ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

自作小説を発表〜!コミュの『優しさを忘れずに』

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
女子高生の奈々。
勉強よりも遊びに忙しい。そんなところも、今時の高校生。

しかし、家では、家族とあまり会話もしない。
そう、奈々は一人っ子。
そして、母親は早くに亡くなり、父親は後妻さんをもらっている。


今日も放課後、友達とカラオケの帰り道
ワイワイ・ガヤガヤ電車の中で騒いでいた。

 その時・・・・
  「うるせぇ〜ぞ!」
 って、近くのサラリーマンに注意された。

  「なに、あれぇ〜」
  「おやぢがぁ・・・」
  「マジ、ムカツクー!」
 みんなで睨み返した。

 なんかひょろっとしたサラリーマン。
 つり革に揺られながら、文庫本を読んでいた。



そんなある日のクラブぅの帰り道。
奈々は、電車を降りたら、目の前が真っ白になり
フォームに座り込んでしまった。
 (やべぇ〜。。。どうしたんだろぉ・・・・)

もうプラットフォームには、人影は少ない。

  「あの、大丈夫ですか?」
 通りかかった人が、話しかけてきた。

  「大丈夫・・・・」
 しかし、よろける奈々。

  「ここ座って!」
  「・・・・」

  「ちょっと、待ってて」
 そう言いながら、その人は走り出した。

  「これ」
 差し出された濡れたハンカチとミネラルウォータ。

  「ありがとぅ・・・・」
 チラリと見えた横顔
  (あっ!こないだの・・・・ムカついたリーマンだ!)

  「あと、駅員に言っておいたから。もうすぐ来てくれると思う」

 そして、手を挙げながら、知らせる。
  「あっ!ここです!駅員さん」と。。。

 その人は駅員に、状況を簡潔に説明し
  「じゃ、後お願いしますね」と
 一言だけ残し歩き出した。

  (あ、名前聞いてない・・・・)
 と、奈々はまぶたを閉じながら
 駅員とか電車の音が遠くに聞こえていった。
 まるで、他人事のように。。。。



また、しばらくした日に。

父親が酔って帰って来た。
会社の人が、肩を貸しながら。

 迎えに出る奈々と継母。
  「ああああ!」
  「あっ!!」

 お互い驚きの表情。
 継母は、二人の表情に目をまるくする。

  「私、橋本俊之と申します。今日は些か飲みすぎまして・・・」

 継母は、とりあえず父親を寝室へと運ぶ。
 奈々は、俊之をリビングへ案内した。

 お茶を運んでくる奈々。

 俊之は意外そうに
  「あ、お茶なんて出せるんだ?」
  「このぐらいは・・・」

  「あの女子高生が、部長の娘さんだったとはねぇ」
  「なによ。悪い?」

  「あ、地が出た!あはは」
  「・・・・」

  「それはそうと、大丈夫だった?こないだ」
  「あ、私って気づいてたの??」
  「うん」
  「あ、あの、その節はありがとうございました」
  「いいの。いいの。大丈夫なら」

 しばし、沈黙。

 そして、俊之は静かに話し出した。
  「部長はね。あ、お父さんはね・・・・・」


  〜〜毎日、君の事、聞かされてるよ。
    俺に似ないでかわいいって。
    それと、母親を早くに亡くしちゃって、苦労かけてるし
    今の母親とも、うまくやれてないかなぁって、心配してた。

    忙しいばっかりに構ってあげられないし
    でも、どうやって構えばいいか判らないしって。

    だから、夜遊びとかで心配かけるなよ。
    すっごい心配してたぞ。帰りが遅いって。〜〜


聞き終わると、奈々は・・・・静かにうなずいた。

  「じゃ、俺、そろそろ帰るから」
  「ありがとうございました」

  「いえいえ。お茶、ご馳走さま」
  「それじゃ」
 と、玄関を出る俊之。


そして、自分の部屋。
 (パパったら、私のこと全然気にしてないと思ってた)
 (心配してくれてたんだなぁ〜)


 (あ!こないだのハンカチ、返してないや)
 (パパから、俊之さんの連絡先、教えてもらおっと!)
 (制服姿で、返しに行ったらびっくりしちゃうかなぁ??)

 なんて、洗立てのハンカチにアイロンを掛けながら
 頬を赤らめる奈々。

隣の部屋から、父親の「がぁ〜」っていう
イビキも心地よく感じながら・・・・。

コメント(4)

nanaさん
あ。。。同じお名前だったのですね。。。

それで多少シンクロしちゃったのかな?

ん〜〜。見透かすってことは、おいらはニュータイプかな??
(あ、ガンダム知らないと笑えないわ・・・汗)

以前、他の「お話」でも、同じようなことがあって
 「私の知ってる人なのでしょうか?」
なぞと、聞かれたことがありました^^;



読んで頂いたすべての人に
 「人って、まだまだ捨てたもんじゃないじゃん!」
って、微小な気持ちは込めてます・・・・。
nanaさん
接客は、昔、バイトで3年ぐらい経験があります。
慣れるまでがきつかった・・・・

苦手を克服する気持ちが、やっぱり大事なんだよね。

見習わせて頂きます。ほんとに。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

自作小説を発表〜! 更新情報

自作小説を発表〜!のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング