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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの 北国新聞読者の皆様、さようなら。10数年のおつきあいでした。私の最後の寄稿は「トランプ台頭の背景は」でした。

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【孫崎享のつぶやき】

北国新聞読者の皆様、さようなら。10数年のおつきあいでした。私の最後の寄稿は「トランプ台頭の背景は」でした。

2016-06-03 06:216



 北国新聞は、「北風抄」と言うコーナーを持っている。6−7名が週一回交代で寄稿している。私は、2000年代初め、防衛大学校教授の時代から続き12、3年になるであろうか。石川県は保守的な県である。

 かつて金沢に、石川県では勢力を持つ経済関係団体に呼ばれて講演した。講演が終わって、エレベーターの方に歩いていると、主催者が飛んできた。
「孫崎さん。済みません。気にしないでください。」担当者が何で謝っているのか解らなかった。
「そうですか。気付かれませんでしたか。
  実は会員の一人が“今日は何であんな講演者を呼んだのか」と大声で叫んでいたものですから。

 大声で叫ぶのだから、多分、会の重鎮だったのであろう。そういう土地柄であるので、私が石川県小松市の出身であることを考えても、何故私が北国新聞に長く書いているのか、いぶかる人も多かった。「貴方のような人が、よく北国新聞に寄稿できますね」

 突然、「終わりになります」という通知が来た。最後なら最後らしい寄稿もあったと思うが、普段通り書いたのが、5月30日付「トランプ氏台頭の背景は」である。

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トランプ氏の発言は品がない。共和党の大統領候補選出の過程では、全ての対立候補を罵倒してきた。女性候補者のフィオリーナ氏には、「アメリカ国民は貴方のような顔を大統領にしたいと思わない」

という発言までした。更に彼の主張する政策は余りにも突飛なものであった。「メキシコとの国境線に壁を作る。それもメキシコ側に作らせる」とか、「全イスラム教徒の米国への入国を禁止する」とか

「日本などが米軍基地の費用を全額負担しないなら、米軍は撤退する」等と発言した。

 米国の新聞・テレビや有力政治家は共和党候補者選びの過程で「その内、トランプは失墜する」と述べていたが、結局彼が共和党員の圧倒的多数を獲得した。

 想定される民主党候補者のヒラリー・クリントンとの戦いでは、多くの人がヒラリーの圧勝を予測してきた。実際、トランプ対ヒラリーの一騎打ちでは、長い間世論調査では

ヒラリーが10%から20%のリードを保ってきた。ところが5月中旬に行ったワシントン・ポスト紙の世論調査ではトランプ支持46%、ヒラリー支持44%と逆転した。全ての世論調査をフォローしているリアル・クリア・ポリテックスは最近の世論調査の平均値としてトランプ43.4%、ヒラリー43.2%と僅差ではあるがトランプ優位と報じている。

 何故こんなことになっているのか。私は構造的問題と、トランプの戦術の2つの側面があるとみている。最も重要なのは構造的問題である。構造的要因は、多くの米国国民が現在の米国情勢に強い不満を持っていることにある。米国経済は1970年代から当然拡大してきているが、一般国民の収入や富は拡大するどころか、減少している。他方、米国社会で上位1%の富は急速に拡大している。多くの国民はこの現象に目覚め、現体制への強い不満を持ってきた。

 国民の純資産を表す統計があるが、純資産(家、預金等の資産から借金を引いたもの)を1998年と2013年を比較すると、全家庭では20.8%減、最下層20%は26.5%減、労働者階級(次の20%)は52.7%減、中流階級(次の20%)は19,1%減で、逆にトップ 10%は74.9%増である。この事実に国民が目覚め、これが反体制を打ち出すトランプ支持に回った。

 ついでサンダースの選挙戦略では、問題発言を行い、マスコミを追っかけさせ、知名度を飛躍的に拡大したことにある。宣伝費に換算すれば3月時点で約20億ドルと推定されている、さらにソーシャル・メディアに利用である。5月下旬でトランプのツイッターのフォロアーは840万人である。

 トランプは高い視聴率を誇るテレビ番組を持っていた。彼はテレビが作り上げた候補である。CBSテレビのCEO、ムーンブスは「トランプは米国にとって悪いかもしれないが、テレビ界にはいい人物」と言ったことがある。

 今後どうなるか。米国世論は極端に揺れる。予測は難しい。ただ、ヒラリーは様々な攻撃される材料を抱え、支持率を下げる要素を持っている。

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コメント(2)

最近、トランプは、だんだん発言を、柔らかに変えて来ましたね。
北陸、富山はなんといっても、読売の正力松太郎の出身地ですから、、、

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