孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュのサンダース、民主党大統領選で現在ヒラリーに次いで第２位の支持。自らを社会主義者と呼ぶ。米国社会の拒否度合いは？

孫崎享のつぶやき
サンダース、民主党大統領選で現在ヒラリーに次いで第２位の支持。自らを社会主義者と呼ぶ。米国社会の拒否度合いは？
2015-08-22 06:221

ソ連の崩壊によって、「社会主義」もイデオロギーとして死滅したようなものだ。

　日本の社会党がその代表だ。

　米国では、サンダースは自ら民主社会主義者であると名乗り、2006年の下院から上院への鞍替え立候補で、バーモント州上院議席を得たサンダースは合衆国上院初の社会主義者の議員となった。

　そして現在の民主党大統領候補の支持率を見てみたい。

　一位：クリントン　　　　　４９．３％、

　二位：サンダース　　　　　２５．０％

　三位：バイデン副大統領　　１２．０％

　現在ヒラリー・クリントンはEMAIL事件（国務長官の時に機密情報を個人のメールで利用。これで国家の安全保障を潜在的に危機に落としたのでないか、かつヒラリーの説明は信頼性に欠けるというもの）で支持率急落中である。

　かつて、米国政治では、自らを「社会主義者」というのは政治的自殺を意味した。

　如何なる変化が起きたのか。

　まずサンダースが何を主張しているか見てみたい。

「大学は家庭の収入に関係なく、全ての者に開かれるべきでないか（注、米国では大学は高い授業料）」

「全ての国民に医療を保証する全国的健康保険制度がないのは、先進国で米国だけでないか」

「何故米国では中産階級が消滅しつつあるのか」

「巨大な格差社会があることが道徳的に許されるか」

　サンダースはこれらを是正するために社会主義が必要と説く。

　レッテルとしての社会主義を嫌うか、社会主義と言う名があれ、前者が改善される道を選択するかが問われている。

　二〇一一年PEWの調査（Young People More Likely To Favor Socialism Than Capitalism: Pew）

　社会主義に賛成するか、否か

　　　　　　　　　　　積極的評価　　　　否定的評価

　全レベル　　　　　　　３１％　　　　　　６０％

　１１８―３０歳　　　　４９％　　　　　　４３％

　さらに、２０１１年PEW調査では低所得者層の支持は43%、高所得者層支持は22%となっている。

　６月のGULLAP調査では、もし、自分の支持政党が社会主義者を指名したらその候補を投票するかで、４７％が投票、５０％はしないとなっている。

　貧富の差に関する別の世論調査を見てみよう。

　「所得分布は公正か」（CBS News Poll. July 29-Aug. 2, 2015、Do you feel that the）

公正　　　　　是正すべき　　　　無回答　

30　　　　　　　 63 　　　　　　　7

共和党　　　　　　　　　　５1 　　　　　　　42 　　　　　　　7

民主党　　　　　　　　　　 11　　　　　　　 87 　　　　　　　2

無党派　　　　　　　　　　 29 　　　　　　　60　　　　　　　 10

　こうしてみるとサンダースの「社会主義者」はマイナスのようではあるが、それが社会格差問題とうまくリンクすれば、サンダースの強みになる可能性がある、

本論評においては、CSMの「A factor behind Bernie Sanders' appeal: Changing attitudes toward socialism」を参考にしている。

　　　　　　　

コメント(2)

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[1] mixiユーザー 08月22日 15:56

共産主義社会は崩壊し、国家計画経済・社会主義の実験は失敗しました。
しかし、かといって、資本主義社会の矛盾が解決したわけではありません。

米国社会において、サンダースさんのような人が、大きく評価されるということは、いかに、その矛盾が拡大しているか、ということですね。

彼の活躍を大いに期待したいです。

[2] mixiユーザー 08月22日 15:56