孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】イランとの合意、トランプはマクロン仏大統領、メルケル首相は正常な対話を出来ないのでないか。

【孫崎享のつぶやき】
ドイツ・社会民主党ミュッツェニヒ議員の説明①：米国のイランとの合意に独仏は怒り。欧州諸国はイランとの合意を継続の意図。経済活動継続の意図だが、これは米国が課すイラン制裁と異なり、米が対抗措置。EUは守る予定だが、不利をカバーできるかは不明

2018-05-23 07:50

ドイツ・社会民主党ミュッツェニヒ議員が来日し、私は、5月22日（火）食事を挟んで北朝鮮問題の説明を行い、その後、自宅で、同人のニコニコ動画発信を行った。
その際様々な意見交換をしたがその一環。先方発言を下記に示す。

・イランとの核合意は七年以上、西側などとイランが真摯な議論を積み重ね、成立した物だけに、米国の離脱にはがっかりしたし、怒りすら感じているのが独仏の感じだ。

・中東は現状でも不安定であるに加え、仮にイランが核兵器開発に向かったら、その混乱は計り知れない。

・現在欧州諸国は継続を表明している。

・イランとの合意は、経済関係で制裁を解き、平常の経済交流を行い、イランにメリットを与える、同時にイランが核兵器開発を止めるというものである。

・問題は、米国が合意離脱することによって、イランと経済交流を行う欧州の企業に制裁を課すこととなる。
　欧州はこれら企業を守る方針を出している。しかし、イランとの取引を行う企業は米国市場で莫大な損害やペナルティを負う可能性がある。この被害を欧州が全体として保証できる手段を講じられるかというと、それは疑問の余地がある。

・本件では事態の重大さで、マクロン仏大統領、メルケル首相が訪米し、離脱をしないよう説得に出かけた。トランプ大統領はこれらの発言を真剣に取り合わなかっただけでなく、離脱表明をツイッターで行うという動きに出た。両者に対する侮辱である。

　多分今後、トランプはマクロン仏大統領、メルケル首相は正常な対話を出来ないのでないか。