ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

公開前の映画情報コミュのいのちの食べかた

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「いのちの食べかた」  Our Daily Bread
  07年11月10日公開
  05年オーストリア・ドイツ  エスパース・サロウ配給
  上映時間:92分  日本語字幕:なし
  監督:ニコラウス・ゲイハウター
  http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/


我々が普段口にする食べ物。畑で生っている野菜や果物や穀物、そして生きている牛や鶏、豚に魚の姿は知っていても、それがどういう過程で加工され、流通し、家の食卓に並ぶか、我々はよく知らない。この作品は、畑の農作物が野菜に、家畜が肉に、というように食べ物になる加工過程を記録したドキュメンタリーです。

セリフや音楽は一切ありません。字幕もなし。流れるのは加工する機械の音など、時たま小さく混じる作業員の言葉くらい。カメラは淡々と食べ物が"製造"される様子を捉え続けます。

そのセリフも音楽もない映像の何と雄弁なことか。生きている牛や豚がどういう工程で命を落とし、皮を剥がれ、枝肉になっていくか。良質な肉を得るために、どのように牛を産ませているか。畑でヒマワリの種を取るために果たして人は何をするのか。否が応にも「我々は動植物の命を奪い、いただいているのだ」というのを思い知らされます。

合わせて、魚の内臓を除去する工程やオリーブの実を採取するシーンなどを見ると、徹底的に機械化された生産工場は、いかに効率的に食物を加工するかを突き詰めた人類の知恵と工夫の結晶であること、そして消毒と洗浄の繰り返しであることもわかります。

それと、もう1つ印象に残ったのは、恐らく現場で働く人たちはこれらを食べ物と認識してないんだろうな、認識してたらやっていけないんだろうな、と思ったこと。オス・メスを選り分けるためにひよこをポイポイ放り投げる選別者、自分の運命を悟ったかのような牛を誘導する人(やっぱり牛のシーンはちょっとショックだった)。食肉工場で昼食時間にサンドウィッチをほお張る女性作業員の、いかにもまずそうに仕方なく食べるような表情を見ていると、生々しい食の現場に携わっていると?食べ物を食べる?という行為が楽しくなくなってしまうのかもしれません。

おそらくパンフで、各過程がどういう意味を持っているのか解説が載ると思いますので(プレス資料には載ってました)、観た後にそれを読むと一層理解が深まると思います(観る前に読まない方がより楽しめるでしょう)。

私の子供はいま小3ですが、もう少し大きくなったら一緒にDVDで観てみたい作品です。

ちなみに邦題は、ジャーナリストで映像ドキュメンタリー作家の森達也氏の著作から取ったそう。この著作も、屠殺工場(「屠殺」という漢字が変換で出てこない!!!!)を見学した様子などを伝えた、同様の趣旨を持ったもので、氏は邦題を拝借することを快諾し、プレスカタログにも一文寄せています。私もこの本を昨冬に読みましたが、なかなか氏らしい視点で描いた良作です。小学生高学年向けのようなイメージで書かれたものですが、宜しければ合わせてご一読を。http://www.amazon.co.jp/%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%A1%E3%81%AE%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%8B%E3%81%9F-%E3%82%88%E3%82%8A%E3%81%BF%E3%81%A1%E3%83%91%E3%83%B3-%E3%82%BB-%E6%A3%AE-%E9%81%94%E4%B9%9F/dp/465207803X/ref=sr_1_1/250-2959923-8179423?ie=UTF8&s=books&qid=1194375955&sr=1-1


私的採点:3.5点(5点満点)

                        9月5日 映画美学校第2試写室

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

公開前の映画情報 更新情報

公開前の映画情報のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング