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意味怖【ボカロアレンジ】コミュの千本桜(長文)

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どうも、ボカロ意味怖三作目のきゃい。です!
トピにも依頼があったので、今回はかの有名な「千本桜」です!


ちょっとわかりにくいかもしれません…。原曲知らない方は特に…。


花魁言葉だって完璧にイメージさ!ふう!ヽ(^o^)丿←


ちなみにボカロキャラが出てきますが、文中に表記ない場合はみんな髪色は純日本人的なイメージでお願いします…。






*****







千本桜―。


春は人でごった返す、新都市・帝都最大の花見場。何百にも及ぶ桜の木とその美しさはありとあらゆる人々を魅了し、いつしか人々はそのさまを千本桜と称すようになった。


「おい、早く来いよ海斗(かいと)!」


春先。今日も今日とて人でごった返すその千本桜の地に、都立士官学校の生徒二人が花見に来ていた。先を歩く友人に呼ばれ、海斗は我に返る。


「…あ、悪い。」


海斗は慌て、自分を呼んだ友人の賀久(がく)の横へと走って追い付いた。


「大丈夫か?」


「あぁ…ちょっと桜に見入ってた。」


「まあ無理もないな、今週が一番見頃な時期だそうだ。」


「まるでこの世のものじゃないみたいだ…。」


「あたりまえだ、千本桜の桜だぞ?美しくないわけがない。」


「まあ、そう…か。」


「さあ、今日は楽しもう。懐かしい友人たちも呼んであるのだからな!」


海斗と賀久がしばらく進んでいくと、そこにはお互いの幼馴染の顔があった。美来(みく)と流華(るか)だ。海斗の幼馴染・美来、賀久の幼馴染・流華は同じ女学院の生徒だった。





「では…再会を祝して、乾杯!」


  かんぱーい!


賀久の掛け声に、全員がコップ(中身は麦茶)を掲げる。流華特性の重箱が広げられ、一気に宴会騒ぎへ。


「…それにしても、見事な桜だな…。」


ふと、海斗が呟く。


「また見とれていたのか?」


賀久は呆れたように返す。


「賀久さん、無理もありませんわ。ここまで美しい桜は、きっとここでしか見られませんもの。」


「もう、海斗兄さん!御馳走が冷めちゃいますよ!」


「…あ…すまない…。」


「…。」


ふと、そんな様子を見て賀久が口を開いた。


「お三方、こんな噂を知っているか?ここの千本桜がこんなにも美しい理由を…。」


「どのような噂ですか?」


「ぜひ聞きたいですわね。」


「そうだな。」


三人のそんな反応を見て、賀久は得意そうな顔を浮かべると語り出した。


「かつて…まだ大日本帝国が異国を受け入れたばかりの頃、異国を嫌う攘夷の者たちが新政府に殺されたのは知っているだろ?ここの近くにはその処刑場が…断頭台があったらしい。」


「まあ恐ろしい…。」


「そこで処刑された者の魂を鎮めるため、これだけの桜を処刑台の近くに埋めたのだそうだ。この木々が美しいのは、まあ当たり前だが手入れが行き届いているからだ。新政府は、かなり腕の良い庭師を何人も雇って管理させているのだそうだ。」


「それだけ怨霊を恐れているわけですね。」


「さすが美来殿、その通り。」


しかし海斗はそれを鼻で笑った。


「ははっ、怨霊だって?」


「なんだ、桜に見入ってたわりに言うじゃないか。」


「怨霊なんて目に見えないものを恐れるなんて、情けない政府だ。」


そんな海斗を見て、賀久は頭を抱えてため息をついたのち、続ける。


「まったく…相変わらず馬鹿だな。今までも、我々の国は荒ぶる魂を鎮めながらここまで来たのだ。信じる信じないではない。そうする習わしだ。また授業を聞いていなかったのか?史の授業でやっただろう。」


「…ああ…なんだ、欠席していたか…それか出席していても居眠りしていたか…。」


「もう…いまだにそんなこと続けてるんですか、海斗兄さん!幼馴染として一言言わせていただきますが、いつまでも情けない!それでも日本男児ですか!?お国のため真面目に学ばれる賀久さんを見習ったらどうです!?」


「…。」


「まあともかく、とりあえずは流華殿の手料理を味わおうじゃないか。」


重箱の料理をたいらげ、四人は花見を終えるとそれぞれの場所へと帰っていった。空はすっかり夕暮れになっていた。





「…。」


家路を歩いていた海斗。しかし、ふと足を止める。


「(このまま帰るのはもったいないな…。)」


桜の美しさが忘れられない海斗は、来た道を引き返すと、再び花見場へ。


「ああ…本当に、本当に見事な桜だ。」


いくら桜を眺めていても、もう誰も彼を止めるものはいない。海斗はずっと花見場を練り歩き、ひたすら桜を鑑賞した。




気付くと、辺りは夜になっていた。海斗がなおも練り歩いていると、外国人の子供だろうか、目の前に金髪の少女が現れた。


「おや…迷子かい?」


少女は答えない。にこにこ笑顔を浮かべるだけだ。眼帯をしているが、なにやら模様があることからこれもハイカラの装飾品だろうか、と特に気にはしなかった。


「どうした?親御さんとはぐれたか?」


するとにこにこ笑う少女は、片手を差出してきた。


「…?」


そこに、手を置いてみる。





------





数年後。


花街を、花魁が練り歩く。いわゆる花魁道中。花魁はひとりの青年の前で止まった。


「海斗様、お迎えに上がりましたどすえ。」


「ああ。」


「本日もよろしゅう…。」


将校の軍服をまとった海斗は、立ち上がると花魁の隣を歩く。


「それにしても…いつも思いますが、海斗様のご出世はほんに耳を疑うような優秀さでいらっしゃいますなぁ。その若さで将校まで上り詰めるなんて…。」


「そんなことはないさ。私はただ檻から…鋼のように頑丈な檻から抜け出したにすぎないのだからね…。」









end

元ネタ:千本桜(黒うさP feat.初音ミク)
http://www.youtube.com/watch?v=vVIA1ISs6M4

コメント(17)

>>[1]
いえ、相当こじつけなので大したものではないです...(´・ω・`;)

解説には早いのでヒント出しますと、桜が綺麗に咲くのは...という都市伝説が絡んできます。
処刑された死体が千本桜の下に埋まってるとか?
>>[5]
そうです!女の子は怨霊と繋がってます!
千本桜は難しいだろうなんて思って読んだら、
見事に纏まってましたねるんるん

面白かったですほっとした顔
これ面白い!

解説楽しみに待ってます!
>>[9]

ありがとうございます!^ ^
コメの様子を見つつ解説出しますのでもうしばらくお待ちください!
いい話なのに俺のおつむじゃ足りないっ(>_<)笑
>>[11]

本文をよく読んでみてください!どこか矛盾点があるはずです!

(^∀^)
おおー、リクエストにお応え頂き、ありがとうございます!!
m(__)m

とても楽しいお話でした!ストーリーの中に引き込まれるような感覚に陥りました!!
PVの千本桜の映像が浮かびました(笑)
眼帯をした金髪少女は、断頭台にて処刑された女の子の怨霊だったのでしょうか?
そして、憑依され、将校にまでのし上がり、処刑した人間達を憑依した体を使用して、その手で復讐をする、みたいな……。
(笑)
解説、楽しみにしています。
ありがとうございました!
m(__)m
面白かったです!!

でも、俺の頭では理由できないので
解説お願いします(>_<)
すすすすすいません、すっかり解説入れるの忘れていましたぁぁああ…!\(^o^)/

五か月近くもお待たせしてしまって申し訳ありません…!解説します!



このお話で重要なのは、まず海斗があんまりにも桜に魅入られすぎてしまっているところです。そしてこの千本桜の土地は、がっくんが言ってる通り、かつての処刑場の傍にありました。


ここで、桜が綺麗に咲くのは下に死体が埋まっているから、という都市伝説が入ってきます。


そういうわけで、この桜の下には処刑された人たちが埋められているのです…で、最後に、PV見た方なら分かると思いますが、眼帯の少女、つまりリンちゃんが出てくるわけです。ここで皆さん気付かれたでしょうか?実はPV的に考えて一人登場人物が足りないのです。そうです、レン君がいないんですね。


どなたかもおっしゃっていましたが、実はリンレンはかつて処刑された人たちの怨霊で、皮肉の意味も込めてわざと外国人的な姿(金髪ってだけでこじつけなんですが…)に化けて、今回の海斗のようにターゲットを決めて、桜に引き寄せ、最後は体を乗っ取ってやろう…そういう魂胆なわけです。今回はリンちゃんが海斗の注意を引いている間に、後ろからレンくんが近付いて…みたいな。


最後、海斗はめっちゃ優秀な軍人になっているわけですが、実際海斗本人は授業を居眠りしたりサボったりしていたので、こんなに優秀になるはずがないんです。つまり、海斗はレン君に完璧に憑依されちゃった、というお話でした。


これからきっとレン君たちの復讐が始まるんですね…。


長文&お待たせして申し訳ありませんでした…!

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