダ）はディールができないことがわかって失礼だから言えないんだ。カナダとの合意は完全にこちらの望み通り」と発言。日本も同様。ただ日本新聞は報じる勇気はない。
2018-09-01 10:28


A:事実関係１：カナダ紙「THE　STAR（トロント・スター）の報道「トランプはカナダについての自己の爆弾を確認（Donald Trump confirms Star story on his secret bombshell remarks about Canada）

・米加の博奕的貿易交渉は金曜日朝、トロント・スターによって入手されたトランプ発言によって劇的にひっくり返った（upended）
・トランプ発言は、カナダ側交渉者達によって、米国は然るべき譲歩を行っていないという疑念を裏付けるものとみなされている。
・カナダ側高官は、金曜日の会合で米側にリーク内容を突き付けた
・トランプの発言は米国メディアに爆風を引き起こした。
・同日夜、トランプは漏洩を確認すると共に、カナダ人は自分の気持を知っただろうからそれはそれでいいと述べた。
・米加は、トランプが非公式に設定した期日、金曜日までに合意に達することは出来ない。
会談は水曜日に再開される。
・トランプは大統領府で木曜日、米ブルームバーグ通信とのオフレコ単独インタビューで「一切譲歩しないが、それを言ってしまうと、彼らはディールができないことがわかって失礼だから言えないんだ」という発言をした。
・公表したくない別の発言では、「カナダとの合意は完全にこちらの望み通りになる（totally on our terms.）」と述べた。彼は輸入車への高関税措置をカナダに発動すると繰り返し脅して、カナダを従わせようとしたことをほのめかしたという。
　トランプは「自分はオフレコでブルームバーグ通信に述べた。だがこの合意は露骨に破ら
れた。だがいい。カナダ人は自分の立ち位置を知ったから]と述べた。
・トルドー首相と外相はトランプ発言への反応を拒んでいる。
・貿易交渉担当者達はこの発言が会談にどう影響するか判らないとしている。

A-2　事実関係２

トランプ氏がカナダ脅す発言流出　ＮＡＦＴＡ合意ならず（朝日新聞）
北米自由貿易協定（ＮＡＦＴＡ）の再交渉妥結に向けた節目の３１日、米・カナダの二国間交渉は合意に至らなかった。カナダを軽んじたり、自動車への高関税で脅したりするトランプ大統領の「オフレコ発言」を当日朝にカナダ紙が報道。トランプ氏は発言を否定せず、合意への機運がそがれる異例の展開になった。

　３０日までは、カナダのフリーランド外相が「大きく進展を見せている」と語り、妥結に向けて前向きな情勢だった。しかし３１日朝、トランプ氏が前日に米ブルームバーグ通信の単独インタビューで「オフレコ（非公表）」を条件に話した発言がカナダ紙トロント・スターに報じられた。
　それによると、トランプ氏はカナダとの合意が「完全にこちらの望み通りになる」「『お願いだからディール（取引）をまとめよう』と言ってきた」などと発言。「一切譲歩できないが、それを言ってしまうと、彼らはディールができないことがわかって失礼だから言えないんだ」などと続けた。
　さらに、米政権が検討している輸入車への高関税措置をカナダに発動すると繰り返し脅して、カナダを従わせようとしたことをほのめかしたという。トロント・スターは「カナダ政府はこうした発言が事実だと確信している」と報じた。


B；評価
・「トランプはブルームバーグ通信で米加貿易交渉に触れ、一切譲歩しないが、それを言ってしまうと、彼らはディールができないことがわかって失礼だから言えないんだ、カナダとの合意は完全にこちらの望み通りになる（totally on our terms.）」と述べたことをカナダ紙が報道した。
・こうしたトランプの対応は日本にも同じであろう。
・カナダとの違いは、日本のマスコミはそれを報ずるガッツがないことだ。。