弁理士試験、特に短答式試験について、これから学習を開始される方、また、すでに開始されている方に、実際問題として、「敵を知る」という観点から、試験内容について以下に簡単に紹介したいと思います。
弁理士試験とは、弁理士法第９条に規定されていますとおり、弁理士となろうとする者に必要な学識及び応用能力を有するかとうかを判定する試験であり、「短答式試験」とは、同法第１０条第１項に掲げられている科目、すなわち工業所有権に関する法令（特許法、実用新案法、意匠法、商標法に関する法令）、工業所有権に関する条約（主な条約として、工業所有権の保護に関するパリ条約、特許協力条約（ＰＣＴ）、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定（ＴＲＩＰｓ協定）、マドリッド協定の議定書、商標法条約、ブタペスト条約等）、弁理士の業務を行うのに必要な法令であって経済産業省令で定めるもの（不正競争防止法、著作権法）が現状では試験範囲となっています。ここで、「法令」とは、法律と命令であって、「法律」は、国会の議決によって制定される法規範をいい、「命令」は、政令・省令等の国の行政機関よって制定される法規範をいうとされています。したがって、試験範囲は、特許法等の法律のみならず、特許法施行規則・特許登録令等の省令等も含まれることになります。
具体的には、上記科目の条文の内容及び知識の理解を問う試験であり、条文の文言の内容を問う問題、条文の要件及び効果について事例形式により条文の理解度を問う問題、条文の解釈や解釈の拠り所としての判例の知識を問う問題が最近では出題されています。また、条文の解釈や理解度を問う問題では、特許庁の制度改正審議室において立案・改正作業に従事した担当者が各条文の立法趣旨・制度改正趣旨を解説した工業所有権法逐条解説（青本）や特許・実用新案審査基準、意匠審査基準、商標審査基準、審査便覧（以下、審査基準等という）の内容からも出題されています。このうち、工業所有権法逐条解説は、工業所有権法の各条文解釈の重要な指針となるものですので、この解説の理解度を訊く問題も出題されています。しかしながら、特許庁の審査実務における内部資料として作成されたものにすぎない審査基準等の内容を訊くことは、弁理法に規定する弁理士試験制度の趣旨を逸脱するものではないかとの指摘もありますが、審査基準等は、各工業所有権法の条文を適切かつ統一的に運用するために作成されたものですから、広く一般に公開され利用されている現状を踏まえ、条文の解釈の理解度を訊く問題に利用されています。また、短答式試験では、短時間で物事を正確に処理できる能力も考査しています。
現行の短答式試験の問題数としては、全６０問であり、各問は、原則として５枝から構成されています。受験者は、その５枝の中から解答枝として１枝を選択し、マークシート方式による解答用紙に記入する方法が採られています。各法令の問題の内訳としては、特許法・実用新案法に関する問題は約２０問、意匠法に関する問題は約１０問、商標法に関する問題は約１０問、工業所有権の条約に関する問題は約１０問、不正競争防止法・著作権法に関する問題は、これのみ受験する者を考慮し、毎年１０問となっています。
各問題は、毎年、工業所有権審議会から選任された試験委員（弁護士、裁判官、弁理士 （特許庁で審査業務に従事し、弁理士登録をした者を含む）、大学で知的財産法を専門とする学者等）が作成した問題から構成されています。具体的には、工業所有権審議会が出題するテーマを設定し、特許・実用新案法、意匠法、商標法、条約、その他の法律（不正競争防止法、著作権法）の各グループにおいて試験委員がそのテーマに基づいた問題を案出しして持ち寄り、検討を加えて出題すべき問題を決定し、その問題について様々な角度から検討して、各問題の正解枝を決定します。
原則として、合格基準は、満点（６０点）に対して６５％の正解率が基準（３９点）ですが、各年の受験者数、その後の論文式試験の受験者数と論文式試験を考査・採点する試験委員のバランスを考慮して、短答式試験実施後の最終的な合格基準点を決定しています。
弁理士試験とは、弁理士法第９条に規定されていますとおり、弁理士となろうとする者に必要な学識及び応用能力を有するかとうかを判定する試験であり、「短答式試験」とは、同法第１０条第１項に掲げられている科目、すなわち工業所有権に関する法令（特許法、実用新案法、意匠法、商標法に関する法令）、工業所有権に関する条約（主な条約として、工業所有権の保護に関するパリ条約、特許協力条約（ＰＣＴ）、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定（ＴＲＩＰｓ協定）、マドリッド協定の議定書、商標法条約、ブタペスト条約等）、弁理士の業務を行うのに必要な法令であって経済産業省令で定めるもの（不正競争防止法、著作権法）が現状では試験範囲となっています。ここで、「法令」とは、法律と命令であって、「法律」は、国会の議決によって制定される法規範をいい、「命令」は、政令・省令等の国の行政機関よって制定される法規範をいうとされています。したがって、試験範囲は、特許法等の法律のみならず、特許法施行規則・特許登録令等の省令等も含まれることになります。
具体的には、上記科目の条文の内容及び知識の理解を問う試験であり、条文の文言の内容を問う問題、条文の要件及び効果について事例形式により条文の理解度を問う問題、条文の解釈や解釈の拠り所としての判例の知識を問う問題が最近では出題されています。また、条文の解釈や理解度を問う問題では、特許庁の制度改正審議室において立案・改正作業に従事した担当者が各条文の立法趣旨・制度改正趣旨を解説した工業所有権法逐条解説（青本）や特許・実用新案審査基準、意匠審査基準、商標審査基準、審査便覧（以下、審査基準等という）の内容からも出題されています。このうち、工業所有権法逐条解説は、工業所有権法の各条文解釈の重要な指針となるものですので、この解説の理解度を訊く問題も出題されています。しかしながら、特許庁の審査実務における内部資料として作成されたものにすぎない審査基準等の内容を訊くことは、弁理法に規定する弁理士試験制度の趣旨を逸脱するものではないかとの指摘もありますが、審査基準等は、各工業所有権法の条文を適切かつ統一的に運用するために作成されたものですから、広く一般に公開され利用されている現状を踏まえ、条文の解釈の理解度を訊く問題に利用されています。また、短答式試験では、短時間で物事を正確に処理できる能力も考査しています。
現行の短答式試験の問題数としては、全６０問であり、各問は、原則として５枝から構成されています。受験者は、その５枝の中から解答枝として１枝を選択し、マークシート方式による解答用紙に記入する方法が採られています。各法令の問題の内訳としては、特許法・実用新案法に関する問題は約２０問、意匠法に関する問題は約１０問、商標法に関する問題は約１０問、工業所有権の条約に関する問題は約１０問、不正競争防止法・著作権法に関する問題は、これのみ受験する者を考慮し、毎年１０問となっています。
各問題は、毎年、工業所有権審議会から選任された試験委員（弁護士、裁判官、弁理士 （特許庁で審査業務に従事し、弁理士登録をした者を含む）、大学で知的財産法を専門とする学者等）が作成した問題から構成されています。具体的には、工業所有権審議会が出題するテーマを設定し、特許・実用新案法、意匠法、商標法、条約、その他の法律（不正競争防止法、著作権法）の各グループにおいて試験委員がそのテーマに基づいた問題を案出しして持ち寄り、検討を加えて出題すべき問題を決定し、その問題について様々な角度から検討して、各問題の正解枝を決定します。
原則として、合格基準は、満点（６０点）に対して６５％の正解率が基準（３９点）ですが、各年の受験者数、その後の論文式試験の受験者数と論文式試験を考査・採点する試験委員のバランスを考慮して、短答式試験実施後の最終的な合格基準点を決定しています。
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コメント(16)
次に、論文式試験は、上述しました短答式試験と同様、工業所有権審議会（以下、審議会という）が、論文式試験の出題するテーマを決定し、特許・実用新案法、意匠法、商標法の各グループにおいて審議会が選任した試験委員がそのテーマに基づいた問題を案出しして持ち寄り、出題すべき問題を決定し、その問題について様々な角度から検討して、解答すべき内容と配点を決定して「採点基準表」なるものを作成します。
この「採点基準表」は、論文試験実施後に特許庁のＨＰで公表する論点よりもはるかに詳細な解答内容が規定されています。配点についても、一つの大きな問題の中に設問が複数設けられているいわゆる小問形式の場合に、各設問ごとに細かく配点が振り分けられています。
この「採点基準表」に基づいて、原則、一試験答案用紙を２人の試験委員が分担して採点を行います。この際、試験委員間及び試験科目間の採点格差が発生し得ることから、標準偏差方式により、合格基準点を決定しています。
ちなみに、今年の合格基準は、５４点となっています。
この「採点基準表」は、論文試験実施後に特許庁のＨＰで公表する論点よりもはるかに詳細な解答内容が規定されています。配点についても、一つの大きな問題の中に設問が複数設けられているいわゆる小問形式の場合に、各設問ごとに細かく配点が振り分けられています。
この「採点基準表」に基づいて、原則、一試験答案用紙を２人の試験委員が分担して採点を行います。この際、試験委員間及び試験科目間の採点格差が発生し得ることから、標準偏差方式により、合格基準点を決定しています。
ちなみに、今年の合格基準は、５４点となっています。
参考として、今年（平成２５年）の商標法の第�橘笋了邯外儖�が用意したと考えられる「採点基準表」の模範解答例を示しますと、以下のようになります。
（問�機�
商標法第１条の趣旨を簡潔に述べた上で、同条から導き出される商標権者の義務について説明し、それらの義務が果たされていない場合の商標権者が受ける可能性のある不利益について述べよ。解答に関して、マドリッド協定の議定書に基づく特例は、考慮しなくてよい。
（模範解答例）
商標法（以下、法という)第１条を規定した趣旨は、商標を使用する者は商品や役務の提供に係る物品等に一定の商標を継続的に使用することによって業務上の信用を獲得するものであるが、この信用は有形の財産と同様に経済的価値を有する。したがって、商品の製造業者若しくは販売業者又は役務の提供者は絶えず自己の商品又は役務に使用される商標に対し、細心の注意を払い、不正な競業者が自己の商標と紛らわしい商標を使用して自己の商品又は役務と混同を生ぜしめるような行為を排除しようとする。そこで、法は、商標権を設定するという国家の行政処分を媒介として商標を使用する者の業務上の信用を維持するという制度目的を本条において規定したものである。
また、商標を保護することは、消費者等の側からみて、過去において一定の商標を付した商品を購入し、又は役務の提供を受けて満足した場合、当該商標を付した商品又は提供を受けた役務が出所の異なったものであったというのではその利益を害することになる。したがって、一定の商標を使用した商品又は役務は一定の出所から提供されるという取引秩序を維持することは、消費者等の利益を保護することになると同時に、商品及び役務の取引秩序の維持ということを通じて産業の発達にも貢献することとなるのである。
商標の保護としては、いわゆる使用主義といわゆる登録主義に大別されるが、法は、登録主義を採用し、商標が現実に使用されていなくても使用の意思があれば登録されるが、登録主義の下において商標権者に登録商標を専用する権利が与えられるのは、それが識別商標として取引において現実に使用されることが前提とされるからであり、また、商標が取引上標識としての正常な機能を営むことが、取引秩序維持のためにも公衆の利益保護のためにも社会的に要請されるからである。したがって、法は取引社会におけるこのような要請に応えるとともに、独占排他権を賦与する代償として商標権者に対して、使用義務、正当使用義務、商標登録表示義務、登録料を納付する義務を課している。
そして、使用義務が果たされない場合の不利益、すなわち、使用が当然の前提とされているにもかかわらず、法の期待する使用の予測を裏切って永らく登録商標を使用しない商標権者に対しては、その商標の登録の取消しを請求するができ（商５０条）、その結果、登録商標が取り消される可能性があることになる。また、正当使用義務が果たされない場合の不利益、すなわち、登録商標が正当に使用されず、そのため、商品の品質や役務の質の混同を生じせしめ、また他人の業務に係る商品ないしは役務と混同を生ずるようなことがあれば、商標の識別機能が損なわれ、その結果、取引秩序を乱し一般公衆にも被害を与えることにもなるので、このような事態を生ぜしめた責めが商標権者に存在する場合においては商標権は取り消される可能性があることになる（商５１条・５２条の２・５３条）。このように、不使用による取消審判の制度は、商標権者の商標使用義務違反に対する制裁であるのに対し、誤認・混同を理由とする取消審判の制度及び移転された相抵触する商標権の一の権利者の混同行為に基づく取消審判の制度は、商標権者および使用権者の商標正当義務違反に対する制裁であると解される。なお、登録商標表示義務に対する違反については、法は制裁規定を設けずに、単に訓示的な内容ものとして規定している。
■参考文献
・特許庁編 工業所有権法逐条解説〔第１９版〕（特許庁ＨＰ）１２５７〜１２５８ｐ
・網野誠著 商標〔第６版〕（有斐閣）７５３〜７５５ｐ
上記に示しました解答例を基準として、記載項目ごとに細かく配点が割り振られてるのが「採点基準表」ということになります。
皆さんの学習の参考としていただければ幸いです。
（問�機�
商標法第１条の趣旨を簡潔に述べた上で、同条から導き出される商標権者の義務について説明し、それらの義務が果たされていない場合の商標権者が受ける可能性のある不利益について述べよ。解答に関して、マドリッド協定の議定書に基づく特例は、考慮しなくてよい。
（模範解答例）
商標法（以下、法という)第１条を規定した趣旨は、商標を使用する者は商品や役務の提供に係る物品等に一定の商標を継続的に使用することによって業務上の信用を獲得するものであるが、この信用は有形の財産と同様に経済的価値を有する。したがって、商品の製造業者若しくは販売業者又は役務の提供者は絶えず自己の商品又は役務に使用される商標に対し、細心の注意を払い、不正な競業者が自己の商標と紛らわしい商標を使用して自己の商品又は役務と混同を生ぜしめるような行為を排除しようとする。そこで、法は、商標権を設定するという国家の行政処分を媒介として商標を使用する者の業務上の信用を維持するという制度目的を本条において規定したものである。
また、商標を保護することは、消費者等の側からみて、過去において一定の商標を付した商品を購入し、又は役務の提供を受けて満足した場合、当該商標を付した商品又は提供を受けた役務が出所の異なったものであったというのではその利益を害することになる。したがって、一定の商標を使用した商品又は役務は一定の出所から提供されるという取引秩序を維持することは、消費者等の利益を保護することになると同時に、商品及び役務の取引秩序の維持ということを通じて産業の発達にも貢献することとなるのである。
商標の保護としては、いわゆる使用主義といわゆる登録主義に大別されるが、法は、登録主義を採用し、商標が現実に使用されていなくても使用の意思があれば登録されるが、登録主義の下において商標権者に登録商標を専用する権利が与えられるのは、それが識別商標として取引において現実に使用されることが前提とされるからであり、また、商標が取引上標識としての正常な機能を営むことが、取引秩序維持のためにも公衆の利益保護のためにも社会的に要請されるからである。したがって、法は取引社会におけるこのような要請に応えるとともに、独占排他権を賦与する代償として商標権者に対して、使用義務、正当使用義務、商標登録表示義務、登録料を納付する義務を課している。
そして、使用義務が果たされない場合の不利益、すなわち、使用が当然の前提とされているにもかかわらず、法の期待する使用の予測を裏切って永らく登録商標を使用しない商標権者に対しては、その商標の登録の取消しを請求するができ（商５０条）、その結果、登録商標が取り消される可能性があることになる。また、正当使用義務が果たされない場合の不利益、すなわち、登録商標が正当に使用されず、そのため、商品の品質や役務の質の混同を生じせしめ、また他人の業務に係る商品ないしは役務と混同を生ずるようなことがあれば、商標の識別機能が損なわれ、その結果、取引秩序を乱し一般公衆にも被害を与えることにもなるので、このような事態を生ぜしめた責めが商標権者に存在する場合においては商標権は取り消される可能性があることになる（商５１条・５２条の２・５３条）。このように、不使用による取消審判の制度は、商標権者の商標使用義務違反に対する制裁であるのに対し、誤認・混同を理由とする取消審判の制度及び移転された相抵触する商標権の一の権利者の混同行為に基づく取消審判の制度は、商標権者および使用権者の商標正当義務違反に対する制裁であると解される。なお、登録商標表示義務に対する違反については、法は制裁規定を設けずに、単に訓示的な内容ものとして規定している。
■参考文献
・特許庁編 工業所有権法逐条解説〔第１９版〕（特許庁ＨＰ）１２５７〜１２５８ｐ
・網野誠著 商標〔第６版〕（有斐閣）７５３〜７５５ｐ
上記に示しました解答例を基準として、記載項目ごとに細かく配点が割り振られてるのが「採点基準表」ということになります。
皆さんの学習の参考としていただければ幸いです。
今年の論文式試験、特許法・実用新案法 問�機〔�3について若干、出題意図に触れつつ、説明します。
まず、問�気量簑衒犬�ら甲の外国語特許出願Ｘは、特許法上の記載要件を満たしているとされていますから、特36条の要件は満たしているという前提で答える必要があります。
ここで、上位概念とは、同属的若しくは同類的事項を含めた概念、又は、ある共通する性質に基づいて複数の事項を総括した概念をいうとされています。すなわち、ある技術的事項によって構成される発明の技術的思想の外延が他の発明のそれよりも大きく、それを自己のうちに包括するような関係にある場合、哲学的用語の使用法を借りて、前者を上位概念の発明、後者を下位概念の発明といいます。したがって、外国語出願Ｘに係る発明Ａは、発明a1、発明a2を包含していると考えられます。
そうすると、特70条1項により、特許請求の範囲(以下、クレームという)を「発明Ａ」のままで甲が特許権を取得したときは、いわゆる特許請求範囲基準の原則から発明a2を実施している乙に対し、甲は当該特許権を行使できるとする余地があります。
しかしながら、甲は、発明a2を追加する補正を行ったところ、審査官から、いわゆる新規性追加にあたるとする拒絶理由通知を受けたので、発明a2を削除する補正2を行っていますので、これらの出願経過を参酌しますと、いわゆる包袋禁反言の原則により発明a2が、当該出願Ｘにかかかる発明Ａのクレームの技術的範囲に属するとは言えないと解されます。したがって、甲は、発明a2を実施している乙に対し、特許権を行使できないと解されます。
特70条2項は、前項の場合においては、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとするとされています。したがって、本問のいわゆる広すぎるクレームの場合に、権利化後の発明Ａの技術的範囲の解釈として、明細書に記載した発明a1に引きづられて限定的に解釈されるおそれがあります。そこで、甲は、発明a2を実施している乙に対して、権利化後、発明Ａに基づく特許権を行使するため、発明Ａの技術的範囲には発明a2も含まれることを明確化するために、明細書に発明a2を追加する補正1を行ったものと考えられます。
実務上、いわゆる広すぎるクレームとは、発明が完成すると排他的支配権としての特許権を取得するために特許出願を行いますが、特許出願人は自己に最も有利でありかつ幅の広い支配権を獲得しようと考えます。また、通常は、特許出願人は、代理人である弁理士を通して特許出願を行いますが、弁理士が出願人に有利に事を運ぼうと考えます。このように出願人関係者は、すべて広範囲の権利取得を目指して出願を行おうとします。しかしながら、特許出願要件は、法律上定められ(特36条等)、発明の内容は明細書における発明の詳細な説明に客観的に開示されその開示された発明のうち権利取得の対象として請求するのがすなわちクレームということになります。勿論クレームにも一定の要件は定められていますが、これを記載し権利要求を行うのは、あくまで特許出願人であり、その意をうけた出願代理人ということになります。
したがって、開示した発明をできるだけ広範囲に権利化しようという意図から度を超したものとなったり、あるいは、クレームの記載要件を簡略化して幅広い権利にしようとします。これがいわゆる広すぎるクレームといわれるものであり、特許権の設定登録後においては、クレームに記載された幅広い権利として特70条1項の規定を背景として、ある意味において、ひとり歩きをすることになります。このようにして特許権の権利者は、出願、権利取得の経過を忘れただひたすらに広げられた権利の上に立って権利行使をしようとします。ここに至って明らかに弊害しとしてあらわれることになります（裁判実務大系9 工業所有権法(青林書院)108〜109p)。
この弊害をどのようにして克服し、権利者と第三者の利益の衡平の観点から広すぎるクレームについてどのように解釈してゆくかが実務上最も重要な論点の一つであると言えましょう。
本問題の出題に関して、今年の短答式試験 問27枝2が示唆しており、出題内容については、昭和61年5月23日大阪地方裁判所判決(繊維分離装置事件)を一つの題材として作成されたものと考えられます。
なお、短答式試験 問27の枝2に関しては、立法趣旨を含めて、｛平成25年 短答式試験の問題と解説」(ヤフオクにも出品中)に詳しく解説しましたので、併せて参考にしていただけば幸いです。
まず、問�気量簑衒犬�ら甲の外国語特許出願Ｘは、特許法上の記載要件を満たしているとされていますから、特36条の要件は満たしているという前提で答える必要があります。
ここで、上位概念とは、同属的若しくは同類的事項を含めた概念、又は、ある共通する性質に基づいて複数の事項を総括した概念をいうとされています。すなわち、ある技術的事項によって構成される発明の技術的思想の外延が他の発明のそれよりも大きく、それを自己のうちに包括するような関係にある場合、哲学的用語の使用法を借りて、前者を上位概念の発明、後者を下位概念の発明といいます。したがって、外国語出願Ｘに係る発明Ａは、発明a1、発明a2を包含していると考えられます。
そうすると、特70条1項により、特許請求の範囲(以下、クレームという)を「発明Ａ」のままで甲が特許権を取得したときは、いわゆる特許請求範囲基準の原則から発明a2を実施している乙に対し、甲は当該特許権を行使できるとする余地があります。
しかしながら、甲は、発明a2を追加する補正を行ったところ、審査官から、いわゆる新規性追加にあたるとする拒絶理由通知を受けたので、発明a2を削除する補正2を行っていますので、これらの出願経過を参酌しますと、いわゆる包袋禁反言の原則により発明a2が、当該出願Ｘにかかかる発明Ａのクレームの技術的範囲に属するとは言えないと解されます。したがって、甲は、発明a2を実施している乙に対し、特許権を行使できないと解されます。
特70条2項は、前項の場合においては、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとするとされています。したがって、本問のいわゆる広すぎるクレームの場合に、権利化後の発明Ａの技術的範囲の解釈として、明細書に記載した発明a1に引きづられて限定的に解釈されるおそれがあります。そこで、甲は、発明a2を実施している乙に対して、権利化後、発明Ａに基づく特許権を行使するため、発明Ａの技術的範囲には発明a2も含まれることを明確化するために、明細書に発明a2を追加する補正1を行ったものと考えられます。
実務上、いわゆる広すぎるクレームとは、発明が完成すると排他的支配権としての特許権を取得するために特許出願を行いますが、特許出願人は自己に最も有利でありかつ幅の広い支配権を獲得しようと考えます。また、通常は、特許出願人は、代理人である弁理士を通して特許出願を行いますが、弁理士が出願人に有利に事を運ぼうと考えます。このように出願人関係者は、すべて広範囲の権利取得を目指して出願を行おうとします。しかしながら、特許出願要件は、法律上定められ(特36条等)、発明の内容は明細書における発明の詳細な説明に客観的に開示されその開示された発明のうち権利取得の対象として請求するのがすなわちクレームということになります。勿論クレームにも一定の要件は定められていますが、これを記載し権利要求を行うのは、あくまで特許出願人であり、その意をうけた出願代理人ということになります。
したがって、開示した発明をできるだけ広範囲に権利化しようという意図から度を超したものとなったり、あるいは、クレームの記載要件を簡略化して幅広い権利にしようとします。これがいわゆる広すぎるクレームといわれるものであり、特許権の設定登録後においては、クレームに記載された幅広い権利として特70条1項の規定を背景として、ある意味において、ひとり歩きをすることになります。このようにして特許権の権利者は、出願、権利取得の経過を忘れただひたすらに広げられた権利の上に立って権利行使をしようとします。ここに至って明らかに弊害しとしてあらわれることになります（裁判実務大系9 工業所有権法(青林書院)108〜109p)。
この弊害をどのようにして克服し、権利者と第三者の利益の衡平の観点から広すぎるクレームについてどのように解釈してゆくかが実務上最も重要な論点の一つであると言えましょう。
本問題の出題に関して、今年の短答式試験 問27枝2が示唆しており、出題内容については、昭和61年5月23日大阪地方裁判所判決(繊維分離装置事件)を一つの題材として作成されたものと考えられます。
なお、短答式試験 問27の枝2に関しては、立法趣旨を含めて、｛平成25年 短答式試験の問題と解説」(ヤフオクにも出品中)に詳しく解説しましたので、併せて参考にしていただけば幸いです。
一応、締めくくり口述式試験について、一言したいと思います。
口述試験の問題は、審議会が設定したテーマに基づき、特許法では、例えば、国内優先権、職務発明、先願主義、発明の定義、先使用権、特許権の効力といった項目の中からいつくかを設定し、設定した項目を試験委員に割り振って問題と解等を作成して持ち寄り、その中から出題必要数の問題を選定し、この問題に対する検討・修正を加えて、最終的に出題する質問文とその質問に対する模範解答を作成します。
各問題は、上述しましたとおり、いくつかの質問項目と、その質問に対する模範解答とが組み合わさせて作成されていますので、ほとんどの場合、最初の質問内容は、たとえば、「職務発明について条文に則して説明してください」とった基本的な内容となっています。試験委員としては、この基本的な内容を前提として、徐々に細かな用意された質問文に沿って考査してゆくことになります。
口述試験は、口頭試問考査形式ですから、試験委員２人がチームを組み、たとえば、一人が質問者となり、もう一人が質問に対する解答をチェックし、場合によっては受験者に対して、いわゆる助け船を出して模範解答を誘導したりして役割分担しています。
なお、口述試験では、法令集を試験委員に申し出て、参照することは考査に全く影響しませんので、条文の知識が不十分な場合や、いわゆるパニックに陥りそうになった場合には、気分を落ち着かせる意味でも、参照して解答したほうが印象としては、良い結果につながると考えます。ただし、質問者に断りもなく、法令集を参照したり、法令集を開いたまま、解答することは、考査以前に、マナーに欠けていると思われても仕方がありません。
また、質問に対する解答として、簡潔に答えることを心がけていただければと考えます。模範解答に足りない場合は、試験委員から、「もう少し詳しく説明して」と促しますので、それに沿って補足してゆけばよいことになります。
これに対して、質問に対する解答として、しばしば冗長な内容を述べる受験者の方をしばしば見受けられますが、これは良い結果につながりません。すなわち、試験委員としては、用意した模範解答に誘導できなくなり、結果として時間ばかりが経過し、次の質問に進めなくなるからです。
さらに、質問に対する解答が分からない場合、沈黙してしまう方もありますが、これも同様に、時間が無駄に経過してしまい、試験委員としても先の質問に進めなくなりますので、分からない場合は、素直にその旨を伝えた方が、試験委員の印象として良い結果となると考えます。
以上、とりとめのない内容になりましたが、今後の学習の参考にしていただければ幸いです。
口述試験の問題は、審議会が設定したテーマに基づき、特許法では、例えば、国内優先権、職務発明、先願主義、発明の定義、先使用権、特許権の効力といった項目の中からいつくかを設定し、設定した項目を試験委員に割り振って問題と解等を作成して持ち寄り、その中から出題必要数の問題を選定し、この問題に対する検討・修正を加えて、最終的に出題する質問文とその質問に対する模範解答を作成します。
各問題は、上述しましたとおり、いくつかの質問項目と、その質問に対する模範解答とが組み合わさせて作成されていますので、ほとんどの場合、最初の質問内容は、たとえば、「職務発明について条文に則して説明してください」とった基本的な内容となっています。試験委員としては、この基本的な内容を前提として、徐々に細かな用意された質問文に沿って考査してゆくことになります。
口述試験は、口頭試問考査形式ですから、試験委員２人がチームを組み、たとえば、一人が質問者となり、もう一人が質問に対する解答をチェックし、場合によっては受験者に対して、いわゆる助け船を出して模範解答を誘導したりして役割分担しています。
なお、口述試験では、法令集を試験委員に申し出て、参照することは考査に全く影響しませんので、条文の知識が不十分な場合や、いわゆるパニックに陥りそうになった場合には、気分を落ち着かせる意味でも、参照して解答したほうが印象としては、良い結果につながると考えます。ただし、質問者に断りもなく、法令集を参照したり、法令集を開いたまま、解答することは、考査以前に、マナーに欠けていると思われても仕方がありません。
また、質問に対する解答として、簡潔に答えることを心がけていただければと考えます。模範解答に足りない場合は、試験委員から、「もう少し詳しく説明して」と促しますので、それに沿って補足してゆけばよいことになります。
これに対して、質問に対する解答として、しばしば冗長な内容を述べる受験者の方をしばしば見受けられますが、これは良い結果につながりません。すなわち、試験委員としては、用意した模範解答に誘導できなくなり、結果として時間ばかりが経過し、次の質問に進めなくなるからです。
さらに、質問に対する解答が分からない場合、沈黙してしまう方もありますが、これも同様に、時間が無駄に経過してしまい、試験委員としても先の質問に進めなくなりますので、分からない場合は、素直にその旨を伝えた方が、試験委員の印象として良い結果となると考えます。
以上、とりとめのない内容になりましたが、今後の学習の参考にしていただければ幸いです。
cof 先生
ご希望に添える「根拠」かどうか不明ですが、東京綜合知的財産事務所のＨＰにおいて、西村先生も「弁理士口述過去問集の隠れた利用法」のなかで「・・法令集は参照してもよいのですが、答えるときには、法令集を閉じてからという条件がある点に注意してください」と述べておられます。
したがって、試験会場において、試験委員に法令集を参照することを申し出て、試練委員の了承の上、条文を確認すること自体は、口述試験の合否には影響しないと考えます。
ただし、試験委員が質問する度に頻繁に法令集を参照するということを繰り返しますと、試験委員が本来訊きたい質問にたどり着く前に考査時間が終了してしまう可能性があります。したがって、口述試験の場では、法令集を参照することは、必要最小限にとどめておくように、日頃の学習においては法令集に慣れ親しんでおく必要があると考えます。
ご希望に添える「根拠」かどうか不明ですが、東京綜合知的財産事務所のＨＰにおいて、西村先生も「弁理士口述過去問集の隠れた利用法」のなかで「・・法令集は参照してもよいのですが、答えるときには、法令集を閉じてからという条件がある点に注意してください」と述べておられます。
したがって、試験会場において、試験委員に法令集を参照することを申し出て、試練委員の了承の上、条文を確認すること自体は、口述試験の合否には影響しないと考えます。
ただし、試験委員が質問する度に頻繁に法令集を参照するということを繰り返しますと、試験委員が本来訊きたい質問にたどり着く前に考査時間が終了してしまう可能性があります。したがって、口述試験の場では、法令集を参照することは、必要最小限にとどめておくように、日頃の学習においては法令集に慣れ親しんでおく必要があると考えます。
最後に、受験生の方々が学習の基本書とされている「青本」の経緯について簡単に触れておきたいと思います。
特許庁編による「工業所有権法逐条解説」は、初版本のカバー色が青色であったことから、通称「青本」と呼ばれるに至ったと考えられます。
本解説は、当初は、一般向けに作成されていたわけではなく、もともとは、現行法案の国会審議に際して、法案審議の参考資料として、当時の特許庁改正審議室の立案担当者が作成し、国会に提出した「特許法案逐条解説」「実用新案法案逐条解説」「意匠法案逐条解説」「商標法案逐条解説」がベースになっています。
その後、法律として成立した後に、本解説を一部修正して一般向けに発明協会より発行され、一部法改正の度に立案担当者が改正内容を加筆・修正して、現在に至っています。
また、特許庁は、国会審議に先立って、現行法案の基になった「工業所有権制度改正審議会答申」の説明書を作成し、発明協会より一般向けに発行しています。この説明書には、旧法（大正１０年法）から現行法案に至った改正審議の内容が詳しく解説されています。
なお、余談ですが、現在の「実用新案登録出願」「意匠登録出願」が、法案段階では、「実用新案許可出願」「意匠許可出願」となっており、「許可出願」とした経緯についても法案逐条解説に説明されていますが、国会審議の際に、旧来使用してきた「登録出願」を何故変更しなければならないのかという各方面からの手厳しい意見があり、最終的に旧来通りの「登録出願」の文言に戻されたという経緯かあります。
特許庁編による「工業所有権法逐条解説」は、初版本のカバー色が青色であったことから、通称「青本」と呼ばれるに至ったと考えられます。
本解説は、当初は、一般向けに作成されていたわけではなく、もともとは、現行法案の国会審議に際して、法案審議の参考資料として、当時の特許庁改正審議室の立案担当者が作成し、国会に提出した「特許法案逐条解説」「実用新案法案逐条解説」「意匠法案逐条解説」「商標法案逐条解説」がベースになっています。
その後、法律として成立した後に、本解説を一部修正して一般向けに発明協会より発行され、一部法改正の度に立案担当者が改正内容を加筆・修正して、現在に至っています。
また、特許庁は、国会審議に先立って、現行法案の基になった「工業所有権制度改正審議会答申」の説明書を作成し、発明協会より一般向けに発行しています。この説明書には、旧法（大正１０年法）から現行法案に至った改正審議の内容が詳しく解説されています。
なお、余談ですが、現在の「実用新案登録出願」「意匠登録出願」が、法案段階では、「実用新案許可出願」「意匠許可出願」となっており、「許可出願」とした経緯についても法案逐条解説に説明されていますが、国会審議の際に、旧来使用してきた「登録出願」を何故変更しなければならないのかという各方面からの手厳しい意見があり、最終的に旧来通りの「登録出願」の文言に戻されたという経緯かあります。
今後の弁理士試験制度について、以下の方向で検討することになるようですので、ご参考にしいただければと思います。
(1)短答式試験について
昨年の試験の合格基準点が36点から39点に引き上げられたことから、今後は、昨年度の短答式試験問題の考査内容が一定の効果を上げたことから、昨年度問題レベルを参考にしながら、試験問題が作成されることとなると考えられます。具体的には、「いくつあるか」問題等を多用し、受験生の知識素養のレベルを考査することとなると考えます。
また、来年度以降は、合格基準点の引き上げとともに、科目別足きりが導入されることとなりそうです。
具体的には、総合得点で合格基準39点を満たしていても、例えば足きりが50%と設定された場合、特・実の問題数が20問のうち10問以下の正答数であった場合は、不合格になってしまうというものです。
すなわち、今後は、短答式試験で受験生の知識レベルを絞り込むことになると考えられます。
(2)論文式試験について
条約の科目が復活する可能性がありましたが、結論としては、特・実、意、商のそれぞれの科目の中に条約の問題を絡ませて訊く考査方法に落ち着くことになりそうです。
したがって、必須科目は、現状の3科目のままで当分の間実施されることになると考えます。
具体的には、昨年度の意匠法の問題2のようにパリ条約を絡ませたものを出題することにより、受験生の条約の知識レベルを見ることとなると考えます。
選択科目については、各科目間の合格レベルのアンバランスが依然として解消されていないことから、来年度以降については、科目問題の集約を行い、科目間の不公平感を極力押さえる見直しが図られることになりそうです。
(4)口述試験について
昨年度の短答式試験、論文式試験の合格基準レベルを引き上げたことによる、受験者の知識レベルが向上し、一昨年度の不合格者数に対して、昨年度は大幅に改善されたことから口述試験制度は、当面の間維持していゆくことになりました。
(5)試験一部の免除制度について
試験一部の免除制度については、もう少し制度実態を見極める必要があることから、当面は維持されることとなるようです。
(1)短答式試験について
昨年の試験の合格基準点が36点から39点に引き上げられたことから、今後は、昨年度の短答式試験問題の考査内容が一定の効果を上げたことから、昨年度問題レベルを参考にしながら、試験問題が作成されることとなると考えられます。具体的には、「いくつあるか」問題等を多用し、受験生の知識素養のレベルを考査することとなると考えます。
また、来年度以降は、合格基準点の引き上げとともに、科目別足きりが導入されることとなりそうです。
具体的には、総合得点で合格基準39点を満たしていても、例えば足きりが50%と設定された場合、特・実の問題数が20問のうち10問以下の正答数であった場合は、不合格になってしまうというものです。
すなわち、今後は、短答式試験で受験生の知識レベルを絞り込むことになると考えられます。
(2)論文式試験について
条約の科目が復活する可能性がありましたが、結論としては、特・実、意、商のそれぞれの科目の中に条約の問題を絡ませて訊く考査方法に落ち着くことになりそうです。
したがって、必須科目は、現状の3科目のままで当分の間実施されることになると考えます。
具体的には、昨年度の意匠法の問題2のようにパリ条約を絡ませたものを出題することにより、受験生の条約の知識レベルを見ることとなると考えます。
選択科目については、各科目間の合格レベルのアンバランスが依然として解消されていないことから、来年度以降については、科目問題の集約を行い、科目間の不公平感を極力押さえる見直しが図られることになりそうです。
(4)口述試験について
昨年度の短答式試験、論文式試験の合格基準レベルを引き上げたことによる、受験者の知識レベルが向上し、一昨年度の不合格者数に対して、昨年度は大幅に改善されたことから口述試験制度は、当面の間維持していゆくことになりました。
(5)試験一部の免除制度について
試験一部の免除制度については、もう少し制度実態を見極める必要があることから、当面は維持されることとなるようです。
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