孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの「助言-若い世代へ⑫ステーブ・ジョブのスタンフォード大卒業式2005年のスピーチ」人生の躓きは飛躍の材料、愛せる仕事を探せ、今日が最後の日と思って生きよ。

【孫崎享のつぶやき】

「助言-若い世代へ⑫ステーブ・ジョブのスタンフォード大卒業式2005年のスピーチ」人生の躓きは飛躍の材料、愛せる仕事を探せ、今日が最後の日と思って生きよ。

2016-05-17 05:434

　私は3つのことを言いたい。

・第一は実は私は大学を卒業していない。私はReed 大学を6か月で中退した。私の母は大学生で養子に出す事を決め弁護士夫妻が養子にしてくれた。17年後私は大学に進んだ。うっかり、極めて高額の授業料の大学を選んだ。私の両親の貯蓄は大学の授業料に使われた。自分は将来像も持っていなかったし、大学がそれにどう貢献するかもわからなかったので中退した。

・授業に出ていたが、大学は書の素晴らしい授業を持っていた。私はこの授業に魅了された。しかし実社会で役立つとは思われなかった。10年後最初のマッキントッシュ・コンピューターを造った時、この知識が役立った。私が書の授業に出ていなければ、マックの多様性あるロゴやフォント（書体データ）はなかったろう。私が大学を中退し、好き勝手に書の講座を聴かなければ、今日のパソコンは素晴らしいタイポグラフィを持っていなかったかもしれない。当時、このような点点が将来に結びつくとは思ってもいない。

　だから、こうした点点が将来に結びつくことを信ずる必要がある。貴方方は貴方方の根性、運命、人生、宿命そういうものに信頼を置かなければならない。それによって、挫けない、人生を変える力になる。

　第二は愛と喪失である。

私は２０歳の時、Wozと共に両親のガレージでAppleをはじめ、自分で何をしたいかを見つけることが出来て幸運だった。

我々が最初のマックを出して1年後、30歳の時に私が作った会社から追い出された。途中で採用した人間が理事会を味方に付けた。社会的にもアウトになった。私の人生のすべてであったものがなくなってしまった。一時は大変に気落ちをし、業界を去ることを考えたが、私はコンピューターを愛していた。実はこれがプラスで、成功者の重荷から解放され、創始者の軽さが自分に戻ってきた。その後アニメのNeXTを立ち上げ、AppleがNeXTを買収し、自分はAppleに戻ってきた。

もし、Appleから追放されていなかったら、こういうことは起こらなかった。それは苦い薬であるが患者は時としてそれを必要とする。人生は時に貴方方を打つ。私が続けられたのは自分のすることを愛したからだ。まだ人生でやることが見つかってなければ探しなさい。まだ妥協しないでください。見つかれば時間と共に育ちます。

第3は死だ。.. 私が17歳の時毎日が最後の日と思っていきなさいという台詞に接した。

それ以降、毎日鏡をみて、今日することは自分の最後の日でもすることかを問うてきた。もし答えが多くの日でnoなら変えなきゃならないことを知った。自分はガンであることを知った。人生の時間は短い。それを無駄に使うな。

かつてThe Whole Earth Catalogという刊行物があり1970年半ばに終わるのだが、最終号に「飢餓であり続けろ、馬鹿であり続けろ（“Stay Hungry. Stay Foolish.”）と書いていた。卒業に当たり、「飢餓であり続けろ、馬鹿であり続けろ」を送りたい。

出典（https://news.stanford.edu/2005/06/14/jobs-061505/）