東武東上線物語（TJM）コミュの第六話東上線物語～失われた車両を探せ～

タイ｢・・・・・・・！！！｣

タイチは声にならない悲鳴をあげた。

ひやりと冷えたモノが、足首をたどって

上え、上えと昇ってくる・・

脹脛を超えて腿の辺りまで、ソレが達した時には

恐怖が最高潮までが来ていた。

このテツドウに乗り込んだ時点でタイチの旅が始まっていたし

ただでは、終われない、そんな覚悟は出来ていたはずなのに

・・・・いかんせん早すぎる。

タイチはゆっくりと振り返った・・・

？？｢タイチ・・・・｣

深い闇の底から震える声がする・・・

タイ｢誰なんだ・・・？出て来い｣

もしかしたら人？とは呼べないものが出てくるかもしれない。

本当だったら出てきてなんかほしくはなかった。

暗闇の中からソイツは現れた・・

タイ｢お・・・お前は！！？｣

　　　･･･････････

？？｢驚かしちゃったみたいで、すまん｣

スコッチだった。

スコ｢本等にすまん・・・俺・・ど｣

タイチはスコッチの口を摘むんだ。

タイ｢それ以上喋るな、みんなが起きちまうだろ？｣

スコ｢・・・・・・・すまん｣

スコッチの頬に滴るものが見えた。

タイ｢お前はいっつも謝ってばかりだな｣

スコッチの頬からまた滴るものが見えた。

タイ｢行こう、その代わり途中で降りたいなんていったって、

途中下車なんてあええないぞ？｣

スコ｢ＹＥＳ！！｣

タイ｢早速の出発だが、スコッチ、そこにあるレバーを上にあ

げて、赤のボタンを２回押してから、青のボタンを一回おし

て、上から出てるレバーを引いてくれないか？｣

スコ｢こ・・こうか？｣

カチャ、カチャ・・・ウイィィィーーーン！！

トウジョウセンは動き出した。

スコ｢おおおおぉぉぉ～！！！！すげーすげーよタイチ！！｣

タイ｢スコッチ静かにしろって！でも・・・行くぞ！！｣

ガッシャガッシャ！！

当分村のみんなとは会えないだろう、もしかしたら2度と会え

ないかもしれない、タイチとスコッチを乗せたテツドウは

眠りにふけた村を過ぎた。・・・行ってきます・・・

村の終わり辺りになると、ふと灯りが２、３瞬いているのが

見えた。

スコ｢な、なんだアレ？？？｣

タイ｢み・・・みんなだ！村のみんなだよ｣

村人Ａ｢お～い！がんばれよ！｣

村人Ｂ｢絶対戻ってくるのよ！｣

タイ｢スコッチ・・・停まらないけどいいな？｣

スコ｢うん｣

スコッチの親父さんの姿もそこにはあった。

スコ｢と・・父さん！！｣

親父さんは何も言わずにたた親指を立てて頷いた。

じいさんの姿もあった。タマの姿もあった、みんがそこに

いてくれた。

じい｢タイチ、お前なら出来る、頼んだぞ｣

みんな｢絶対帰って来いよ！！！！｣

プオオオオオオオォォォォォォォーーーーン！！！！

みんなの言葉に答えるようにテツドウトウブトウジョウセンハ

大きな声出した。

タイ｢行くぞ！！！！！！｣

スコ｢ＹＥＳ！！｣

村人達はテツドウの姿が見えなくなるまで見送った、希望に満

ちた眼差しで・・・・・・

つづく