孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの《安倍首相は稲田氏交代を改造目玉にしたいようだが、内閣改造前に稲田氏解任の必要がある》

【孫崎享のつぶやき】

【稲田氏は３月の衆院安全保障委員会で「（陸自内でデータが見つかったという）報告はされなかった」と答弁。今幹部会、更に個別に報告あったとする報道相次ぐ。安倍首相は稲田氏交代を改造目玉にしたいようだが、内閣改造前に稲田氏解任の必要がある。】

2017-07-20 07:533

A事実関係

１：経緯：稲田氏は３月の衆院安全保障委員会で「（陸自内でデータが見つかったという）報告はされなかった」と答弁しており、整合性が問われる。稲田氏は１９日夕、防衛省で記者団に対し、「陸自にデータが残っていたという報告があったとの認識はない」と述べ、日報の非公表決定への自身の関与を否定した。（7月20日朝日新聞）

２：稲田氏への報告の事実

南スーダンの国連平和維持活動（ＰＫＯ）に派遣された陸上自衛隊の部隊が作成した日報が、「廃棄した」とされた後に陸自内で見つかった問題で、２月中旬にこの問題の対応を協議した防衛省内の幹部会議の数日前にも、陸自側から稲田朋美防衛相に陸自内の電子データの存在が報告されていた可能性があることが分かった。

　組織的な隠蔽があったかを調べている防衛相直轄の防衛監察本部に対し、陸自側がそうした内容を説明していることを、複数の政府関係者が明らかにした。事実であれば、稲田氏は幹部会議を含め、複数回にわたって陸自内でデータが存在するという報告を受けていた形になる。

　稲田氏は３月の衆院安全保障委員会で「（陸自内でデータが見つかったという）報告はされなかった」と答弁しており、整合性が問われる。稲田氏は１９日夕、防衛省で記者団に対し、「陸自にデータが残っていたという報告があったとの認識はない」と述べ、日報の非公表決定への自身の関与を否定した。

　政府関係者によると、幹部会議は２月中旬に開けれ、稲田氏の他、黒江事務次官や陸自幹部らが出席。破棄したとした「日報」が陸自内に保管されていたことが判明したため、公表するか対応が協議された。この幹部会の数日前にも陸自側から稲田氏に、日報のデータが保管されていたことが報告されたという。（7月20日朝日新聞）

３：今後の動き

稲田防衛相は防衛監察本部による調査について２１日にも公表する方向で最終調整に入った（２０日朝日新聞）

B:評価

・この問題は、
①防衛省内のシビリアンコントロールがどこまで機能しているか、という問題と
②稲田大臣の過去との発言の整合性という相反する問題を抱えている。

・防衛省の体質からいって、大臣に説明なく制服が独走して判断するということは考えにくい。特に、本件は大臣が国会答弁などで関与し、この答弁と全く逆のことを陸上自衛隊、防衛省幹部が報告なしに行っていたとは考えにくい。

・稲田氏が「（陸自内でデータが見つかったという）報告はされなかった」と答弁したことが事実でないとすれば、その政治責任は大きい。

・安倍内閣は稲田氏の更迭は既存方針としているが、出来れば内閣改造まで引き伸ばしたいと思ってきた。稲田氏更迭を内閣改造の目玉としたい意向である。

・しかし、事態が、稲田氏の国会答弁と違うということになれば、責任を取らずに内閣改造まで引き伸ばせば、当然批判が出る。

・私は早期に罷免させるべきだと思う。罷免なしに引き伸ばせば、それは一段と内閣不信任につながる。