ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

公開前の映画情報コミュのその土曜日、7時58分

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「その土曜日、7時58分」 Before The Devil Knows You're Dead
  08年10月11日、恵比寿ガーデンシネマほか公開
  07年アメリカ  ソニー・ピクチャーズ配給
  上映時間:117分  日本語字幕:小寺陽子
  監督:シドニー・ルメット
  出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク、アルバート・フィニー
     マリサ・トメイ、ローズマリー・ハリス、アレクサ・パラディノ
     マイケル・シャノン、エイミー・ライアン、ブライアン・F・オバーン
  http://www.doyoubi758.jp/


今公開しているロシア映画ではない、50年前公開の「12人の怒れる男」をはじめ、「狼たちの午後」「評決」など社会派映画の巨匠、シドニー・ルメット監督の最新作です。齢84にして、この製作意欲はただものじゃありません。原題は「May you be in heaven half an hour Before The Devil Knows You're Dead」(死んだことを悪魔に知られる30分前に天国に行けますように)というアイルランドの慣用句の一説から取っています。

ニューヨーク郊外の小さな宝石店。土曜日朝の開店直後、覆面姿の男が襲い、女性店員を脅しながら宝石を奪おうとした。店員は隙を見て非常用の拳銃を発砲するが、強盗も応戦、両者とも銃弾に倒れる。店外の車で待っていた共犯者は、「なんてことを……」と言いながら逃げ去った……。犯行の3日前。妻と離婚し、娘の養育費の支払いさえ滞るほど金に困っていたハンク(イーサン・ホーク)に、兄のアンディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)が強盗計画を持ちかける。会計士で一見裕福そうなアンディも、会社の金を遊興に使い込み、金に困っていたのだ。アンディが狙いを定めたのは、店内の配置も従業員のシフトも勝手知ったる、両親が経営する宝石店。最初は嫌がったハンクも引き受け、昔のワル仲間を実行犯に仕立てて犯行に踏み切る。しかし、強盗は失敗したばかりか、2人は、その日はシフトが変わって母親が店に詰めていたことを知る−−。

とにかく救いがない、破滅的な物語です。

1つの宝石店強盗を発端として、複数の人物の深層心理を重層的に描き出してゆく。シドニー・ルメットの真骨頂を見た気がします。

時間軸が登場人物ごとに細切れにされて前後しながら描かれていく形式で、ラストにスッと肝に落ちてゆくことはないが、少しずつ、1つ結び目を解くともう1つ……というように心理が掘り下げられていきます。

私の場合、最後まで解けなかった結び目が1つ残ってしまい、どうにもスッキリしないところがありました(終映後に宣伝担当と話をした時に「これはそういうものだ、と納得するしかないでしょうね」という結論になりました)。ここが気になったのは私だけかもしれませんが、そこさえ問題なく乗り切れれば、この悲劇を存分に味わえるでしょう。

筋立てで描かれている以外に、背景に色々なドラマが隠されているような含みを持ったまま、悲劇的なドラマは幕を閉じます。後から「あんなことになったのは、これが遠因だったんじゃないかな」などと、あれこれ想像を巡らせたくなる、物語の奥深さを感じさせられます。

怪しげな男をやらせればピカいちのフィリップ・シーモア・ホフマンに、あまりの情けなさぶりに「実生活もこんな感じかも」とつい思わせてしまうイーサン・ホーク。この2人のアンサンブルがいい。それに輪をかけていいのが、父親役のアルバート・フィニー。世の中の悲しみを一身に引き受けたかのような表情で、ラストシーンを演じます。

ただ、例の結び目の問題と、あまりに救いがないので、好き嫌いで言えば……このくらいの点数かなぁ。


私的採点:3.5点寄りの3.0点(5点満点)

                  9月8日 ソニー・ピクチャーズ試写室

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

公開前の映画情報 更新情報

公開前の映画情報のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング