孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの「助言-若い世代へ⑦海外の世界的企業は若い人に何を期待してるか。これまでの他の人との調整、人的管理能力重視から①複雑な問題の処理②批判的思考③創造性へ移行するだろう

【孫崎享のつぶやき】
「助言-若い世代へ⑦海外の世界的企業は若い人に何を期待してるか。これまでの他の人との調整、人的管理能力重視から①複雑な問題の処理②批判的思考③創造性へ移行するだろう
2016-03-06 07:073

　私は、日本の企業は世界と戦う力を失っていると思う。人材確保にしても創造性のある人よりもまず協調を求める。しかし、世界的企業は個人の能力重視に移行するだろう。

　WORLD　ECONOMIC　FORUM（世界経済フォーラム、スイスのダボスで開催される年次総会は世界の角界トップリーダーが集まることで著名）が「雇用者は（大学）卒業生に如何なる才能を最も評価するか（What skills do employers value most in graduates?）を掲載した。著者はPathik Pathak, Founding Director of the Social Impact Lab, University of Southampton.。

　２０２０年に求められる順位を掲載する。

　２０２０年　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１５年

複雑な問題の処理　　　　　　　　　　　　① 複雑な問題の処理　

批判的思考　　　　　　　　　　　　　　　②　他の人との調整

創造性　　　　　　　　　　　　　　　　　③人的管理

人的管理　　　　　　　　　　　　　　　　④ 批判的思考　

他の人との調整　　　　　　　　　　　　　⑤交渉

感情的インテリジェンス　　　　　　　　　⑥品質管理

判断、決定能力　　　　　　　　　　　　　⑦サービスオリエンテーション

サービスオリエンテーション　　　　　　　⑧ 判断、決定能力

交渉　　　　　　　　　　　　　　　　　　⑨積極的聞く能力

認識の柔軟性　　　　　　　　　　　　　　⑩創造性

２０２０年はあくまでも予想である。その点、２０１５年は現実に近い。

この両者を比較すると２０１５年では他との接触の仕方の比重が強かったが、２０２０

年ではより個人の能力に質としている。

　その他、この報告書で記載されている点を列挙する。

・学位取得有無の評価には次第に重点が置かれなくなってきている。

・課外活動（extracurricular activities）の評価も高くない。ただし学生は課外活動を積極的に評価している。

・欧州の雇用者の半数以上が創造性、指導力、ネットワーク・デザイン能力などを重要な要因と指摘している。

・企業側が重視し、卒業生側が掛けている能力は、創造性、機転（resourcefulness ）、チーム作業、抵抗力、IT能力などを指摘している。

　これまで企業、特に日本においては、チーム・プレイが出来るかどうかに重点が置かれた。それは組織の在り様が、過去の継続である場合にはそうであろう。

　急速に変化する時代には個々人の創造性が従来以上に求められてくるものとみられる。