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丸山眞男コミュの『丸山眞男集 別集 第一巻』

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「政治嫌悪・無関心と独裁政治」p289-306『丸山眞男集 別集 第一巻』岩波書店・2014/12/25.

1948年の長野県における講演の記録である。ここで相対主義の重要性を語っておられる。絶対主義に傾くと、大好きか大嫌いかのどちらかになってしまい、前者は英雄崇拝、後者は政治嫌悪になりがちだということらしい。相対主義は比較を前提とする。だから、よりマシな方を選ぶという自由度がある。しかるに絶対主義に傾くと「・・・しかない」ということになり、選択の幅が極端に狭くなってしまう。最初からいきなり、結論に到達しなくとも、選択を重ね、努力もしていくうちに、徐々に当初の目標地点への到達距離をジリジリと縮められれば、やりがいも湧くだろう。つまり対象との適度な距離感が相対主義にはあると思う。選び間違いや失敗も、相対主義には許容範囲となって、肥やしにもなるだろう。途中で微修正もOKなのだ。

また、一旦、相対主義を有効な手段だという認識を前提に持てば、その反対の場合に出くわしたときに、主権者の人物判定の指標ともなり得るのではないかと思う。つまり、やたらと絶対主義を振りかざす論者には警戒心を持つことで、選択の眼を肥やす便利な道具になると思う。そういえば加藤周一さんが対談集で、「絶対主義と闘う相対主義」というテーマでお話をなさっていた記憶がある。「歴史・科学・現代」平凡社・p188-204じゃなかったかな?手元の、かもがわ出版『加藤周一対話集 1 〈日本的〉ということ』p207-224・笠原芳光さんとの対談だったかな?

いずれにしても「これしかない」「これがあれば絶対だ」「死んでも頑張る」とかいう熱狂的・狂信的ともいえる絶対主義は、疑ってかかった方がよさそうだ。今後さまざまな局面で、賢明な相対主義が歯止めとなることをねがう。かつて西洋の新教徒と旧教徒との血で血を洗う宗教戦争の時代に、「寛容」の精神を説いたユマニストのことを思い出した方がいいだろう。相対主義と寛容の精神は関係があると思う。

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