孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの日中首脳会談、「結局は冷たい握手」。米国保守系クローニン氏の評価

孫崎享のつぶやき
日中首脳会談、「結局は冷たい握手」。米国保守系クローニン氏の評価
2014-11-11 08:341

１０日日中首脳会談が持たれた。二年半ぶりである。期待も高かった。

米国の著名人二人がツイッターしている。
クローニン（Patrick Cronin）は保守系の論客である。日中首脳会談について、「結局冷たい握手」と書いた。
ハース外交評議会会長は「暖かさの欠如lack of warmth」と表現した。

１１日読売新聞の社説には「首相と握手した際の習主席の表情は硬いままだった」の記述がある。

同じく１１日の朝日新聞天声人語は、「　「霜を履（ふ）んで堅氷至る」のことわざは中国古典から来た。霜が降りるという前兆があり、やがて氷が硬く張る。日中の関係も、尖閣諸島や歴史認識といった「霜」を踏んで、堅氷の中に凍（い）てついている。首脳会談前、安倍晋三首相と握手する中国の習近平国家主席の表情も、氷像を思わせた。ようやくのトップ同士の顔合わせである。だが習氏の目も口も頰も、国内向けかもしれないが寸分も緩むことはなかった」と記した。

　この会談には米国側の期待は高かった。

　首脳会談を前に７日、日中は四項目の合意文書を発表した。ケリー米国務長官は８日四項目合意に「米国はとても歓迎している」と述べた。

ハースは自分のツイッターで「中国、日本が島をめぐる紛争を管理する、そして信頼醸成措置を進めるとしたのは真の外交的前進の意義を有する」と発信した。その彼は１０日首脳会談をうけて「見解の異なりは解決されず、単に管理されたのみ。首脳会談は暖かさに欠けたものの建設的歩み」とドーンダウンした。

　私は安倍首相の記者会見の報道をみて驚いた。首相は訪中前の９日、記者団に「５０カ国目の記念すべき訪問先が中国となったことは意義深い。日中関係を改善させたい」と述べたと報じられた。「５０か国訪問した」と自慢するのは、おじさんやおばさんが「私はもう３０か国も訪問したのよ」とパスポートの入国記録を自慢するのと変わらない。

　我々の関心は今度の日中首脳会談で日中関係が良くなるか否かだ。
　私は「期待は出来ない」と判断している。
　鍵は４項目の合意にある。４項目は
①日中の戦略的互恵関係を発展させる
②歴史を直視し、両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた
③尖閣諸島など東シナ海の海域で近年緊張状態が生じていることに異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態を回避する
④政治・外交・安保対話を徐々に再開し、政治的相互信頼関係の構築に努めるである。この中で最も注目されるのは尖閣問題である。ここでさも前進があったかの如き印象を与えた。

　１１月７日付ワシントン・ポスト紙は安倍総理とウィモウス同紙記者とのインタビュー記事を掲載した。
掲載のインタビューで「尖閣諸島は、国際法的にも、歴史的にも、日本の領土と不可分である。我々は、現在、それらの諸島を施政権下に収めているし、将来的にもそうして行く」と述べた。４項目の影響はどこにもない。

更に石破氏は８日「我々が（尖閣で）領土問題があることを認めたわけではない。日本の姿勢は全く変わらない」と強調している。
　結局、４項目合意は日中関係を改善したいという真の願いからきているのではない。首脳会談を実現するための見せかけの合意である。

コメント(18)

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[1] mixiユーザー 11月11日 16:18

天木さんがまったく、孫崎さんと同じ感想、意見を述べておられます。
安倍さんも、50番目に中国を・・・とは失礼な話ですね。
これでは、習主席が、そっぽむいた握手をするわけだ。

[2] mixiユーザー 11月11日 18:25

>>[1]

天木さんのことを孫崎さんも快く思っていますね。天木さんが体調をくずしたときに、とても心配されていました。

[3] mixiユーザー 11月13日 15:21

どこかのラジオ番組で、右よりの解説者の遠藤誉女史が、
習近平国家主席は、国内向けにも、笑顔は見せられない状況だった、
安倍首相との対談の態度は無礼だった
と解説していた。

オバマとは、９時間も話したそうで、随分と差がある。

それでも、一応は会談できたのは、(安倍首相のためでなく)日本のためによかったように思う。

５０６番目なんて、言わない方がいいと私も思う。

安倍首相は、感覚／思考がおかしい？

[4] mixiユーザー 11月13日 15:41

>>[3]
まったく同じです。
習近平国家主席は、日本を除く、他の首脳たちには「笑顔」を振りまいていました。
安倍首相の「歴史認識」が日本の立場を国際的に悪くしています。
中国は、「日本の平和と繁栄」に重要な位置を占めています。
一国の代表者として、自分の好き嫌いは超えて、隣国と「平和友好関係」を構築してほしいものです。

[5] mixiユーザー 11月13日 19:42

>>[4]

３のコメントの、５０６番目は、５００番目に修正します。

文化放送の番組で、孫崎さんが日中首脳会談と選挙について、簡単に語っています。下の動画の１０分頃です。

孫崎さん＞
(今回のように、)良いムードを作れない場合は首脳会談は行わない方がいいと思う。
(今回は)安部首相には、ショックだったのではないか？

http://www.nicovideo.jp/watch/sm24902541
文化放送おはよう寺ちゃん

[6] mixiユーザー 11月13日 20:58

>>[5]
５００番目でなく、５０番目ですね。
あんたのところに来たのは、ちょうど「５０番目」だなんて、わざわざ言う必要はないですね。
まず一番に、新しく就任したばかりの「韓国の朴大統領」と「中国の習国家主席」を訪問すべきでした。
５０番目に来たなんて、失礼です。

[7] mixiユーザー 11月13日 21:27

みなさんの対話に共感しながら拝読さぜていただきました。

安倍総理もいつか第一次総理の時以上に国民の信頼を失い、引退するでしょう。

[8] mixiユーザー 11月14日 14:40

「解散・総選挙」で墓穴を掘るような気がしますが、あまり外野が「解散」「解散」というと、「解散はやめた」という可能性も大ですね。

[9] mixiユーザー 11月16日 10:20

>>[006]

ご指摘有難うございました。５００番は、そそっかしく間違えました。

**********
今朝のＮＨＫの日曜討論では、これまでよりは落ち着いた関係に戻せたように解説してました。

[10] mixiユーザー 11月16日 20:51

>>[9]
近頃のＨＨＫは、安倍にいいように解説しています