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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの《カント『永遠平和のために』列強の原住民圧迫・戦争を評し、日本の鎖国は賢明とまで記した。欧米の中東介入考察の原点》

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【孫崎享のつぶやき】2017-04-14 07:21


【シリアで思う。「(列強は)原住民を圧迫し、その地の諸国家を扇動し、広範な範囲に及ぶ戦争を起こし、飢え、反乱、裏切りその他人類を苦しめる全ゆる災厄を嘆く声が数えたてるような悪事を持ち込む。だから日本の鎖国は賢明」。誰の言葉か。何とカントである。】



 カントはドイツ古典主義哲学(ドイツ観念論哲学)の祖とされている。
『永遠平和のために』は1795年に出版。
「いかなる国家も継承、交換、買収または贈与によって他の国家を取得できるということがあってはならない」「いかなる国家も。他の国家の体制や統治に暴力をもて干渉してはならない」等を主張している。

この中で日本の鎖国について言及がなされている。


・われわれの大陸の文明化された諸国家、とくに商業活動の盛んな諸国家の非友好的な態度をこれと比較してみると、かれらがほかの土地やほかの民族を訪問する際に(訪問することはかれらにとってそこを征服すると同じことを意味するが)示す不正は驚くべき程度に達している。


・アメリカ、黒人地方,香料諸島、喜望峰などは、それらが発見されたとき、かれらにとっては誰にも属さない地であるかのようであったが、それは彼等が住民を無に等しいとみなしたからである。東インドでは、かれらは、商業支店を設けるだけという口実の下に、軍隊を導入した。それとともに原住民を圧迫し、その地の諸国家を扇動して、広範な範囲におよぶ戦争を起こし、飢え、反乱、裏切りその他人類を苦しめるあらゆる災厄を嘆く声が数えたてるような悪事を持ち込んだのである。


・それゆえ中国と日本はこれらの来訪者を試した後で、次の措置をとったのは賢明であった。
すなわち前者は来訪は許したが入国は許さず、後者は来訪すらもヨーロッパ民族の一民族にすぎないオランダ人にだけ許可し、しかもその際に彼らを囚人のように扱い、自国民との交際から閉め出したのである」




考察:
 カントが、「原住民を圧迫し、その地の諸国家を扇動して、広範な範囲におよぶ戦争を起こし、飢え、反乱、裏切りその他人類を苦しめるあらゆる災厄を嘆く声が数えたてるような悪事を持ち込んだのである」との指摘は、まさに今日の欧米諸国が中東に展開している様相と極めて酷似している。

 カントの記述とアイゼンハワー米大統領の国民への離任演説(1961年1月17日)を合わせ読んで欲しい。多分戦争に駆り立てる勢力の言葉と違う像が見えてくるはずだ。  


「最後の世界戦争まで米国には軍事産業が全くありませんでした。私達は巨大な規模の恒常的な軍事産業を創設せざるを得ませんでした。350万人の男女が防衛部門に直接雇用されています。私達は、米国の全ての会社の純収入よりも多い金を毎年軍事に支出します。
 私達は、このことが持つ深刻な将来的影響について理解し損なってはなりません。我々は、政府の委員会等において、それが意図されたものであろうとなかろうと、軍産複合体による不当な影響力の獲得を排除しなければなりません。
 誤って与えられた権力の出現がもたらすかも知れない悲劇の可能性は存在し、また存在し続けるでしょう」

 鎖国をする訳にいかない。ではどうするのか。カントの「永遠平和のために」が解だ。

コメント(2)

カントは、200年以上前に、警告してるが、いまだに繰り返している。おろかな人間ども。
>>[1]

「イイネ」をどうも有り難う御座います。

日本人も人類も、「進歩」は幻想にすぎないのか、悲観的な気持ちになりますね。

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