VIP-VIPPER-VIPPESTコミュの（＾ω＾）がタイムスリップしたようです

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86 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ：2005/12/30(金) 01:16:36.95 ID:TBwxWBig0
『（＾ω＾）がタイムスリップしたようです』


テレビ「あけましておめでとうございます！２００６年。新しい年を迎えた、ここ乳速通りから中継でお伝えしています。云々」
１月１日、午前０時過ぎ。新年を迎えた（＾ω＾）の部屋の中にテレビのアナウンサーの声だけが響く。
（＾ω＾）はベッドに寝そべり、ひどく頭を悩ませていた。

（＾ω＾）「去年も良いこと無かったお・・・。一昨年もその前の年も、良いこと何て一つもなかったお・・・。」

悪いことばかりが続いていたわけではない。日常がただの暇つぶしに過ぎず、活気も充実感もない毎日に（＾ω＾）はひどく疲弊していた。

（＾ω＾）「いつも、"早く明日にならないかな”て思ってたお。ブーンは・・・いつもグチばっかりたれて、明日を望む。
今日をしっかり生きないで、明日を夢見るのは都合が良すぎるお・・・。」

（＾ω＾）「ブーンは・・・もうやだお。」


もうやだ。こんな言葉を、口に出すようになったのか。明日に、今日に、そしてとうとう自分にまで望みを失ってしまった。
しかし（＾ω＾）は、自らの命を絶つことはできない。希望は無いが、それでも何かに希望を持っていたいという意識がまだ心の中に残っている。
明日、明後日、もしかしたらこの中継が終わる頃には、自分は何か一つの決心を持ててるのかも知れない。
その希望だけが、（＾ω＾）の首の皮をつなげていたのだった。


（＾ω＾）「ブーンは自殺なんかできっこないお。死ぬのはこわいお。それでも・・・ブーンが死ぬ少し前にタイムスリップしたいお。」
（＾ω＾）「望むらくは・・・最期の時間を精一杯楽しむことだお・・・」



87 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ：2005/12/30(金) 01:17:06.15 ID:TBwxWBig0
（´∀｀）「それが一番の望みなんだね」
（；＾ω＾）「ちょｗｗｗｗｗｗおまｗｗｗｗｗだれｗｗｗｗｗ」
（´∀｀）「神様なのです」
（＾ω＾）「神様てｗｗｗｗｗｗｗきょうび小学生でも言ﾜﾈｰﾖｗｗｗｗｗｗつか人の家に勝手に入るなｗｗ」
(#´∀`)「神様を馬鹿にするとは、この不届き者メガ！」

神様とやらに一喝され、と言うよりは話し相手が出来、（＾ω＾）は少し落ち着きを取り戻した。

（´∀｀）「それに、ここは君の部屋じゃないよ。まあここがどこか、なんてのはどうでもいいしね。」

背の低い草以外には何も存在しない、広い広い草原だった。

（＾ω＾）「・・・？まあ神様なら都合がいいお。ブーンの願いを叶えて欲しいお」
（´∀｀）「うーん。漏れは構わないんだけど、君の人生ホントにそれでいいの？」
（＾ω＾）「かまわんお。ブーンはもう、日常を楽しむことはできないお。それだったら、精一杯過ごせる少ない時間の方がブーンにはありがたいんだお」
（´∀｀）「ふうん。何か悲惨な人間が居るからと見に来てみたら、神様的にはそれは面白い考え方だね」
（＾ω＾）「久しぶりにほめられたお。」
（´∀｀）「そうかい。じゃ、君が亡くなる一日前にタイムスリップさせてあげよう」
（＾ω＾）「みｗなｗぎｗっｗてｗきｗたｗぜｗ」
（´∀｀）「でも・・・君の考えは、ハッキリ言って甘いよ」

神様の言葉も聞かず、（＾ω＾）はまもなく叶うであろう自分の願いに機嫌を良くした。
古い写真で見るような列車向こうがやって来て、（＾ω＾）を乗せて走り出した。ガタゴトと音を立てながら、列車は走ってゆく・・・



88 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします ：2005/12/30(金) 01:17:27.13 ID:TBwxWBig0
はた、と目が覚めた。自分の部屋だ、テレビを点けたまま眠りこけてしまったのだろうか。
ああ夢か、結局また今日からつまらない日常の繰り返しか。（＾ω＾）はため息をついた。


テレビ「今年も残すところわずかとなりました。２００５年、大晦日の乳速通りから中継でお送りしております云々」

２００５年・・・？確か、ついさっき新しい年に―ガタン！
思考が中断される。物音が立った方向に目をやると―数人の男が（＾ω＾）のタンスを引っかき回しているところだった。


男「コイツ起きやがったか！おい、顔を見られたぞ―――」




fin（*＾ω＾）