孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの《安倍首相、「戦争に巻き込まれる」というレッテル貼りが行われてるのは残念」。また得意の詭弁》

【孫崎享のつぶやき】
《安倍首相、「戦争に巻き込まれる」というレッテル貼りが行われてるのは残念」。また得意の詭弁》
2015-05-01 05:593

安倍首相の特徴は、実態を議論することなく、「レッテル貼り」的言葉を投げかけて、さも実態が背景で言われていることと違うという印象を与えることである。代表的なのは「汚染水は完全にコントロールされている」である。

今回の訪米でも、彼の言葉はその類がちりばめられている。

その中で「日米首脳共同会見」での安倍首相の「今回のガイドラインと安全保障法整備について“「戦争に巻き込まれる”というレッテル貼り的な議論が日本で行われてることはは大変残念だ」という発言がある。これがいい加減な発言であることを見ていきたい。

Ａ：米国主導のイラク戦争、アフガニスタン戦争で同盟国の死者がどれだけ出たか。

１：アフガニスタン戦争

英：４５３、加：１５８、仏：８６、独５４、伊４８、豪４１、ポーランド４０、スペイン３４、

２：イラク戦争（独仏加参加せず）

　英１７９、伊３３、ポーランド３０、ウクライナ１８、

Ｂ：アフガニスタン戦争に英国などは如何なる目的で参加したか

　同盟国の多くはタリバン掃討を主たる目的で出てはいない。アフガニスタンの復興、治安維持を主たる目的として出ている。

Ｃ：治安維持、復興事業は敵側からみるとどのように見えるか。

　戦いは戦場だけではない。

　現地の一般民衆をどのようにひきつけるかの戦いも含む。したがって敵側から見れば治安維持、復興事業も敵対行動と位置付けられる。

　これは安倍首相自ら学んだはずだ。

　安倍首相の発言はエジプト訪問時、「ISIL（注：「イスラム国」）がもたらす脅威を少しでも食い止めるため」「イラク、シリアの難民・避難民支援」「ISIL（注：「イスラム国」）周辺国への人材開発、インフラ整備」を表明し後藤氏の殺害を招いた。

　これに対し２月１日イスラム国は後藤氏を殺害するビデオを公開した。ここで次の発言をしている。その際、安倍総理よ。勝てない戦争に参加した向こう見ずな決断によって、このナイフは後藤を殺すだけでない。今後もあなたの国民はどこにいても殺される。日本の悪夢は始まる」と述べている。

　行動が相手側にどのように受け止められるかが問題である。

　今後日本が行う予定の戦闘時の後方支援はまさに戦闘行為の一部である。敵側が当然反撃する。

それを「戦争に巻き込まれる」というレッテル貼りが行われてるのは残念」という言葉であたかもありえないという幻想をまき散らすのは極めて有害だ。

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私見

孫崎享氏は、外務省の幹部的官僚だった。安倍首相は、岸信介の孫で安倍晋太郎の息子である。優れた官僚がいても、これほどの「天才バカボン」がトップだと日本はどうしようもなくなる良い実例だ。

岸信介はタカ派で国際勝共連合＝統一心霊教会の顧問だった。しかし、反動でも岸氏にはまともな論理がある。専制総理の自覚はあった。うそと詭弁と二重人格の孫とは全く異なる政治家だった。親の安倍晋太郎はどことなくユーモラスな穏やかさがあった。アメリカの上下両院の演説でも、安倍首相は「岸信介の孫」と胸を張って見せた。草葉の陰で岸信介は孫のトンデル「怪傑」ぶりに喜んでいるだろうか。日本の上流階級の子弟である安倍晋三・麻生太郎の常識知らずの脱線は、外国のハイ・ササイアティとは全く異質の独裁専制君主の亡霊程度の認識しかもっていない。