孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの米軍に利用される日本と韓国。辺野古の米軍基地建設と済州島の海軍基地建設。

【孫崎享のつぶやき】
米軍に利用される日本と韓国。辺野古の米軍基地建設と済州島の海軍基地建設。
2015-09-13 07:352

米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、翁長知事は１４日にも辺野古の埋め立て承認の取り消しを表明することを決めた。１１日午後７時すぎ、県庁で記者団に「私の腹は固まった。今、細部の調整をしている。週明けに報告したい」と明言した。近く取り消しに向けた手続きに着手する。また政府の工事再開とは関係なく、取り消し表明に踏み切る意向も示した。表明後、沖縄防衛局の反論を聞く手続きを経て、約１カ月後に取り消す見通し。一方、防衛局は停止していた辺野古新基地建設作業を１２日に再開する。

こうして辺野古問題は新たな緊迫を迎える。

私は、今月７，８．９日済州島に行ってきた。観光ではない。江汀村で行われた平和コンファランスで講演するためだ。主催はイエズス会で日韓の関係者が参加した。韓国側が私を呼んだ。

江汀村では実に沖縄の辺野古に類似した現象が起こっている。

冷戦終了後の１９９３年に済州島に海軍基地を作る構想が出来た。

この時期は極めて重要な時期で、ソ連崩壊の後、米国は①新たな敵をイラン、イラク、北朝鮮等の不安定な国とする、②これに積極的に軍事介入する、③日独もこの軍事介入に参加させる方針を、ボトム・アップレビューで決めた時である。

２００２年にいくつかの地域が指定されたが住民の反対運動に会った。

２００７年４月、江汀村で急きょ村の集会が開催され、「満場一致で賛成」とされた。驚いた村民は村長を解任し、さらに海軍基地の是非を問う住民投票が実施され、賛成３６、反対６８０となった。

2007年という年は、にほんとの関係でいえば、2月には、戦略国際問題研究所（CSIS）において再度超党派による政策提言報告「第二次アーミテージ・レポート」を発表し、、日米同盟を英米のような緊密な同盟関係へと変化させ、東アジアの地域秩序の中で台頭する中国を穏健な形で秩序の中に取り込むインセンティブとすることなどを提言している。

江汀村での海軍基地については、２００９年４月、国防部と済州道知事が建設に関する基本共訳書を締結し、建設に着手した。

　何故このような海軍基地を建設する必要があるか。

　表向きは北朝鮮の脅威に対するためとなっている。しかし、今日、韓国と北朝鮮との間には圧倒的経済格差がある。通常兵力で北朝鮮が韓国を攻撃するのは難しい。さらに米軍がいる。北朝鮮を念頭に新たな基地を建設する必要性はない。

　目的は明白だ。中国をにらみ、米軍が使用することを想定している。在韓米軍駐屯軍地位協定では「（米国の）船舶と航空機は大韓民国のいかなる港または飛行場においても財政負担することなく出入りできる」となっている。米軍基地と銘打つ必要はない。韓国海軍基地が建設された時に利用すればいい。

　韓国にとって中国の軍事的脅威があっても、それは第一に核兵器、第二にミサイルと考えれば、中国海軍の脅威は大きくない。

済州島での海軍基地建設と辺野古での米軍基地建設はきわめて類似している。

１：建設する当事者の日韓双方の安全保障にはほとんど貢献しない（辺野古では海兵隊の基地である。海兵隊は奇襲を最大の目的とする。仮に尖閣の戦闘を想定した場合、中国の戦闘機やミサイルで海兵隊は動きが取れない）

２：地域住民の反対を顧みず建設を進める、

３：受け入れ地域は辺野古や、江汀村が絶対必要なわけでない。

４：政府は対米配慮で進める。

　江汀村での基地建設は現に進んでいる。しかし、私は辺野古での工事は出来ないと思う。沖縄県民の大多数が反対する中、工事ができるものでない。

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私見
　安保法案とは、中国とも北朝鮮とも韓国とも立ち向かうつもりのない法案であろう。
日本を軍国化して、アメリカ軍隊の代理に世界中に出兵する仕組みづくりとみる。
孫崎氏の知見は広く深い。