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世界遺産考察コミュの世界遺産委員会

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さてさて、7月8日からリトアニアのビリニュスで開催されていた
第30回世界遺産委員会が終了しました。
その総括です。

今回の世界遺産会議において、世界遺産リストに新たに登録された物件は、
全部で18件(うち文化遺産が16件、自然遺産が2件、複合遺産が0件)でした。
なお、今年度世界遺産リストへの追加が審議された物件は、
全部で37件(うち文化遺産が27件、自然遺産が9件、複合遺産が2件)でした。

・アプラバシー・ガート(モーリシャス)
・テキーラ地方のリュウゼツランの景観と旧設備蒸留所(メキシコ)
・チョンゴニ岩絵地区(マラウィ)
・ハラール・ジュゴル、歴史要塞都市(エチオピア)
・コンドア岩絵遺跡群(タンザニア)
・マルペロ島動植物保護区(コロンビア)
・四川ジャイアントパンダ保護区(中国)
・セネガンビアのストーンサークル(ガンビア、セネガル)
・アフラジの灌漑設備(オマーン)
・ビソトゥン(イラン)
・ヴロツワフの百年会館(ポーランド)
・コーンウォールと西デヴォン鉱山風景(イギリス)
・クラック・デ・シュバリエとサラディン城(シリア)
・ジェノヴァ:新道とロッリの建築物(イタリア)
・レーゲンスブルク旧市街とシュタットアムホフ(ドイツ)
・スウェル鉱山都市(チリ)
・ビスカヤ橋(スペイン)
・殷墟(中国)

次の2件が拡大登録されました。

・クヴァルケン群島/ハイコースト(旧名ハイコースト)
・コソボの中世建造物群(旧名デチャニ修道院)

次の2件が危機遺産リストに登録されました。

・ドレスデン・エルベ渓谷
・コソボの中世建造物群

逆に、次の5件が危機遺産リストから除外されました。

・ケルン大聖堂(ドイツ)
・ジュッジ国立鳥類保護区(セネガル)
・シュウケル国立公園(チュニジア)
・ハンピの建造物(インド)
・ティパサ(アルジェリア)

コメント(19)

ここ数回の世界遺産会議のデータを記します。

会議# 登録件数[文化:自然:複合]/審議件数 登録率 自然遺産率

30回 18[16:2:0]/37 49% 11%
29回 24[17:7:0]/51 47% 29%
28回 34[29:5:0]/41 83% 15%
27回 24[19:5:0]/41 59% 21%

(登録率:審議された物件のうちどのくらいが登録されたか
自然遺産率:登録された物件のうちどのくらいを自然遺産が占めるか)

今回、登録件数自体は少なく見えますが、
これは推薦物件自体が少ないためで、登録率は去年と大差ありません。
しかし、自然遺産登録率は低く落ち込んでいます。

今年の自然遺産審議件数は9件と決して少なくはないと思うのですが、
結果的に登録したものは2件という少なさ。
ユネスコは自然遺産と文化遺産の格差と縮めたいと考えていると
思いますので審査が去年以上に厳しくなったということはないでしょう。
単純に、今年は普遍的価値の高い物件が少なかったのでしょう。
(これまでに登録された物件と差別化を図れる物件が
少なくなってしまったのかもしれません。
しかし、マレーシアとインドネシアの共同推薦が落ちるとは意外でした)

複合遺産はここのところ一件も登録されていませんが、
(自然遺産が文化遺産の価値を認められ複合遺産になったものはあります)
これは文化的景観が発達してきた影響もあるのかもしれません。
かつて文化+見事な自然景観として複合遺産になったものも多いのですが、
それが文化的景観に遷移したと考えられます。
トピックのタイトルが「世界遺産会議」と間違えていましたので
「世界遺産委員会」に直しました。

改めて今年登録された物件を見直しますと、
今年は近代遺産、産業遺産が大変目立っていますね。
鉱山にテキーラ蒸留所とリュウゼツラン畑(お酒好きの人はご存知かと思いますが、
テキーラはリュウゼツランというサボテンから作られます)、
ビスカヤ橋なんかも非常に面白い物件だと思います
(通常のように人や車を”通す”橋ではなく、ゴンドラを吊って人や車を”移す”橋です)。

モーリシャスのアプラバシー・ガートは奴隷契約の拠点とされた
負の遺産で日本の原爆ドーム同様、文化遺産登録基準(6)のみの登録です。

アジアからの登録は中国の殷墟とジャイアントパンダ保護区、
イランの地下水路の計3件と少々寂しい結果でしたね
(ノミネートは、インドネシアとマレーシア共同推薦の
「ボルネオの国境熱帯雨林遺産」やインドの「ブラハマプトラ川の
中洲島マジュリ島」がなされていました)。

なお、審議された物件で世界遺産リストに登録されなかったものは、
登録不可と審議延期の二種類があります。
このうち審議延期は来年以降の再審査がありえます)

来年は、いよいよ日本から推薦されている
「石見(いわみ)銀山とその文化的景観」が審査されます。
さてさて、先月末旅行へ行っていたもので遅くなりましたが、
6月23日よりニュージーランドのクライストチャーチで行われていた
第31回世界遺産委員会の総括をしてみたいと思います。

今回の世界遺産会議において、世界遺産リストに新たに登録された物件は、
全部で22件(うち文化遺産が16件、自然遺産が5件、複合遺産が1件)でした。
なお、今年度世界遺産リストへの追加が審議された物件は、
全部で44件(うち文化遺産が21件、自然遺産が9件、複合遺産が4件)でした。

新規登録されたのは次の22件です。

・アツィナナナの湿潤林[N](マダガスカル)
・アルプス山脈および湖に対面するラヴォーの段状ブドウ畑[C](スイス)
・石見銀山遺跡とその文化的景観[C](日本)
・ヴィシェグラードのメフメドパシャソコロヴィッチ橋[C](ボスニアヘルツェゴビナ)
・ウニベルシダー・ナシオナル・アウトノマ・デ・メヒコ(UNAM)大学都市[C](メキシコ)
・ガムジグラード−ロムリアナ,ガレリウス宮殿[C](セルビア)
・カルパチアの原始ブナ林[N](ウクライナ/スロバキア)
・開平洋(石周)楼と集落[C](中国)
・コルフ旧市街[C](ギリシャ)
・サマラ考古都市[C](イラク)
・シドニーオペラハウス[C](オーストラリア)
・ゴブスタンロックアートの文化的景観[C](アゼルバイジャン)
・中国南方カルスト[N](中国)
・済州火山島と溶岩洞窟群[N](韓国)
・テイデ国立公園[N](スペイン)
・トワイフェルフォンテイン[N](ナミビア)
・ニサのパルティア要塞群[C](トルクメニスタン)
・ボルドー,月の港[C](フランス)
・リドー運河[C](カナダ)
・リヒタースフェルトの文化植物的景観[C](南アフリカ)
・レッドフォートの建築物群[C](インド)
・ロペオカンダの生態系と現存する文化的景観[NC](ガボン)

次の1件が登録抹消処分となりました。

・アラビアオリックス保護区[N](オマーン)

次の1件が拡大登録されました。

・ユングフラウ−アレッチ−ビーチホルン[N](スイス)

次の3件が危機遺産リストに登録されました。

・サマラ考古都市[C](イラク)
・ガラパゴス諸島[N](エクアドル)
・ニオコロ・コバ国立公園[N](セネガル)

次の4件が危機遺産リストから除外されました。

・アボメーの王宮[C](ベナン)
・エヴァーグレーズ国立公園[N](アメリカ)
・カトマンズ盆地[C](ネパール)
・リオ・プラターノ生物圏保護区[N](ホンジュラス)
今年は、驚きが多い世界遺産委員会だったと思います。
5月にICOMOSより「登録延期」の勧告を受けながらも
逆転登録された「石見銀山とその文化的景観」、
初の世界遺産登録抹消となった「アラビアオリックスの保護区」、
観光客や移民の増大に伴う「ガラパゴス諸島」の危機遺産リスト入り、
1973年完成という新しい時代の建築でありながら登録された
「シドニー・オペラハウス」など話題は豊富です。

相変わらず登録率は低く抑えられており、
世界遺産抑制傾向が維持されていることがわかります。
その代わり、登録数における自然遺産/複合遺産の割合が
高くなっていることも注目です。

来年の世界遺産委員会では
「平泉−浄土思想を基調とする文化的景観−」が審議されます。
世界遺産総研に、今年審議される物件の一覧が載っていました。
http://www.wheritage.net/the_32nd_whc.html

ヴァヌアツやパプアなど、未登録の国の物件が期待されますが、アフリカからはル・モーンだけのようですね。寂しいです。
そしてシャラ山は審議されない模様。まあ不備でしたから仕方ないんでしょうが。
モーリシャスはアフリカといっても島嶼ですしね。
大陸から一件も推薦が無いというのはなんとも寂しい限りです。
ヴァヌアツ、パプア、それとサンマリノも世界遺産ゼロ国ですね。
まわ、サンマリノの周囲は世界遺産物件大量保有国ですが。

それはそうと、そろそろICOMOSから去年調査した物件についての報告が出ますね(来月上旬?)。
去年は波乱がありましたが、今年の平泉はどうでしょうか。
個人的には、中尊寺、毛越寺、骨村荘園遺跡以外の史跡の状態が
あまりよろしくないと思っているので心配ですが。
うーん、私は平泉に関しては結構楽観視しているのですが……
ただ、奥州藤原氏は日本においては重要だが世界では云々と言われたらどうしよう、という不安はあります。

サン・マリノは期待しています。面白い物件になりそうです。
平泉、いけないなどとはもちろん思ってませんよ。
遺産の持つ価値は世界遺産に十分だと思っています。

ただ、ちょっと時期尚早かなと思うところがあったりします。
もっと周辺遺跡の発掘や、環境整備ができてからでもいいのではなかと思うのです。
特に環境に関しては、無量光院跡を横断するJRとか、金鶏山の鉄塔とか、柳の御所のバイパス問題とか、
いろいろ考えるところがありますね。
まぁ、環境に関しては、近々推薦を狙っている鎌倉はもっと深刻だったりしますが。

ちなみに、石見銀山についても、世界遺産の価値はあると思っています。
ただ、ちょっと進め方が強引だった感も否めません。
観光業からのプレッシャーが強すぎるのか、日本は世界遺産登録を急ぎすぎです。
17日から本日までフィリピンに旅行に行ってきました。
その際、コルディリェーラの棚田群と古都ビガン、
フィリピンのバロック様式教会群(構成要素4件のうちイロイロ島の
ミヤガオ教会を除く3件)を見てきました。その所感はまた後日。

いやはや、それにしても今年の平泉は去年の石見銀山以上に厳しい勧告でしたね。
期日ギリギリまで勧告されない時点で登録勧告は難しいかなとは思ってましたが。
勧告内容は、浄土思想の普遍的価値の証明不足、
骨寺村荘園遺跡と浄土思想の関連証明の不足、
浄土思想を踏まえた上でコアゾーンの再検討と、
もう根本から全て練り直さなければならない状態でしょうね。
日本はその勧告を「理解されなかった」と突っぱねるのではなく、
一つ一つの理由を真摯に受け止め、改善していくべきです。

今回の推薦物件については、確かに疑問の残る部分もありました。
特に、奥州市の長者ヶ原廃寺跡や白鳥舘遺跡を
コアゾーンに含めることには疑問がありました。
このICOMOSの勧告を受け、それでもなお「構成要素を変える気は無い」という関係者の裏には、
なんとなく、奥州市の史跡を含めたかったという政治的理由が見え隠れします。

また、今回の登録延期はやはり他の候補物件にも影響が及ぶことでしょう。
特に鎌倉について、正直、ますます難しくなった感じがします。
文化庁も今後の暫定リストの公募やその選考に影響があるようなことを
言ってるみたいですし、さてはて、どうなることやら。
カナダのケベックで行われている第32回世界遺産委員会、まずは、ドレスデンの首が繋がったようです。

World Heritage Committee keeps Dresden Elbe Valley on UNESCO World Heritage List, urging an end to building of bridge
http://whc.unesco.org/en/news/447
う〜ん、しかし、橋が完成したら来年の委員会で削除されそうな感じですね。
橋ではなくトンネル案が出ていますが、
建設の始まった工事をストップさせるということはあるのでしょうか。
ル・モーンの山
アル・ヒジャールの考古遺跡(マダイン・サリーフ)
福建土楼
http://whc.unesco.org/en/news/448

イランのアルメニア正教の修道院群
http://whc.unesco.org/en/news/449

以上4件が新規登録されました。
また、平泉は落選したようです。

http://www.tbs.co.jp/heritage/feature/index-j.html
>「登録延期」。思わず天を仰いだ。残念ながらICOMOSの勧告を覆すことは叶わなかった。推薦して登録が認められなかったのは今回が初めてのこと。日本はこれまで、推薦すれば必ず登録されるという形の14戦14連勝だった…。
プレアビヒアが登録されましたね。タイで抗議が続く中、意外でした。
意外といえば、マレーシアのマラッカ&ペナンが通ったのも個人的には意外でした。
どちらも、それほど多くの文化財がまとまって残ってはいなかった印象でしたので。
7月3日よりカナダのケベックで行われていた
第32回世界遺産委員会の総括をしてみたいと思います。

今回の世界遺産会議において、世界遺産リストに新たに登録された物件は、
全部で27件(うち文化遺産が19件、自然遺産が8件、複合遺産が0件)でした。
なお、今年度世界遺産リストへの追加が審議された物件は、
全部で45件(うち文化遺産が32件、自然遺産が13件、複合遺産が0件)でした。

新規登録されたのは次の27件です。

・アルヒジル考古遺跡(マダインサーレハ)[C](サウジアラビア)
・アルブラ/ベルニナの景観にあるレーテッシュ鉄道[C](スイス/イタリア)
・イランのアルメニア正教の修道院群[C](イラン)
・ヴォーバンの防衛施設群(フランス)
・オオカバマダラ生物圏保護区[N](メキシコ)
・カマグエイ歴史地区[C](キューバ)
・カルパチア山地(スロバキア部分)の木造教会群[C](スロバキア)
・クク初期農業遺跡[C](パプアニューギニア)
・サリアルカ‐カザフスタン北部の草原と湖沼群[N](カザフスタン)
・三清山国立公園[N](中国)
・サンマリノ歴史地区とティターノ山[C](サンマリノ)
・サンミゲルの保護都市とアトトニルコのジェズス・デ・ナザレノ聖域[C](メキシコ)
・スイスのサルドナ衝上断層 [N](スイス)
・スタリグラド平原[C](クロアチア)
・ジョギンズクリフ(化石崖)[N](カナダ)
・スルセイ島[N](アイスランド)
・ソコトラ群島[N](イエメン)
・ニューカレドニアの礁湖:サンゴ多様性と関連生態系[N](フランス)
・ハイファと西ガリラヤのバハーイ教聖地群[C](イスラエル)
・福建土楼[C](中国)
・プレアビヒア[C](カンボジア)
・ベルリン近代様式団地[C](ドイツ)
・マントヴァとサッビオネータ[C](イタリア)
・ミジケンダカヤの森[C](ケニア)
・メラカとジョージタウン、マラッカ海峡の歴史都市[C](マレーシア)
・ルモーンの文化的景観[C](モーリシャス)
・ロイマタ酋長領域[C](バヌアツ)

次の4件が拡大登録されました。

・インドの山岳鉄道群[C](インド)
・ベラト歴史地区とギロカストラ歴史地区−アルバニア南部の都市[C](アルバニア)
・北部スペインの先史時代洞窟壁画[C](スペイン)
・ローマ帝国の国境[N](スイス)
今回の注目点はやはりタイ・カンボジア間の国境問題でもめているプレアビヒアでしょうかね。
今でもタイではデモをやっていたり、委員会でもタイ側から登録延期の要望書が出たり、
タイのタクシン首相がプレアビヒアと引き換えにビジネス利権を狙っているとかいう噂も立っていたりと
いろいろあるようですが、今後どうなるのでしょうか。

良い方向の注目点としては、登録件数0だった国からいくつか新規登録が出ています。
バヌアツやパプアニューギニアなど島嶼勢がおもしろいですね。

登録条件が厳しくなってきたとか言われていますが、
総合的に見れば去年より登録件数が多かったりしますね。
自然遺産の登録が若干多くなったのは良いことだと思います。

フランス、イタリア、ドイツ、中国といった大量保有国は相変わらず好調ですね。
逆に、日本とかそこそこ保有している国が目立ってませんね。
今年は世界遺産が極端に多い国か、少ない国からの登録が多いようです。
毎日新聞に興味深い報告が掲載されていました。

≪世界遺産狂想曲:平泉にみる課題/番外編 推薦書の説得力不足 /岩手≫

◇「価値」具体的主張できず/外交根回しでは成果も
 普遍的な価値が十分に証明されていないなどとして、「平泉−浄土思想を基調とする文化的景観」の世界遺産登録延期を決めたユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会。約40分にわたって議論されたが、昨年の石見銀山遺跡(島根県)での議論のように、国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告を覆すほどの委員国の発言は聞かれなかったようだ。関係者の話から審議の内容を再現した。【ケベック(カナダ)念佛明奈】

 平泉の審議は6日午後7時57分(日本時間7日午前8時57分)に始まった。冒頭でイコモスは、平泉の価値は世界遺産登録の必要十分条件である「完全性」などの4項目をいずれも満たしていないと勧告の理由を説明。続いてクリスティーナ・キャメロン議長(カナダ)が複数の委員国名を挙げ、発言を求めた。

 「二つ質問があります」。最初に指名されたオーストラリアは、勧告が指摘する全9資産の構成見直しと、類似事例との比較研究不足について日本の考えを聞いた。他国からの発言をいくつか経て発言の機会を与えられた日本政府代表部の近藤誠一大使は、「平泉は9資産全体で一つ。人間の手や足などのように全体が一つになって初めて機能する」と日本政府の見解を改めて述べた。

 一方、その間に他委員国からは「偉大な価値がある」(ケニア)、「世界遺産に登録すべきだ」(エジプト)などの発言が続いていた。近藤大使による外交ルートを通じた根回しの成果とみられる。しかし、審議はイコモスの勧告を支持する国、逆転登録を求める国とも決定打が出ず、約40分が経過しようとしていた。委員会の決定は全会一致が原則。結局、エジプトなどの逆転登録発言を支持する流れが起こらないまま、平泉の「登録延期」が決まった。

 近藤大使が決定後の記者会見で「例外なく好意的」と振り返った委員国の発言は、いずれも抽象的な表現に終始していた。副議長国でケニア代表のジョージ・アブング氏は毎日新聞の取材に、「イコモスも委員会も平泉の素晴らしさが分かっていない。だが日本の書類(推薦書)には、その素晴らしさを委員国に納得させるだけのリアリティーが欠けていた」と話し、自らの肯定的な意見が勧告に対する反論レベルにまで達しなかったことを認めた。

  ◇   ◇

 議場で議論の推移を見守った世界遺産総合研究所(広島市)の古田陽久所長は「委員国からは聞こえのいい発言があったが、平泉の『顕著な普遍的価値』を具体的に主張できなかった」と分析。そのうえで「パソコンを再起動するように、平泉の『顕著な普遍的価値』を根本的に見直す必要があるのではないか」と指摘する。

 平泉が目指す再審査は3年後の委員会。文化庁は「浄土思想」のコンセプトと9資産を維持する前提は変えず、説明の仕方でイコモスとの見解の差を埋めていく方針だ。

http://mainichi.jp/area/iwate/archive/news/2008/07/12/20080712ddlk03040035000c.html

個人的には,
>「浄土思想」のコンセプトと9資産を維持する前提は変えず、説明の仕方でイコモスとの見解の差を埋めていく方針
という部分が気にかかります。ICOMOSの指摘に応じて抜本的にやり方を変えようという意志が感じられない,というのは結構深刻な問題ではないかと。
2009年の世界遺産委員会も終わりましたね。

登録は13つでした。

The Wadden Sea (Germany / The Netherlands)
The Dolomites (Italy)
Stoclet House (Belgium)
The Ruins of Loropéni (Burkina Faso)
Cidade Velha, Historic Centre of Ribeira Grande (Cape Verde).
Mount Wutai (China)
Shushtar, Historical Hydraulic System (Iran)
Sulamain-Too Sacred Mountain (Kyrgyzstan)
The Sacred City of Caral-Supe (Peru)
The Royal Tombs of the Joseon Dynasty (Republic of Korea)
The Tower of Hercules (Spain)
La Chaux-de-Fonds / Le Locle watchmaking town-planning (Switzerland)
Pontcysyllte Aqueduct and Canal (United Kingdom)

近年においてかなり少ない登録数です。

またアラビアオリックス保護区に続いてドレスデン・エルベ渓谷も世界遺産削除となりましたね。
こちらはやはりといいますか。

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