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【長寿社会の虚実】第3部 悲しみのない死(上)

 ぬか漬け容器の中には、遺骨が入っていた。プラスチック製の容器を包んでいた白い風呂敷をほどくと、はがき大のノートを引きちぎった書き置きがあった。

 「このおこつをしばらくあずかってほしいのです。子供、姉兄だれも見てくれません。名前はいえません。きっとむかえにいきます」

今年8月に東京都千代田区の葬祭業「富士の華」に引き取られた遺骨をめぐる光景だ。文面や骨の量から推測すると、壮年か高齢者らしい。

 東京・埼玉から群馬を結ぶ東武伊勢崎線の車両内に放置されていたという。いつ、どこで放置されたかは分からない。警察や自治体での管理を経て、最終的に同社に引き取られることになったという。

 「『ひどい』という怒りを通り越して、涙が出ます」。同社の佐藤誠統括本部長はため息をつく。

 「『あずかってほしい』と書いても、電車に放置したのでは、どこに届くか分からないじゃないですか。費用の心配はいらないから、ぜひ名乗り出てほしい。供養してあげないと」

 骨つぼには、混同を防ぐために故人の名前が刻印されることがある。「骨つぼから故人が特定されるのを避けるために、ぬか漬け容器に移し替えた」。佐藤さんはそうみている。

 名前、住所本籍など身元が分からない遺体を「行旅死亡人」という。

 例えば東京都の場合、行き倒れ遺体など年間に100〜180体ほどが該当。この中には、今年の夏に騒がれた所在不明高齢者らの一部が含まれている可能性があるとされる。

 行旅死亡人の遺体の特徴や所有物の特徴などは官報に掲載される。しかし、大半は名乗り出る人がないまま、行政や業者により火葬され、無縁仏などの形で埋葬される。そこには、遺族らによる悲しみはない。

 富士の華の野田穂積社長はこう話す。「書き置きがあるのだから、この人には遺族がいたことははっきりしている。しかし、その遺族の手によって行旅死亡人と同じような身元不詳の遺骨にされてしまったんです」

 ぬか漬け容器の中に入れられて放置された遺骨は現在、富士の華の事務所で供養されている。遺骨は陶器製の骨つぼに移し替えられた。

 富士の華には8月、別の自治体からも、市中に放置されていたという遺骨が寄せられた。「陶器製の骨つぼに刻まれていたはずの故人の名前が、金属のようなもので削られていた」と、社長の野田穂積さん。

 つぼの大きさなどから女性の遺骨とみられているが、それ以上の手がかりはなく、氏名不詳扱いとなった。

 遺族の手によって、氏名不詳となってしまった2つの骨つぼは、いま同じ棚に置かれている。それぞれの故人は、業者の手によって供えられた花を、どんな思いで見ているのだろう…。

 これらのケースに限らず、最近、遺族らの悲しみや供養の気持ちが見えないままに処理される遺骨が増えている。

 全国の1%に相当する、年約1万3500体を荼毘(だび)に付す戸田葬祭場(東京都板橋区)。

 遺族や葬儀業者らから火葬後に、「持ち帰らないから」「何とかしてほしい」と頼まれて預かった遺骨が、今年度はすでに前年度分(120体)を超える160体にもなっている。

 葬祭場の村川英信部長は「身寄りのいない人の遺骨もあれば、遺族がいながら、あっさりと持ち帰りを断る例も多い」と話す。

 ほとんどが、戸田葬祭場で火葬されたあと、その場で預かったものだ。骨つぼがまだ火葬の余熱で温かい。葬式が行われたケースは少ない。

 「どうして今年、こんなに増えているのかは分からない。家族関係の変化などが反映しているのでしょうか」。村川さんは戸惑っている。

 自分の親の遺体すら粗末に扱う子供らもいる。

 関東地方のある葬祭業者は、霊安室に預かった80歳近い女性の遺体を2カ月近くも火葬しようとしない長男を相手取り、“火葬の強制執行許可”を求めて裁判を起こした経験がある。

 子供らは遺産争いをしており、遺体は放置されたまま。業者側が40歳近い長男に「お母さんが泣いているよ」と話しても、「関係ありませんから」と取り付く島もない。

 提訴は平成18年5月。業者の言い分が全面的に認められたのが19年12月。死後2年近くたって、母は強制的に荼毘に付された。長男が渋々、遺骨を取りに来たものの、ほかの子供らは姿を見せなかったという。

 わざわざ身元を不明にしてまで放置される肉親の遺骨。そして捨て置かれる肉親の遺体−。

 裁判を起こした葬祭業者の男性経営者は「本当に腹が立った。子供らの態度に、自分のことしか考えない社会風潮の象徴を見た思い」と話す。

 8月に2体の身元不明の遺骨を引き取った、富士の華の野田さんは「花の一輪もなく放置ですよ。どこにも相談できなかったのか…。世の中すさんでますよね」と感じている。

 各地で相次いで発覚した高齢者の所在不明。戸籍や住民票上、生死が分からない人が多くいることが分かり、衝撃を与えた。なぜ、こんなことになるのか−。葬送の現場を歩くと、互いの生死に無関心・無尊厳な家族、兄弟姉妹、親子らの姿が多くあった。

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