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丸山眞男コミュの司馬史観への疑問 朝日新聞「窓」から

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窓 論説委員室から 司馬史観への疑問

「明るい明治」を描いた司馬遼太郎の小説を読むと、大国ロシアを破った栄光の時代からたった40年でなぜ「暗い昭和」へと転落したのか、考え込んでしまう。本当は「明るくない明治」が昭和を用意したのではないのか。名古屋大名誉教授、安川寿之輔さん(75)が「福沢諭吉のアジア認識」(高文研)などの著作で、司馬史観を批判している。

日清、日露戦争と、明治の膨張主義は顕著で、内には専制主義だった。そこをあえて明るく描くのは戦後の著名な政治学者、丸山真男に源流があるという。丸山は、福沢に代表される明治前期の「健全なナショナリズム」と、昭和の「超国家主義」の違いを際だたせる。そのうえで、戦後の改革が占領軍の手で進んでいる最中に、日本にも明治には先駆的な民主思想家はいたのだと紹介。民主化が日本に異質のものではないとして民衆啓蒙に務めた、というわけだ。

だが、実際には福沢が率いた新聞はアジア蔑視で、政府べったりの言説が目立つ。実態以上の評価がかえって日本の民主主義を弱くした、とは安川説だ。戦後、墨塗り教科書を使わされ、その後は戦後民主教育の後退を目撃した世代の恨みもこもる。

同時代、勝海舟は日清戦争に反対し、足尾鉱毒を告発した田中正造と交流していた。別の明治の可能性もあったのか。安川さんは現在、福沢分析の4冊目を準備中。
「福沢諭吉のアジア認識」は中国版に続き、韓国版も出版される。 〈伊藤智章〉

平成22年4月6日 朝日新聞夕刊から


コメント(4)

近現代史は、どうしてもその人の立場が出ますので、厄介ですね。
ここにある安川さんにしろ、引用された方にしろ、私にしろ。

たとえば、なんの経験もつてもない若者が改革を志すとき、幕末の志士は輝かしくなります。そのため彼らは常に正しいことになるわけです。

昭和の軍部を悪とみなすのはまあ当然でしょう。それでいて明治維新を評価する気持ちがあれば、どこかで悪化あるいは劣化しなければなりません。それを日露後にもっていくのが司馬氏の発想なのでしょう。

各氏の言説のどれが正しいのかではなく、各氏の言説から思いを読み取るのが面白いと思います。

このコラムの執筆者伊藤論説委員は、福沢諭吉のアジア蔑視を疑問視する静岡県立大学の平山洋助教の説を知らないのでしょうか。
私は朝日新聞のオピニオン面に掲載された氏の論文と、著作『福沢諭吉の真実』(文春新書)を大変興味深く読んだもので。
こういうテーマのコラムを書くなら、少なくともこんな説を唱える研究者がいる程度は調べるべきなのでは…
まったく無視したのなら別ですが。
明治維新を日本人による輝かしい達成だったと誇る気持ちが大きいほど、それなのになぜ、太平洋戦争のあんな大失敗と悲惨をわれわれはこうむったのかと悩まずにいられませんね。
個人の歩みを振り返ることだって、なかなかそれを貫く原理を読み取ることは難しいのに、まして一国の命運を貫いてきた原理を読み取るのは並大抵のことじゃないと思います。
でも僕たちはそれをやめてはならない。誰かが下した出来合いの理屈に無批判的に乗っかることだけで満足してはならないーーそう思います。

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