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公開前の映画情報コミュのバベル

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「バベル」 Babel
  07年GW公開 ギャガ配給
  上映時間143分 日本語字幕:松浦美奈
  監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
  出演:ブラッド・ピット、ケイト・ウィンスレット、
     ガエル・ガルシア・ベルナル、菊地凛子、役所広司
  http://babel.gyao.jp/


「遠い昔から言葉は一つだった。
 全ての人は、主が地上に持たらした洪水を記憶していた。
 彼らは言った。
 ”さあ私たちは町と天までとどく塔を建てて、名をなそう。
 そして全ての地上に私たちが散らされることがないように”
 神は怒り、言われた。
 ”私は彼らの言語を混乱させよう、彼らが聞こえないように、
 そして人が友人の言語を理解できないように”
 人々は混乱し、塔の建設を中止し、世界中に散って行った。
 全ての国で違った言語が話され、そして違った習慣が発展していった。
 やがてその街はバベルと呼ばれた」       (創世記11章)

この旧約聖書の逸話「バベルの塔」から題された作品です。ゴールデングローブ賞最優秀作品賞を受賞し、アカデミー賞でも最右翼。日本の女優の菊地凛子がノミネートされたことで一気に話題になりました。試写室もえらく混んでまして、30分前に着いて入れたのがギリギリでした。

テーマはそのものズバリ「言語の壁」。言語だけでなく、人種やそれらによって作られた人為的な壁=国境なども意味しています。

舞台はモロッコ、アメリカ・メキシコ国境、そして日本の3ヵ所。モロッコで起きた米国人観光客銃撃事件、その子供たちが米国・メキシコ国境で体験する出来事、日本の聾唖の女子高生の日常−−。それぞれで発生した出来事が細切れで描かれ、やがて1本の線で結ばれていく、という構成になっています。

私、イニャリトゥ監督の「21g」の大ファンです。04年に見た作品ベスト3にも入れています。それだけ期待を膨らませて観に行ったのですが、個人的には「21g」ほどピンときませんでした。監督デビュー作の「アモーレス・ペロス」にも及ばない印象です。

この作品には、前2作で観る者に強く与えた?衝撃?が足りないのです。3つの異国を結ぶ線も細く、深く絡み合ってない。どこか端っこでかろうじて繋がれているだけで、重厚さが足りないという感じ。

ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロの3人が迫真の苦悩の演技を見せた「21g」、ガエル・ガルシア・ベルナルが強烈に印象に残った「アモーレス・ペロス」の2作は、それぞれの登場人物の息遣いが耳元で感じられるような臨場感があったのですが、この作品は、観るものがまるで「バベルの塔」の上の高みから見ているような「他人事感」があるのです。

恐らく、イニャリトゥ監督が一番描きたかったのは日本編なんだと思います。聾唖で自分の意思を伝えるのに四苦八苦し、「しゃべれない」というだけで奇異な目で見られる女子高生。彼女が愛を欲するばかりに、大胆な行動に出る様子を描いているのですが、そのパートが3つのエピソードの中で一番印象が薄いというか、ショボさを感じました。

あまり詳しく書くと観る時の楽しみが半減するから、このくらいにしときます。

作品自体ダメダメというわけじゃないんですよ。個人的に期待が大きかっただけに、その分ハードルが高くなってしまったという面が強いかと。このあたりは好みの問題もあるでしょう。十分見応えがあるデキですし、菊地凛子も難しい役を体当たりで演じています。

マイケル・ベーニャがチラッと出ていたのを見た時には、ちょっとニヤッとしました。こういう新進気鋭の役者をこんなチョイ役で使うなんて豪勢だな、と。


私的採点:3.0点(5点満点)


                  1月31日 ギャガ試写室

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