孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの公明党　集団的自衛権容認に一歩一歩歩み始める

公明党　集団的自衛権容認に一歩一歩歩み始める
2014-06-04 07:041孫崎享のつぶやき

集団的自衛権で、公明党がどのような対応に出るか、集団的自衛権容認のカギとなる。

　見方は２つに分かれる。
1:公明党は過去、長期にわたって自民党と一体になって動いてきた。安全保障政策など重要案件について。当初慎重論をぶつが結局自民党と一体に動く。政権側につくという事は様々な利益がある。「一旦この利益を享受し始めると自らの手で放棄することは出来ない」と言うのが、主な理由である。
2:集団的自衛権容認は難しい。特に創価学会が立場を鮮明にしている。

先ず、２の動きから見ていきたい。

創価学会広報室の見解全文は次の通り。

「私どもの集団的自衛権に関する基本的な考え方は、これまで積み上げられてきた憲法第９条についての政府見解を支持しております。したがって、集団的自衛権を限定的にせよ行使するという場合には、本来、憲法改正手続きを経るべきであると思っております。集団的自衛権の問題に関しては、今後の協議を見守っておりますが、国民を交えた、慎重の上にも慎重を期した議論によって、歴史の評価に耐えうる賢明な結論を出されることを望みます。」（5.17産経新聞）

　これについて産経新聞は「創価学会、「見解」独り歩きに困惑　集団的自衛権「あくまで慎重に」との標題で次の解説をつけている。

「公明党の支持母体である創価学会が、広報室として発表した集団的自衛権の行使容認をめぐる見解の波紋に困惑している。「本来、憲法改正すべきだ」と一般論を示したつもりが、行使に向けた憲法解釈変更を目指す政府・自民党が「反対」と受け止め、敏感に反応。２０日の与党協議への影響を懸念し、公明党への牽制発言が相次ぐ中、学会側は見解の「独り歩き」を懸念している。事の発端は朝日新聞から見解を求められ、１６日に発表したこと。行使容認に慎重な姿勢を示しながらも、政教分離の観点から与党協議を縛らないよう「本来、憲法改正手続きを経るべきだ」とあえて「本来」と前置きし、「広報室のコメント」にした。学会幹部は「何でも反対ではない。あくまで慎重」と語る。

　当の公明党は「コメントすることはない」（山口那津男代表）と多くを語らないが、漆原良夫国対委員長は１９日、記者団に「一つの参考意見にはするが、党は党の立場で進める」と述べ、見解に縛られるものではないとの認識を示した。」

　この中、前よりの動きを示す報道がなされた。６日毎日新聞は、「公明:２事例を大筋容認…グレーゾーン　離島防衛など」の標題の下、「公明党は２日、政府が示した集団的自衛権の行使容認を含む１５事例のうち、離島などでの不法行為への対処、公海上の日本の民間船への襲撃対処の２事例について、大筋で容認する調整に入った。ともに日本への武力攻撃には当たらない「グレーゾーン事態」に入る。「「離島対処」は、日本の離島や本土のへき地に外国の武装集団が不法上陸し、近くに警察や海上保安庁の船などがなく、自衛隊の対処が必要とされる事例。政府は、自衛隊に警察権を付与する「海上警備行動」発令などの手続きを簡略化・迅速化するなどの案を公明側に示している。

　「公海上の襲撃対処」は、自衛隊の艦船や航空機が訓練している最中などに、外国の武装集団に襲われている日本の民間船を発見したケース。政府は海保が間に合わない場合、自衛艦の武器使用基準の見直しなどを検討する。」と報じている。

　私はこれまで指摘しているように、集団的自衛権は「米軍と一体となって米軍戦略のために自衛隊を動かす」ことを主目的としており、離島防衛は集団的自衛権と関係がない。同様のことは民間船舶防衛にも言われる。関係ない「グレーゾーン」の協議で、集団的自衛権の本質を隠しているのが現状だ。

　公明党もこの流れに沿い、集団的自衛権容認の動きを強めそうだ。

　６月２日付朝日新聞は「公明党の伊佐進一衆院議員（大阪６区、当選１回）が２日の衆院安全保障、外務両委員会の連合審査会で、集団的自衛権の行使について「認めてもいいのではないか」と述べた。」と報じたが、この流れが公明党にあることは間違いないであろう。

コメント(23)

最初
全て
最新の40件

[1] mixiユーザー 06月05日 13:04

やはり、公明党は自民党についていくしかないのでしょうね。
日本もアメリカについていくしかないのか？
「日本は日本の道を行く」という政治家はいないですね。

理想的には、「非同盟中立」が一番ですが、
現実的には、いま、アメリカから離れるわけにはいきませんね。
＜日本の選択＞
①アジアの平和について責任を持つ
②アメリカと連携しながら中国との関係改善を図る（日米中の三国関係）
③防衛力を強化する（アメリカにだけ依存しない）
④海外派兵はしない
⑤核兵器は保有しない

[2] mixiユーザー 06月05日 18:25

>>[1]
アメリカの現実的民主派となら少しは連携できるかも知れませんね。
五つの提案に賛成です。

[3] mixiユーザー 06月06日 16:16

公明党には、はじめから、期待しておりません。
最近の公明党は立党の精神を忘れ、権力の亡者に成り下がっています。

彼らと同じように、やはり、与党にいなければ、意見も通せないと、ちょっとしたことで手柄を言うようなら、国会は全部が（共産・社民をのぞく）オール与党となり、大政翼賛となる。

ちょっとは、真のある野党の出現を望みたい。

[4] mixiユーザー 06月06日 20:01

>>[3]
まったく同感！！

[5] mixiユーザー 06月07日 15:49

アメリカから見れば、「日本が韓国のように、中国の支配下に入ることは避けたい」ということでしょうね。
この点では、日本もおなじですね。

その方法が問題です。
A　日本をアメリカの「支配下」に置く。　
　これが、「集団的自衛権の行使」ですね。
B　日米双方が、「個別的自衛権」の範囲内で、相互に連携・協力する。
　「日米防衛協定の見直し」

日本としては、Bで,十分なのに、なんで、みずから「アメリカの支配下」に入ることを望むのか。
どうしても、「アメリカの支配下」に入らなければならない理由があるなら、なぜ、そのことを「国民」に説明しないのか。「だまし」「ごまかし」で、「国の命運」にかかわる決定をしていいのか。

安倍「アメリカ従属政権」は、大きな「禍根」を残しそうです。
と、評論家風に「傍観」しないで、「反対運動」を起こさなければなりませんね。

[6] mixiユーザー 06月07日 17:52

安倍さんがズルいのは、集団的自衛権というのは、実はアメリカの支配下で、日本の自衛隊が戦争すること、なのに、勝手な仮想敵国や勝手な空想事件をつくって、いかにも今のままでは、国民や財産を守れないと、喧伝していることですね。

[8] mixiユーザー 06月07日 18:08

>>[6]
安倍さんとしては、「アメリカの支配下に入りましょう」とは言えないでしょうね。
それを、安倍さんにさせようとするとこが、いかにも「アメリカ」ですね。
おじいちゃん（岸信介）も、同じ目に遭いましたね。
あのときは、国民が「安保反対」と立ち上がりましたね。

[9] mixiユーザー 06月08日 00:13

ハローさん、すーちゃんさん

有意義なコメントをありがとうございます。
私はアメリカにはオバマ政権とともに軍産複合体の政治的代弁者がいると思います。
日本をコントロールしようとしてきた後者の実態を見極めたいと願っていますが、あいまいなままでいて、自分でもいらだたしいこともあります。
アメリカのリベラル派は限界はありますが、やはり存在すると考えます。

[10] mixiユーザー 06月08日 07:47

アメリカの保守（自由）と革新（平等）

わたしも、「アメリカの政治」をもっと知らなければと考えています。
日本で「リベラル」というと「革新」という感じがしますが、アメリカのリベラルは「保守」ですね。

「保守派」＝ブッシュ「共和党」（自由の尊重・リベラル）
「革新派」＝オバマ「民主党」 (格差の是正・チェンジ）

オバマは頑張っていますが、「チェンジ」は難しいですね。

[11] mixiユーザー 06月08日 19:43

>>[10]

「新自由主義」とはじめて見た時は、リベラルと思いましたが、正確には「新保守主義」が正確ですよね。
リペラル派という言葉がごちゃまぜに使われるようになってしまうきっかけになりました。

オバマはやはり頑張っています。かりに民主党が大統領を引き継いでも候補のヒラリー・クリントンは、オバマよりも保守サイドと考えます。

[12] mixiユーザー 06月08日 20:28

>>[11]
アメリカが「保守化」しているんですね。オバマは「チェンジ」を合言葉に、「医療保険制度」を導入しましたが、「自由の国」アメリカでは「社会主義」的だとみられていますね。これからは、アメリカも「高齢化」していきます。「貧困」が大きな社会問題になるでしょうね。日本はそんな国の後を追う必要はないと思いますね。

[13] mixiユーザー 06月08日 21:01

>>[12]

自由主義・資本主義経済は、どんなに修正をいれても、あくまで利潤原理ですから、経済格差・貧富差が出ます。
それを、社会主義的な考え方、大きな国家でできるだけ、平等・格差縮小していくのが、国家・政治のしごとです。
日本は、やっぱり、西欧の福祉国家を目指すべきだと思うのですが・・・・

[14] mixiユーザー 06月08日 21:16

>>[13]
　日本の大多数の国民は、「新しい福祉国家」（生命・生活の尊重）がいいと考えているのに、それをくみ上げる「大政党」がなくなりました。「自民党」はもちろん、「民主党」までが、「新自由主義」の政党になってしまったからです。
　このさい、「民主党」（除く、野田・前原・岡田・細野ら）＋「公明党」＋「社民党｝＋「生活の党｝＋「みどりの党」＋「共産党」などが一丸となって、「打倒　安倍政権」を唱えれば、国民はついてくると思いますね。
　

[15] mixiユーザー 06月08日 22:44

ハローさんとすーちゃんさんの対話は有益ですね。ありがとうございます。
福祉の充実と労働の権利保護は、日本政治の課題ですね。私は、社会主義的民主主義の日本的展開が必要と考えるようになりました。
ソ連や東欧のコミンテルン型社会主義と同時期に、ドイツやイギリス、フランスなどでは、第二インターの社民主義とローザルクセンブルグらの社会主義理論が展開されていました。
すでにコミンテルンは破綻しましたが、歴史的意義はやはりあると思っています。ただ、現代世界にレーニンや毛沢東をもちだしてきても、教条主義では破綻します。
日本で、現実的対応を考えると、ハローさんの「打倒安倍政権」の共闘は意義があります。しかし、かなり困難な課題です。おっしゃる政党が、共闘する意義を実現するどころか、自民党に擦り寄る始末。共産党は自共対決路線ですが、「一点共闘」をどう発展するか注目しています。
沖縄県知事選がかなりシンボリックな意義をもちますね。

[16] mixiユーザー 06月09日 08:01

　戦後の日本は、「修正資本主義」あるいは「国家社会主義」的な政策により、「社会保障制度」（年金・医療・介護・生活保護）を充実させ、「自由かつ安定」した「福祉国家」をつくってきました。
　「みんなで働けば」、「経済が成長」し、豊かになる」。「夢と希望のある幸せな時代」でした。
　日本はアメリカに次ぐ「経済大国」になったのですから、「成功物語」でした。

　それが崩れ出したのは、「冷戦の終結」と「グローバリズム」「新自由主義」の影響ですね。
　企業は、「安価な労働力」を求めて、海外に進出しました。
　国内では、「リストラ」「非正規雇用」「低賃金長時間労働」と「労働環境が悪化」しました。
　「経済成長もストップ」し、「福祉国家」が存立の危機に瀕しました。
　加えて、「少子高齢化」「人口減少」が追い打ちをかけています。
　これが、日本の現状ですね。
　
　このままでは　「社会補償制度」は存立できないのは明白です。
　政府は、①「高度経済成長」すれば大丈夫　②「人口が増加すれば大丈夫　と言っていますが、それは、　「根拠のない楽観」（絶望）です。

　解決策は、「消費税」しかありません。
　「消費税を20％」にし、「社会保障制度」を維持する。
　そんな、「国民的合意」を作り出すことはできないものでしょうか。

[17] mixiユーザー 06月09日 11:20

>>[16]

北欧では、消費税が高いですよね。でも社会福祉、社会保障が日本の数倍も充実して安定しています。
北欧なみの社会保障を完備するなら、ハローさんのご意見に賛成しますけれど、ますます社会福祉が切り捨てられ、年金は毎年減らされ、社会保険もＴＰＰで医療費の高騰するような現状で２０％の消費等税は・・・いかがなものでしょうか。
小生に誤解が逢ったら、ご教示ください。
いつも参考になるご意見をありがとうございます。

[18] mixiユーザー 06月09日 11:32

>>[17]
もちろん、「社会福祉が切り捨てられ、年金は毎年減らされ、社会保険もＴＰＰで医療費の高騰する」状況を断ち切ったのちです。
「安倍政権」「新自由主義」に代わるものがあるのか？
「対案を示せ」という人がいるでしょうからね。

しかし、「アベノミクス」が失敗し、日本の経済が沈まない限り、北欧型の「福祉国家」を目指す政党が政権を握ることは難しいでしょうね。

[20] mixiユーザー 06月09日 11:56

私が高校を卒業した年、1960年、校長が卒業生の我々に向かって、ゴールデン60の夜明けだ！とあいさつしました。その通り、60～80年代まで、日本は高度成長を続けたのです。

その60の年齢の団塊の世代が、今や年金生活の主流にならんとしています。しかし、30年後を考えると、団塊は死に絶えているでしょう。

100年安心の年金・福祉なんて、言った小泉？さんのウソがホントになるかもしれない。
その頃は、支給対象者がへって、大きな負担だけが残った若者労働者がいる。
まさしく、北欧型福祉国家の到来、になるかもしれません。

いま、本当にアベノミクスで好景気ならば、やるべきことは、企業減税でなく、福祉のための企業増税でしょう。それでしのぐしかない。もし企業減税するなら、それに見合う賃金アップで年金保険の負担率を上げる必要がある。消費税のいけなり２０％は無理ですね。

[21] mixiユーザー 06月09日 11:59

>>[17]
「社会福祉が切り捨てられ、年金は毎年減らされ、社会保険もＴＰＰで医療費の高騰する」.
なぜ、このようなことになったのか？
それは、「大企業」を優先し、「国民の生活を犠牲」にしているからです。
政府は、できもしない「高度経済成長」と「人口の増加」で「社会保障制度」を維持できると虚言を弄し、国民の不安を抑えていますが、このような、「アベノミクス」は必ず破綻します。
　では、そのあと、どうするのか？となると、北欧型の「福祉国家」しかないと考えるのですが、それには、もう一度、日本が「沈没」してからでないと、難しいかもしれないと思うのです。
　あと10年ぐらいは、なんとか持ってほしいとは思うのですが・・・・。

[22] mixiユーザー 06月10日 11:15

>>[21]

とにかく、「命」を大切にしないで、経済・合理性・利潤を優先する安倍政権は、だめです。

原発再稼働、集団的自衛権、大企業減税、ホワトカラーエクゼンプション、どれをとっても、我々庶民を大事にする、いのちを重視する政策とは思えません。

共産党は理念はいいのですが、他党との共闘、譲歩の考えがありません。政権への展望のみならず、自己主張実現の展望がみえてきません。
批判だけの政党では・・・・潔癖、主張の一貫性は認めますが。

[23] mixiユーザー 06月10日 19:19

お二人のご意見を読み、共感しつつ二つのことを考えました。
・日本が北欧なみの福祉国家になることでさえも、政治後進国日本では、革命的なことになっているのでしょうね。
・日本共産党の他党との共闘・譲歩は、イメージとしてはそのとおりですね。私は都知事選での動きに、いくつかの難しさを感じました。その難点を自分なりに考えてまとめたいと考えています。今は白紙に近いです。

ログインすると、残り2件のコメントが見れるよ