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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの 【米国代表的新聞ウォール・ストリート・ジャーナルが安倍首相のナショナリズムを批判。

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【孫崎享のつぶやき】2017-03-11 09:14


【米国代表的新聞ウォール・ストリート・ジャーナルが安倍首相のナショナリズムを批判。「日本経済を低迷させる安倍首相のナショナリズム」これは深刻だ。WSJは「米国支配層が読む新聞」と称される新聞。】



バロンズ/コラム 【バロンズ】日本経済を低迷させる安倍首相のナショナリズム

日本経済を低迷させる安倍首相のナショナリズムBy WILLIAM PESEK 3 月 9 日

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 ポピュリストショックが世界を揺さぶる中で、日本は落ち着いている。興味深いことだ。エコノミストや評論家はさかんにこの理由を説明しようとしている。

 ある者は資本主義の厳しさを和らげる社会主義的な政策のおかげだと言い、ある者は反政府な動きに影響されない確立された政治システムのおかげだと言う。混乱よりも調和を好む文化も要因として挙げられている。

 だが日本は英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の影響やドナルド・トランプ米大統領誕生のような衝撃は受けていないものの、ナショナリズムを巡る問題では好ましくないつまずき方をしている。それを証明しているのが、激しい抗議運動でもソーシャルメディア上の反発でもなく、実力以下に低迷している経済だ。

 インフレ率の0.1%上昇を喜んでいることが、日本政府の手詰まり状態を如実に物語っている。1月の消費者物価指数が13カ月ぶりに上昇に転じたのは輸入原油価格の上昇が要因、つまり悪いインフレだったということは看過され、安倍晋三首相の政策がようやく功を奏し始めたと言われている。こうした楽観的な見方は、1月の家計の消費支出が1.2%減少したことによって裏切られてしまった。失業率3%という逼迫(ひっぱく)した労働市場が賃金も支出も押し上げないことや、それでも日本にポピュリスト的な動きが起きないことに、エコノミストは首をかしげている。

 安倍首相のナショナリズムがこの理由の一端を説明している。2日のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のコラムで、経済担当チーフコメンテーターのグレッグ・イップは、ブレグジット、トランプ氏、前ベネズエラ大統領の故ウゴ・チャベス氏に象徴される中南米のポピュリズム、さらにはフランスやハンガリーなどに起こり得る大変動といった現象が繁栄と商業活動に悪影響を及ぼしていると論じた。もちろんこれは複雑な問題だ。イップは「あいにく」と前置きして「民主主義にとってマイナスなら経済成長にもマイナスかというと、必ずしもそうではない。それは中国を見ればよく分かる」と書いた。

 日本に目を向けてみよう。安倍氏は2012年12月に再び首相に就任した当時、1世紀さかのぼっても例がないようなビッグバンを約束した。だが就任から4年余りたつにもかかわらず、数少ない控えめな微調整と大規模な金融緩和以外、安倍氏が公言していた大胆な構造改革は全く行われていない。

 これはトランプ氏が支持者の注意をそらしているものとアベノミクスが似たようなものだからだ。こちらを見れば、日経平均株価が上昇しているではないか。あちらを見れば、ソニーも利益を上げている。向こうの方を見れば、20年に東京オリンピックを開催することになっている。アベノミクスが奏功しているようにもみえる。

 だが安倍首相はそうしたことによって、今進めていることから国民の注意をそらそうとしている。つまり米国が書いた平和主義に基づく日本国憲法の解釈を変更しようとしていること、戦争中の日本の侵攻を取り繕うこと、愛国的な教育を推し進めること、ジャーナリストや内部告発者が刑務所に入れられるかもしれない秘密保護法の厳格化、日本の軍事力の海外での行使、さらに安倍氏の歴史修正論者的な考え方を支持する学校が有利な方法で土地を取得することに関与したとの疑惑もある。

 06〜07年の第1次安倍政権はスキャンダルと対外強硬的な愛国主義といった政策とは関係のない原因で終わりを迎えた。現在は、安倍首相夫妻と何らかの関わりがあるとみられる超国家主義を掲げる学校が有利な条件で土地を取得したことを巡る議論に直面している。このことは安倍首相の構想を頓挫させ、野党党首たちを再び勢いづかせる可能性がある。ナショナリズムが改革の妨げとなる好例だ。

 トランプ氏はメディアや有権者の関心をそらすためにツイッターを利用している。安倍首相は自身が長年温めてきた政策に取り組んでいることから国民の目をそらすために、日経平均の上昇、派手なイベントを利用している。安倍氏の最優先課題は、尊敬する祖父の岸信介元首相にまつわる1940年代の悪評を払拭することだ。岸氏は戦時中の東条英機内閣の閣僚だったことから、戦犯の疑いをかけられた。だが米国は岸氏を無罪とし、岸氏は1957年に首相となった。

 日本が軍事的な自主性を取り戻すことへの安倍首相のこだわりは、一族が築いてきたレガシーをさらに確固たるものにしたいという思いから出ている。オリンピック誘致に積極的だったのは偶然ではない。祖父が1964年の東京オリンピックを誘致したからだ。その20年前には戦争で焼け野原だった日本はあの時、誇りにあふれていた。同じように魅力的なイベントである2020年のオリンピックを誘致できたことを、安倍氏は一族にとってかけがえのない実績だと考えている。日本の納税者にとって200億ドル(約2兆2700億円)をはるかに上回る負担になることは気にしないでおこう。

 オリンピック招致は景気浮揚策というよりも資金を投じる先を変えるだけだ。賃金を押し上げもせず、技術革新を促進させるわけでもなく、競争力も向上させないという点で、日銀の金融緩和策と同じだ。ヘッジファンドの運用担当者が日経平均の上昇で利益を得て、現状に満足している企業幹部が円相場の下落で福利厚生制度の恩恵を受けているだけだ。家計は数十年もの間、ほとんど所得が増えていない。多くの日本女性は正当な評価を得られず今も差別的環境に置かれている。ミレニアル世代(1980年代から2000年代前半生まれ)は、アベノミクス5年目の今、相変わらず年功序列の労働環境で息の詰まる思いをしている。

 安倍首相は、日本を高く評価してもらおうと、米国のナショナリストの頂点に立つトランプ氏に会うために2回訪米した。だが首相は、高齢化し勢いを失った日本経済を立て直すために国内でより多くの時間を使うべきだ。日本の評価を高めるためには、4%成長を持続的に達成し、米国、ドイツ、中国の製品への需要が増えることが何よりだ。日経平均の上昇率をダウ工業株30種平均の上昇率と肩を並べられる程度に保つには、硬直した経済の改革以上のものはない。年初来の上昇率でみると、ダウ平均は日経平均の4倍を超えている。

 安倍首相が1940年のことよりも2040年のことを考えるためにより多くの時間を費やせば、アベノミクスは日本を再び偉大にするかもしれない。

コメント(1)

いい提言ですね。この通りだとおもいます。

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