クイーン・オブ・ザ・マイナー・キー マイナー・コードの女王、見事に彼女自身を言い得たタイトルだ。 いきなりマイナー・コードのロカビリー/サーフ系のインスト・ナンバーが出てきてびtぅくりしたが、ボストンで活躍する注目の女性シンガーソングライター、イーリン・ジュエルの5枚目となるアルバムがこれだ。オーソドックスなカントリー/フォーク系のサウンドとロカビリー系のサウンドを併せ持つ彼女ならではのスタイルで、現在ボストンの音楽シーンで話題となっている。 1979年アイダホ州ボイーズ出身の彼女は、幼少時から音楽に親しみ10代前半でベッシー・スミス、ビリー・ホリデイ、ボブ・ディラン、ハウリンウルフといったルーツ・ミュージックに影響を受けた早熟な少女だった。ギターを手にした彼女はニューメキシコ州サンタフェの大学に進学した頃から音楽活動をスタートさせる。卒業後はロスへと、その後は全米各地を転々とした後、ボストンに腰を落ち着け音楽活動を開始。2005年に発表したデモ「Nowhere In Time」と翌年に発表した自主制作のデビュー作「Boundary County」がボストンのレーベル、シグネイチャー・サウンズに認められ、2007年「Letters From Sinners & Strangers」で全米デビューを果たす。2009年「Sea of Tears」、2010年「Butcher Holler: A Tribute To Loretta Lynn」と着実にアルバムをリリースし、2011年にリリースしたのが本作「Queen Of The Minor Key」である。 彼女のどこか憂いを帯びた声はフォーク系のサウンド、ロカビリー系のサウンドのどちらにも見事に嵌っているが、確かにマイナー・コードの楽曲に嵌ると最高の冴えを見せる。ルシンダ・ウィリアムス、ギリアン・ウェルチといったシーンのトップにいるアーティストに続くのはイーリンだろう。