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個人的な世界コミュのシステム

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「もっと大きな時計の針を持ってきてくれ。」
ラクダは冷ややかな口調でそう言った。
サソリは頷いて砂の中を探した。

サソリは生まれてきてからこのかた、
どんなことであろうとも
ラクダの不可能とも思える高圧的な命令に忠実に従ってきた。
それがサソリにとっては自然なことだったし、
仲間もそうしていたので
疑いようのない自身の生活そのものとして
その命令を受け入れてきた。
その命令を果たせるかどうかは問題ではなかった。
その命令に従うことに価値がおかれた。

砂の中から時計の針を探すのは骨の折れることだった。
砂はどけてもどけても元のところになだれ込んできた。
なだれ込んでくる前にまた別の砂をどけなくてはならなかった。
何か固いものがハサミに触れるまで、
サソリは砂をかき続けた。

ラクダは口を動かしながら関係のないところを眺めていた。

「畜生、畜生。」
サソリはそう呟きながら砂の中を進んでいった。
別に誰かに恨みがあるわけではなかった。
これまで生きている中で自然とそう呟く癖がついてしまっていたようだった。
砂をかくことに夢中になっていると、
突然ぼんやりと何かの映像が見えてくることがよくあった。
何か固いものがハサミに触れるとその映像は消滅し、
サソリは我に返り目の前には砂しかないことを知らされる。

もうどれだけの太陽が沈んでいっただろう。
いくつもの映像が流れては消えていった。
サソリはそれらの映像が何かを伝えようとしていることに、
徐々に気づき始めていた。

「もう時計の針はいいから、東の方を夕暮れにしてくれ。」
ラクダはむき出しにした歯を小鳥たちに掃除させながら
サソリにそう言った。

「畜生、畜生。」
その呟きと共に砂の中から這い出てきたサソリは、
ラクダに勢い良く近づいた。
その気配を感じ取った小鳥たちは
一斉にラクダの歯から飛び立った。

その飛び立ちに驚いたラクダは、
長いまつげを震わせながら
状況を把握しようと目を大きく見開き辺りを見回した。

サソリは全力を振り絞って大地からラクダの顔をめがけて跳んだ。
ラクダがサソリに気づき顔をサソリに向けた瞬間、
サソリはハサミでラクダの長いまつげを乱暴に切り去り、
その瞳に尻尾の毒針を鋭く刺し込んだ。

ラクダの悲鳴とともに
しばらく辺りの空気が凍りついた。
サソリは泣きながら何かを叫んでいた。
ラクダのその瞳からは赤黒い血が流れ出ていた。
次の風が吹いたところで
時がまた動き始めた。

ラクダのもう片方の目は
いつもの冷淡な表情からは想像できない
優しく哀しい色合いを呈していた。
ラクダは知っていた。
何かが狂っていることを
何かを大きく変えないといけないことを。

ラクダは膝を落とし
砂に埋もれていった。
ラクダもサソリも知っていた。
小鳥たちも知っていた。

コメント(1)

システムが悪いのは知っている
そして其処に胡坐をかいて差別してる人達も知っている

平等なシステムなんてないと知っている

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