孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの「助言-若い世代へ　⑪」舟越桂の言葉「日本のアーチストは“どうあるべき”で動きすぎないか。日本のアーチストは“どうしたい”で動いているか。個人はみな絶滅危惧種

【孫崎享のつぶやき】

「助言-若い世代へ　⑪」舟越桂の言葉「日本のアーチストは“どうあるべき”で動きすぎないか。日本のアーチストは“どうしたい”で動いているか。個人はみな絶滅危惧種

2016-05-09 06:221

芸術家は厳しい職業だと思います。「独自性」が求められ、そして社会に受容する用意がないと生きて行けない。

　舟越桂は彫刻家1951年生まれ、彫刻家・舟越保武の次男。彼の『彫刻家　舟越桂の創作メモ　個人はみな絶滅危惧種と言う存在』からの抜粋。

・アトリエは迷いの場であり、迷うから道を探す、
・芸術は進歩なんかしなくていい。範囲が広がっていくだけだ。
・「なぐさめ」だけでは芸術でなく、人間にとって新しい地平を示す物でなければならない、
・もっともっと考えてみるべきだ、
・日本のアーチストは「どうあるべき」で動きすぎないか。

日本のアーチストは「どうしたい」で動いているか。
・混沌としていることを鮮明に表す。
・みすぼらしく、うすぎたない仕事場からも、美しいものが生まれるように、よごれた人間からもすばらしい芸術がうまれるかもしれない。それは難解な救い。そして人間位厚みを加えていると思う。
・美術を見るのに記号、あるいは暗号として読みとろうとしか出来ない人たちがいる。
・作品に深くひびきあい始めるのを待っていられないのだろうか。
・歴史にやり残しはないか。あったとしたら、そこの地点で、あるべきものを作り、そしてそこから誰も拓かなかった古く新しい道が増えるかもしれない。何故誰かが作り上げた今の先端から始めなけらばいけないのか。
・芸術はチューブから押し出される歯磨きのようなもの。口から出た部分ががんばったりえらかったりしただけでは出られなかった。チューブの中がいっぱいでそれが力となって一番出口に近いものを押し出した。
・答えは一つでないとよく言われるが、自分が作るものの答えも一つではない。
・本から言葉が繭なり自分をくるみ始める。孤独とやすらぎと静けさにくるまれてゆく。
・（戦争の）嗅覚をすまし（０４．９．１１）
・巧欺は拙誠にしかず」・ぬかりがないより手応ある作品を。観察は対象への愛情
・妻を泣かせたり、子供を淋しがらせたり、良い物ができないなら生きていく資格がない。
・美しい人がいる。美しく存在している人はいる。人間について私が信じ続けたい事を信じさせてくれる人々が私の前に現れる。　遠い目の人がいる。自分の中を見つめるような遠い目をしている人がいる。
・失敗した作品から問題を抽出し克服するプランを作り、地道に解消していく事、
・私は美しさに負けすぎる。美しさにたやすく涙が出過ぎる。
・頭の良い人は時代を演出し、順位を決めする。いわば配車係。車を動かすのとは違う。
・宗教さえも組織になるとゆがんでくる。平和を目指すはずの宗教が反戦の意志さえ示せなくなる。組織に所属しないものは強いのだろうか。個であり自由であるアート。