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孫崎亨・広原盛明・色平哲郎達見コミュの孫崎享:イランの核開発に関するイランと米国等西側諸国の合意,よくオバマ政権は踏み込んだ

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イランの核開発に関するイランと米国等西側諸国の合意,よくオバマ政権は踏み込んだ

1:事実関係
イランと米英独仏中ロの6カ国は24日、イランがウラン濃縮活動などの核開発を縮小し、見返りに同国への制裁を一部緩和する「第1段階の措置」にジュネーブでの外相級協議で合意した。イランの核兵器開発問題の解決への一歩であるとともに、核不拡散の外交努力としても歴史的な重みを持つ成果だ。
 国連安全保障理事会で最初の対イラン制裁決議が採択された2006年以降、制裁緩和は初めて。30年以上、敵対関係にある米国とイランの関係改善にも大きな意味を持つ。
 オバマ米大統領は、合意直後にホワイトハウスで「外交がより安全な世界への新たな道を開いた」と演説。イランの核問題解決に向けて重要な一歩を踏み出したと強調した。原子力を平和利用する権利は認め、「核兵器開発を不可能とするための厳しい制限を受け入れなければならない」とも語った。
 ケリー国務長官はあくまで中間合意、イラン側動向をしっかり見極めなければならないことを強調している。


2:評価
(1)この合意に関し、どのように評価するかは、イランに対し厳しい対応をしてきたネオコンの代表的人物、ボルトン元米国国連大使(「国連などというものはない。あるのは国際社会だけで、それは唯一のスーパーパワーたるアメリカ合衆国によって率いられる」等の過激な発言で知られる)の論評が参考になる。
 ・この中間的取り決めは、米国の観点でみればひどく歪められている。
 ・イランは濃縮の権利を持つ。これは十年にわたる西側の主張とイランは全ての濃縮を止めなければならないとする国連決議を放棄するものである。
・濃縮ウランの蓄積や核インフラの停止はあるものの、最終宣言でイランの濃縮の権利を与えることとなる。
・これは米国の情けない降伏である。
・イランは表面的な譲歩を行ったが3つの重大な突破口を勝ち得た。
先ず核兵器開発の時間稼ぎをした。
第2にイランは合法性を勝ち得た。
第3に国際的圧力と言う動きを止めた。再度の制裁は困難になる。
オバマは何故こうした選択をしたか。
イスラエルのイラン軍事攻撃をおそれ、イスラエルに国政的圧力をかけることを図った。
 イランの核開発は核兵器開発をめざすものである。
 またヘリテージ財団副理事長James Jay Carafanoは「第二のミュンヘン(Munich II)」という論評を掲げている。


(2)穏健派は称賛している。
Fred Kaplan(著名ジャーナリスト。外交評議会メンバー)は「A Good One」という評価を行っている。
Zakariaは「What critics are getting wrong about the Iran deal」の標題の下、もし合意がなければイランの核兵器開発は急ピッチで進む、それを抑える効果がある。(2003年合意ができず、その結果「Iran had 164 centrifuges operating in 2003; today it has 19,000 centrifuges.」という事態を招いている。


(3)警戒論を展開する識者もいる。
THOMAS L. FRIEDMANは「Oh, Brother! Big Brother Is Back」の標題の下、スンニー派アラブ社会に大変なショックを与えると記している。
K.T. McFarlandは「Iranian nuclear deal -- brace yourself for a Middle Eastern arms race, America」の標題の下、核兵器保有のイランという現象を受け入れざるをえなくなるだろうと記している。
 総じて何を言えるか。
・米国が軍事介入をする可能性が遠ざかった、
・イスラエルは強く反対している。このことは米国議員に対する働きかけが強化されよう。今後これがどう展開されるか注視する必要がある。さらに軍産複合体も反対の動きを展開するであろう。
 下院情報委員会委員長Mike Rogersが批判
 下院House Majority Leader Eric Cantorが危険と批判。
 米国内のイスラエル支持のサイト「WorldJewishDaily.com」は「後ろから刺す」行動と激しく批判、さらにネタニヤフ首相はオバマに対して「世界で最も強力な座にいたいのなら、政策を変えなければならない」と警告したと報じている。
またBloombergは「Government officials and analysts said Israel may now try to influence the shape of any final accord」としてイスラエルによる米国への,働きかけが示唆されている。
・オバマ大統領の中東への安定を目指す気持ちは強いことが証明されたと言っていい。




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