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公開前の映画情報コミュの犬神家の一族

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「犬神家の一族」
  06年12月16日公開
  東宝配給(製作:角川映画)
  監督:市川昆
  出演:石坂浩二、松嶋菜々子、尾上菊之助、冨司純子、松坂慶子
     萬田久子、中村敦夫、深田恭子、岸部一徳、仲代達也
  http://www.inugamike.com/

今から30年前の1976年に、角川映画第1作目として劇場公開された「犬神家の一族」。湖に浮かぶ白い脚の映像が印象的なこの作品を、当時60歳、現90歳の市川昆監督がセルフリメイク。ご覧のような豪華キャストで、日本映画では異例の撮影4ヶ月をかけた大作です。プロデューサーは「呪怨」などジャパニーズ・ホラーの火付け役の一瀬隆重。76年版「犬神家の一族」に強く影響を受けた彼が、市川監督にセルフリメイクを提案したのがきっかけだとか。

粗筋は前作と全く同じです。

信州の地で戦後、製薬業で巨額の財を成した犬神佐兵衛が永眠した。佐兵衛には3人の娘があり、それぞれに跡継ぎの息子が1人ずついるが、遺言書には、「3人の孫のうち、世話になった恩人の孫娘・珠世と結婚した者に全財産を譲る」と書かれていた。その時から凄惨な連続殺人が発生し、東京から呼ばれた探偵・金田一耕助がこの謎に迫る−−。

試写の2日前に予習の意味で、すっかり忘れていた76年版「犬神家の一族」を鑑賞しました。なのでハッキリ覚えているのですが、いやはやビックリしました。最初の10分ほどは展開はもちろん、セリフ回しやカット割りまで、06年版は76年版とソックリ。いや、セルフリメイクだから似るのは当たり前ですが、ここまでソックリにやるこたねぇだろ、と思うほど瓜二つなのです。なにせ、オープニングロールのキャスト名が黒字に白抜きでL字型に活字されるところや、ルパンチックな大野雄二の音楽まで同じ。

リメイクというより模写ですな、これは。

見ているうちに「あ、ここが違うわ」という場面が増えてくるのですが、それでも全編通じて76年版のアウトラインを大きく逸脱するところはありません。

じゃあ、06年版と76年版は似た評価かというと、違うのです。

まず、重厚さが違う。76年版を見た時、腹の奥に感じる重みというか、「どっしり、ずっしりとした作品を観たなぁ」という充足感がありました。06年版も重みはあることはあるのですが、76年版には大きく及ばない。

一番の理由はキャストにあるのではないか、と思うのです。

以下に主なキャストの比較を並べて見ました。(左より役名、76年版、06年版)
●金田一耕助…………石坂浩二/石坂浩二
●長女・松子…………高峰三枝子/冨司純子
●次女・竹子…………三条美紀/松坂慶子
●三女・梅子…………草笛光子/萬田久子
●珠世…………………島田陽子/松嶋菜々子
●松子の息子・佐清…あおい輝彦/尾上菊之助

とにかく76年版では高峰三枝子の迫力に圧倒されましたが、冨司純子は迫力でそれに大きく及ばない。珠世の松嶋菜々子は、若さと清楚さ、そしてミステリアスな美しさで島田陽子に大きく及ばない。06年版の中で76年版に迫っていたのは松坂慶子くらいじゃないかな。

また、76年版と06年版で、同じ役柄に同じ役者を当てたのが3人。金田一耕助役の石坂浩二のほかに、神社の神主役の大滝修治、「よーし、わかった!」を連発する警察署長役の加藤武(違う役柄なら、草笛光子と三条美紀も出演していました)。石坂浩二は30年の年月を感じさせない金田一耕助を演じていましたが、他の二人はちょっと冒険だったかな。

あと、06年版では市川昆監督は「映像で光と影にこだわった」そうですが、その点も76年版の方がよかった感じがするなぁ。やはり90歳という年齢はいかんともしがたいのかしら。

それでも、最近の日本映画の中では数少ないズッシリと見応えのある作品ですし、見る価値は十分にあると思います。ただ、76年版と比較するなら、06年版を先に観ることをオススメします。76年版の重厚さの後だと、06年版が軽く感じて仕方なくなるでしょう。


私的採点:3.0点(5点満点、76年版は4.0点)


                   11月7日 東宝試写室

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