【孫崎享のつぶやき】
甘利氏辞任でTPPの行く末不安の声があるが、TPPは国家主権を国際資本に売り渡していくシステムであることを改めて学びたい
2016-01-30 07:403
「ISD条項で主権を売り渡すTPP」
日本外交の歴史を簡単に振り返ってみよう。
外国との交渉で、国益を著しく犯した時は何時であったか。
多分多くの人は幕末時の交渉を想起すると思う。
日本は1858年日米修好通商条約を結び、ついで、イギリス・オランダ・ロシア、フランスと相次ぎ条約を締結した。ここでは、列強諸国の治外法権を認め、関税の自主権を放棄した。明治の外交においてこの撤廃を最大の眼目としたが、その完全な撤廃は日清戦争後の1899年日米通商航海条約の発行まで待たざるをえなかった。是正に約４０年かかっている。
ついで、１９４５年日本が第２次大戦に負け、ポツダム宣言を受諾し、９月２日降伏文書を結んだ時であろう。
戦後の基本的枠組みを決めたものであるが、日本ではほとんど、その内容を知っていない。
降伏文書に署名したのは、「大日本帝国天皇陛下及日本国政府ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ重光葵」と「日本帝国大本営ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ梅津美治郎」である。
下名ハ茲ニ「ポツダム」宣言ノ条項ヲ誠実ニ履行スルコト並ニ右宣言ヲ実施スル為聯合国最高司令官又ハ其ノ他特定ノ聯合国代表者ガ要求スルコトアルベキ一切ノ命令ヲ発シ且斯ル一切ノ措置ヲ執ルコトヲ天皇、日本国政府及其ノ後継者ノ為ニ約ス」とした。
日本がポツダム宣言を受諾し、降伏文書に署名しなければ、日本国土は壊滅的な攻撃を受けていたろう。したがって、「聯合国代表者ガ要求スルコトアルベキ一切ノ命令ヲ発シ且斯ル一切ノ措置ヲ執ル」と約束したことも致し方なかった。ただ屈辱的文書に署名せざるを得なかったことについては、重光葵は強く意識している。このとき重光外務大臣は次のような句をのこしている。
神国の 栄え行くなる一里塚 ならぬ堪忍する日の来りぬ
願わくば、御国の末の栄え行き 我名さげすむ人の多きを
この文章は、TPPについてである。
しかし、何故、幕末の日米修好通商条約や、１９４５年の降伏文書を持ち出したか。
それは国家の主権を売り渡すという点において、これらと同等か、それよりひどい内容だからである。
今、日本が締結しようとしている環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）は、�（�野が関税のみにとどまらず。経済のほぼ全分野に及ぶこと、�∈枋蠅�国際仲裁裁判所に委ねられること、��裁判の主たる基準は企業の利益が侵害されたか否かであり、生命・健康、労働者保護、地域発展と言う国家の政策を形成する主要な価値観はほとんど考慮されない。
１９４５年９月２日の降伏文書への署名以来、最大の規模で国家の主権を譲り渡す取り決めであり、到底是認できるものではない。
私達は、国会が国権の最高機関であり、全ての裁判は最高裁判所を頂点とする司法によって裁かれるとみなしている。
憲法第41条は「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」としており、第76条は「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」
もし、実態的にこの原則を覆す事態になれば、それは日本国憲法を基礎とする日本の政治、裁判の秩序を著しく傷つけるものであり、この動きは阻止しなければならないことは、当然である。
しかし、環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）に合意し、その中の投資家対国家間の紛争解決条項（ISD条項）を受け入れるならば、まさに憲法の根本原理に抵触する事態を招く。
ISD条項については、これまでもしばしば言及されてきているものと承知するが、日本に投資している外国の企業が、日本の法律、裁判、行政によって被害をうけたと判断する時には、日本の司法に救済を求めるのでなく、国際仲裁裁判所に訴えることが出来るという制度である。この際、その法律や裁判が健康・生命への配慮、地域の発展、労働者の保護と言う広い社会的正義、必要への配慮がほとんどなされず、企業に害を与えたか否かの論点で判断される。
ISD条項が如何に不当で危険なものであるかを、米国上院議員エリザベス・ウォーレンが２月２５日付ワシントン・ポスト紙に掲載した「全ての者が反対すべき条項（ The Trans-Pacific Partnership clause everyone should oppose）」に詳しい。
エリザベス・ウォーレン上院議員を引用する理由は次の通り。
�．┘螢競戰后ΕΕ�ーレンはマサチューセッツ州選出上院議員で、民主党内で同人を大統領候補に強く推す人々がいる位、評価を得ている。
�▲織ぅ犹錣錬横娃隠鞠�「最も影響力のある百人の人物（The 100 Most Influential People）の中に選ばれている、
�Ｆ運佑魯蓮璽弌璽病膤悒蹇璽好�ールの教授であった。
�な胴饑�府は環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）について、米国国会議員に対して詳細な説明をしてきており、日本の多くの人より実態を知りうる立場にあった。
論文の主要論点を紹介したい。（注・本文は末尾に添付）
・米国はTPP交渉の最終ステージにある。誰がTPPで利益を得るか。
・ISD条項が問題である。「投資家―国家紛争処理条項」という名前にごまかされるべきではない。
・ISD条項への合意は一段と多国籍企業に有利である。有利と言うより、もっと悪い。それは米国の主権を損ねるものである。
・ISD条項は米国法律に挑戦し、米国裁判所の関与なしに巨額を納税者から支払わせることになる。
・米国がしばしばガソリンに添加される有毒化学物質を健康・環境への影響で禁じたとしよう。もし、外国企業がこの決定に挑戦しようとすれば、通常は米国裁判所で行われる。
しかし、ISD条項では、外国企業は米国の法廷を通り越して、国際仲裁裁判所に訴える. もし、企業が勝ったとしたら、それは米国の裁判所では審議することはできない。そして仲裁裁判所は納税者に数百万ドル、さらには何十億ドルも支払わさせることになる。
,さらにショッキングなことは、仲裁裁判所は独立した裁判官を持たない。高級の企業弁護士がある時は企業の弁護士になり、ある時は裁判官になる。もしあなたが企業の高級弁護士だったら、どうして裁判官になった時に、企業に不利な判決を出すか。
・誰がこの裁判所を利用するか。国際投資家である。
・確かに発展途上国で司法システムが不十分で心配というケースがある。投資促進のためISD条項がある。しかし対象は今や法整備が整っている国へ映っている。豪州や日本は先進国で、ちゃんとした法制度を持つ。ISD条項はこれらの国の裁判所も飛び越える。
・ISD条項の利用は国際的に拡大している。１９５９年から２００２年までに２０１２年ISD条項のクレームは１００件であった。しかし、２０１２年だけで５８件にものぼっている。
・最近では仏企業がエジプトが最低賃金を挙げたと言って訴え、スエーデンの企業がドイツに原発を止めたといって訴え、オランダの企業がこの企業が一部所有していた銀行を政府が救済しなかったとして訴え、フイリップ・モリスがたばこの規制をするウルグアイを訴えることを考えている。
・ISD条項は米国を攻撃しないと言っているが、いつの日か米国に向かう。
エリザベス・ウォーレン上院議員の主張を紹介したが、この主張点に留意すれば「環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）に合意し、その中の投資家対国家間の紛争解決条項（ISD条項）を受け入れるならば、まさに憲法の根本原理に抵触する事態を招く」という点を充分ご理解されると思う、
以上、TPPでの最大の問題であるISD条項について、エリザベス・ウォーレンの論評を紹介した。
その他の諸点についての私の問題意識を紹介したい。
（1）TPP加盟候補の中で圧倒的比重の高いのは米国、日本である。米国に関しては関税率（貿易量加重平均）は全品目で２．０％、非農業分野で１．９％で（２０１１年３月１２日付東洋経済）、為替の変動など考慮すれば、今やほとんど貿易阻害要因ではない
（2）対米輸出に関しては例えば自動車産業など日本からの輸出には限界があるとして米国国内での生産に移行している
（3）TPP内に日本と同種の貿易構成を持つ国があまりなく、入らなければ競争力が低くなる現象はほとんど出ない
（4）最大の問題はTPPに入る利点が比較的小規模と見られるに比して、日本は大幅の社会変革を求められていることである。すでに日本医師会は１２月１日「医療分野に関してはTPPへの参加によってTPPへの参加によって，日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ，最終的には国民皆保険制度の崩壊につながりかねない面もあることが懸念される。具体的な懸念事項として日本での混合診療の全面解禁（事後チェックの問題を含む）による公的医療保険の給付範囲の縮小等を指摘した
（5）農業、政府調達（海外の事業者と国内事業者との区別をしないこと）、労働（人の移動の自由化）、各種サービス分野の規定によって日本人の雇用環境が悪化することが考えられる。米国、欧州始め多くの国の経済政策の最重要点が雇用である。この中雇用環境につながる経済政策をとることは、社会環境の悪化につながり、米国における治安分野への大幅出費に見られるように、他部門へのマイナスを助長する
（6）経済効率を追求する名目の下に、雇用・医療等生存に直結する分野で日本社会での弱者層への圧迫が深化する。
将来、多くの人は必ず、日本の国益を損ない、主権すら侵されるTPPに何故参加したのか問うであろう。幕末時、関税自主権がなく、治外法権を結んだ江戸幕府の人々がさげすまれる以上に、TPP締結時、日本の人々は何を考えていたかとさげすまれること、必死である、
（了）
甘利氏辞任でTPPの行く末不安の声があるが、TPPは国家主権を国際資本に売り渡していくシステムであることを改めて学びたい
2016-01-30 07:403
「ISD条項で主権を売り渡すTPP」
日本外交の歴史を簡単に振り返ってみよう。
外国との交渉で、国益を著しく犯した時は何時であったか。
多分多くの人は幕末時の交渉を想起すると思う。
日本は1858年日米修好通商条約を結び、ついで、イギリス・オランダ・ロシア、フランスと相次ぎ条約を締結した。ここでは、列強諸国の治外法権を認め、関税の自主権を放棄した。明治の外交においてこの撤廃を最大の眼目としたが、その完全な撤廃は日清戦争後の1899年日米通商航海条約の発行まで待たざるをえなかった。是正に約４０年かかっている。
ついで、１９４５年日本が第２次大戦に負け、ポツダム宣言を受諾し、９月２日降伏文書を結んだ時であろう。
戦後の基本的枠組みを決めたものであるが、日本ではほとんど、その内容を知っていない。
降伏文書に署名したのは、「大日本帝国天皇陛下及日本国政府ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ重光葵」と「日本帝国大本営ノ命ニ依リ且其ノ名ニ於テ梅津美治郎」である。
下名ハ茲ニ「ポツダム」宣言ノ条項ヲ誠実ニ履行スルコト並ニ右宣言ヲ実施スル為聯合国最高司令官又ハ其ノ他特定ノ聯合国代表者ガ要求スルコトアルベキ一切ノ命令ヲ発シ且斯ル一切ノ措置ヲ執ルコトヲ天皇、日本国政府及其ノ後継者ノ為ニ約ス」とした。
日本がポツダム宣言を受諾し、降伏文書に署名しなければ、日本国土は壊滅的な攻撃を受けていたろう。したがって、「聯合国代表者ガ要求スルコトアルベキ一切ノ命令ヲ発シ且斯ル一切ノ措置ヲ執ル」と約束したことも致し方なかった。ただ屈辱的文書に署名せざるを得なかったことについては、重光葵は強く意識している。このとき重光外務大臣は次のような句をのこしている。
神国の 栄え行くなる一里塚 ならぬ堪忍する日の来りぬ
願わくば、御国の末の栄え行き 我名さげすむ人の多きを
この文章は、TPPについてである。
しかし、何故、幕末の日米修好通商条約や、１９４５年の降伏文書を持ち出したか。
それは国家の主権を売り渡すという点において、これらと同等か、それよりひどい内容だからである。
今、日本が締結しようとしている環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）は、�（�野が関税のみにとどまらず。経済のほぼ全分野に及ぶこと、�∈枋蠅�国際仲裁裁判所に委ねられること、��裁判の主たる基準は企業の利益が侵害されたか否かであり、生命・健康、労働者保護、地域発展と言う国家の政策を形成する主要な価値観はほとんど考慮されない。
１９４５年９月２日の降伏文書への署名以来、最大の規模で国家の主権を譲り渡す取り決めであり、到底是認できるものではない。
私達は、国会が国権の最高機関であり、全ての裁判は最高裁判所を頂点とする司法によって裁かれるとみなしている。
憲法第41条は「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」としており、第76条は「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する」
もし、実態的にこの原則を覆す事態になれば、それは日本国憲法を基礎とする日本の政治、裁判の秩序を著しく傷つけるものであり、この動きは阻止しなければならないことは、当然である。
しかし、環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）に合意し、その中の投資家対国家間の紛争解決条項（ISD条項）を受け入れるならば、まさに憲法の根本原理に抵触する事態を招く。
ISD条項については、これまでもしばしば言及されてきているものと承知するが、日本に投資している外国の企業が、日本の法律、裁判、行政によって被害をうけたと判断する時には、日本の司法に救済を求めるのでなく、国際仲裁裁判所に訴えることが出来るという制度である。この際、その法律や裁判が健康・生命への配慮、地域の発展、労働者の保護と言う広い社会的正義、必要への配慮がほとんどなされず、企業に害を与えたか否かの論点で判断される。
ISD条項が如何に不当で危険なものであるかを、米国上院議員エリザベス・ウォーレンが２月２５日付ワシントン・ポスト紙に掲載した「全ての者が反対すべき条項（ The Trans-Pacific Partnership clause everyone should oppose）」に詳しい。
エリザベス・ウォーレン上院議員を引用する理由は次の通り。
�．┘螢競戰后ΕΕ�ーレンはマサチューセッツ州選出上院議員で、民主党内で同人を大統領候補に強く推す人々がいる位、評価を得ている。
�▲織ぅ犹錣錬横娃隠鞠�「最も影響力のある百人の人物（The 100 Most Influential People）の中に選ばれている、
�Ｆ運佑魯蓮璽弌璽病膤悒蹇璽好�ールの教授であった。
�な胴饑�府は環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）について、米国国会議員に対して詳細な説明をしてきており、日本の多くの人より実態を知りうる立場にあった。
論文の主要論点を紹介したい。（注・本文は末尾に添付）
・米国はTPP交渉の最終ステージにある。誰がTPPで利益を得るか。
・ISD条項が問題である。「投資家―国家紛争処理条項」という名前にごまかされるべきではない。
・ISD条項への合意は一段と多国籍企業に有利である。有利と言うより、もっと悪い。それは米国の主権を損ねるものである。
・ISD条項は米国法律に挑戦し、米国裁判所の関与なしに巨額を納税者から支払わせることになる。
・米国がしばしばガソリンに添加される有毒化学物質を健康・環境への影響で禁じたとしよう。もし、外国企業がこの決定に挑戦しようとすれば、通常は米国裁判所で行われる。
しかし、ISD条項では、外国企業は米国の法廷を通り越して、国際仲裁裁判所に訴える. もし、企業が勝ったとしたら、それは米国の裁判所では審議することはできない。そして仲裁裁判所は納税者に数百万ドル、さらには何十億ドルも支払わさせることになる。
,さらにショッキングなことは、仲裁裁判所は独立した裁判官を持たない。高級の企業弁護士がある時は企業の弁護士になり、ある時は裁判官になる。もしあなたが企業の高級弁護士だったら、どうして裁判官になった時に、企業に不利な判決を出すか。
・誰がこの裁判所を利用するか。国際投資家である。
・確かに発展途上国で司法システムが不十分で心配というケースがある。投資促進のためISD条項がある。しかし対象は今や法整備が整っている国へ映っている。豪州や日本は先進国で、ちゃんとした法制度を持つ。ISD条項はこれらの国の裁判所も飛び越える。
・ISD条項の利用は国際的に拡大している。１９５９年から２００２年までに２０１２年ISD条項のクレームは１００件であった。しかし、２０１２年だけで５８件にものぼっている。
・最近では仏企業がエジプトが最低賃金を挙げたと言って訴え、スエーデンの企業がドイツに原発を止めたといって訴え、オランダの企業がこの企業が一部所有していた銀行を政府が救済しなかったとして訴え、フイリップ・モリスがたばこの規制をするウルグアイを訴えることを考えている。
・ISD条項は米国を攻撃しないと言っているが、いつの日か米国に向かう。
エリザベス・ウォーレン上院議員の主張を紹介したが、この主張点に留意すれば「環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）に合意し、その中の投資家対国家間の紛争解決条項（ISD条項）を受け入れるならば、まさに憲法の根本原理に抵触する事態を招く」という点を充分ご理解されると思う、
以上、TPPでの最大の問題であるISD条項について、エリザベス・ウォーレンの論評を紹介した。
その他の諸点についての私の問題意識を紹介したい。
（1）TPP加盟候補の中で圧倒的比重の高いのは米国、日本である。米国に関しては関税率（貿易量加重平均）は全品目で２．０％、非農業分野で１．９％で（２０１１年３月１２日付東洋経済）、為替の変動など考慮すれば、今やほとんど貿易阻害要因ではない
（2）対米輸出に関しては例えば自動車産業など日本からの輸出には限界があるとして米国国内での生産に移行している
（3）TPP内に日本と同種の貿易構成を持つ国があまりなく、入らなければ競争力が低くなる現象はほとんど出ない
（4）最大の問題はTPPに入る利点が比較的小規模と見られるに比して、日本は大幅の社会変革を求められていることである。すでに日本医師会は１２月１日「医療分野に関してはTPPへの参加によってTPPへの参加によって，日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ，最終的には国民皆保険制度の崩壊につながりかねない面もあることが懸念される。具体的な懸念事項として日本での混合診療の全面解禁（事後チェックの問題を含む）による公的医療保険の給付範囲の縮小等を指摘した
（5）農業、政府調達（海外の事業者と国内事業者との区別をしないこと）、労働（人の移動の自由化）、各種サービス分野の規定によって日本人の雇用環境が悪化することが考えられる。米国、欧州始め多くの国の経済政策の最重要点が雇用である。この中雇用環境につながる経済政策をとることは、社会環境の悪化につながり、米国における治安分野への大幅出費に見られるように、他部門へのマイナスを助長する
（6）経済効率を追求する名目の下に、雇用・医療等生存に直結する分野で日本社会での弱者層への圧迫が深化する。
将来、多くの人は必ず、日本の国益を損ない、主権すら侵されるTPPに何故参加したのか問うであろう。幕末時、関税自主権がなく、治外法権を結んだ江戸幕府の人々がさげすまれる以上に、TPP締結時、日本の人々は何を考えていたかとさげすまれること、必死である、
（了）
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