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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの【孫崎享のつぶやき】2018-04-28 08:30

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南北首脳会談。今日の朝鮮半島は南北首脳の決意だけで定まらない。「完全・不可逆的・検証可能の非核化」を求める米国がいる。米朝首脳会談を前に、今次会談は、北朝鮮が上記条件を受け入れる可能性を示すものはない。トランプ政権は軍事行動主張の陣容を揃える。


 
1:文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は、2018年4月27日、板門店平和の家で南北首脳会談を行い、「板門店宣言」を行った。

主たる内容は次のとおりである。

・完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現する共通目標を確認
・年内に朝鮮戦争の終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換
・米中を交えた多国間の枠組みで、平和体制構築に向けて協議
・北朝鮮の開城に南北共同連絡事務所を開設
・文在寅大統領が今秋、平壌を訪問
(全文は末尾に掲載)

2:本来、朝鮮半島情勢は、南北朝鮮で流れを確定されるべきであり、「両首脳は冷戦の産物である長い間の分断と対決を一日も早く終息させ、民族の和解と平和繁栄の新たな時代を果敢に開いていき、南北関係をより積極的に改善し発展させていかなければならないという確固たる意志を込め」行った板門店宣言は重要な意義を持つべきである。

3:しかし、現状はそうではない。

 米国は北朝鮮の非核化を強く迫っている。
 今後の朝鮮半島の動向は、この南北両首脳の板門店宣言で決定されるのではなく、今後予定される米朝首脳会談でどうなるかによって決定される。
 そして、米国の北朝鮮非核化の要求は鮮明である。
 ・完全、不可逆的、検証可能の非核化
 ・長々とした交渉はしない


4:そしてトランプ政権は主要人員を対北朝鮮強硬派で固めている。

・ボルトン国家安全保障担当補佐官は「北朝鮮といかなる合意を行っても北朝鮮はこれを破るので意味はない」と主張してきている。
ポンピオ新国務長官は外交より軍事行動を重視する人物である。
マティス国防長官は「外交手段が尽きれば北朝鮮に対する軍事行動を排しない」としている。

5: 非核化に関する合意を見てみよう。

「(4)南北は、完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した。
 南北は、北側が取っている主動的な措置が朝鮮半島非核化のため非常に意義があり重大な措置であるということで認識を共にし、今後、それぞれが自らの責任と役割を果たすことにした。
 南北は、朝鮮半島非核化に向けた国際社会の支持と協力(獲得)のため、積極的に努力することにした。」
ここからは、「・完全、不可逆的、検証可能の非核化」の具体策は何もない。

 6:今後の米朝首脳会談を考えた時、北朝鮮側が現在米国が望んでいる「完全、不可逆的、検証可能の非核化」を宣言することは極めて困難である。
北朝鮮にとっては、ミサイル開発、核兵器保有は、自国が武力攻撃されないための,薄い、しかし他に見当たらない保証である。米国が軍事攻撃しないという保証を与えない中で容易に手放せるものではない。
そう考えると、米朝首脳会談の成功の見通しは決して明るいものでない。かつ、今回の南北首脳会談は、米朝首脳会談を成功に導くための決定は何ら行いえなかった。

7 板門店宣言全文

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大韓民国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長(朝鮮労働党委員長)は平和と繁栄、統一を念願する全民族の一致した思いを込め、朝鮮半島で歴史的な転換が起こっている意義深い時期に、2018年4月27日、板門店平和の家で南北首脳会談を行った。
 両首脳は、朝鮮半島にこれ以上戦争はなく、新しい平和の時代が開かれたことを8000万のわが民族と全世界に厳粛に宣明した。
 両首脳は冷戦の産物である長い間の分断と対決を一日も早く終息させ、民族の和解と平和繁栄の新たな時代を果敢に開いていき、南北関係をより積極的に改善し発展させていかなければならないという確固たる意志を込め、歴史の地、板門店で次のように宣言した。

 1、南北は、南北関係の全面的、画期的な改善と発展を成し遂げることにより、断たれた民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来を引き寄せていく。
 南北関係を改善し発展させることは、全民族の一致した望みであり、これ以上先送りできない時代の切迫した要求だ。

 (1)南北は、わが民族の運命はわれわれ自ら決定するという民族自主の原則を確認し、既に採択された南北宣言とあらゆる合意を徹底して履行することにより、関係改善と発展の転換的局面を開いていくことにした。
 (2)南北は、高官級会談をはじめとした各分野の対話と交渉を近く開催し、首脳会談で合意された問題を実践するための積極的な対策を立てていくことにした。
 (3)南北は、当局間協議を緊密に行い、民間交流と協力を円満に保障するため、双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を(北朝鮮の)開城地域に設置することにした。
 (4)南北は、民族の和解と団結の雰囲気を高めていくため、各界各層の多方面の協力と交流、往来と接触を活性化させることにした。
 今後は6月15日をはじめ南北共に意義がある日を契機にして当局と国会、政党、地方自治体、民間団体など各界各層が参加する民族共同行事を積極的に推進し、和解と協力の雰囲気を高め、外では18年アジア大会をはじめとした国際競技に共同で出場し、民族の技術と才能、団結した姿を全世界に誇示することにした。
 (5)南北は、民族分断により発生した人道問題を早急に解決するために努力し、南北赤十字会談を開催し、離散家族・親戚再会をはじめとしたさまざまな問題を協議、解決していくことにした。
 当面、来る8月15日を契機に離散家族・親戚再会事業を行うことにした。
 (6)南北は、民族経済の均衡の取れた発展と共同繁栄を成し遂げるため、10.4宣言(07年の南北平和宣言)で合意された事業を積極的に推進していき、1次的に東海線ならびに京義線の鉄道と道路を連結し現代化して活用するための実践的な対策を取っていくことにした。

 2、南北は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和し、戦争の危険を実質的に解消するため、共同で努力していく。
 (1)南北は、陸上と海上、空中をはじめとしたあらゆる空間で軍事的緊張と衝突の根源となる相手に対する一切の敵対行為を全面中止することにした。
 当面、5月1日から軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布をはじめとしたあらゆる敵対行為を中止し、その手段を撤廃し、今後非武装地帯を実質的な平和地帯にしていくことにした。
 (2)南北は、黄海の北方限界線(NLL)一帯を平和水域にし、偶発的な軍事的衝突を防止し安全な漁業活動を保障するための実質的な対策を立てていくことにした。
 (3)南北は、相互協力と交流、往来と接触が活性化されるのに伴うさまざまな軍事的保障対策を取ることにした。
 南北は、双方の間に提起される軍事的問題を遅滞なく協議、解決するために、国防相会談をはじめとした軍事当局者会談を頻繁に開催し、5月中にまず将官級軍事会談を開くことにした。

 3、南北は、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制構築のために積極的に協力していく。
 朝鮮半島で不正常な現在の休戦状態を終息させ、確固たる平和体制を樹立することは、これ以上先送りできない歴史的課題だ。
 (1)南北は、いかなる形態の武力も互いに使用しないことについての不可侵合意を再確認し、厳格に順守していくことにした。
 (2)南北は、軍事的緊張が解消され、互いの軍事的信頼が実質的に構築されるのに伴い、段階的に軍縮を実現していくことにした。
 (3)南北は、休戦協定締結65年になる今年中に終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のための南北米3者または南北米中4者の会談開催を積極的に推進していくことにした。
 (4)南北は、完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した。
 南北は、北側が取っている主動的な措置が朝鮮半島非核化のため非常に意義があり重大な措置であるということで認識を共にし、今後、それぞれが自らの責任と役割を果たすことにした。
 南北は、朝鮮半島非核化に向けた国際社会の支持と協力(獲得)のため、積極的に努力することにした。
 両首脳は、定期的な会談と直通電話を通じて民族の重大事を随時、真摯(しんし)に論議し、信頼を固め、南北関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大させていくために、共に努力することにした。

 当面、文在寅大統領は今秋平壌を訪問することにした。2018年4月27日 板門店
 大韓民国大統領 文在寅
 朝鮮民主主義人民共和国国務委員長 金正恩。(c)

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コメント(1)

孫崎さんの、おっしゃるとおりですが、私は、米朝会談前の、前向きなワンステップとして、評価したいと思います。

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