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エイズ孤児支援NGO,PLASコミュのエイズ孤児情報 Weekly News

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PLASでは世界の、とくにアフリカで発行されている新聞のHIV/AIDSやエイズ孤児に関連する最新ニュースを日本語に要約し、毎週水曜日に更新しております。是非ご覧ください!

http://www.plas-aids.org/blog/category/weekly-news-update

最新ニュースはこちらです。


********************

●【Weekly News】モザンビーク:僕は暗闇の中にいる
ロウリータ・フェルナンドの父親が遺したのは
泥を固めて造った小屋2軒と荒れ果てたトウモロコシ畑だけだった。
継母も2ヶ月のAIDS関連症候群に苦しんだ後に家を去った。

14歳のロウリータと11歳の妹ソフィアは
モザンビーク北西部の田園地帯、テテ州のチウタ地区に住んでいる。

この地区でのHIV感染率は17%。
昨年テテ州で無償ARVの配布が開始されたが、
チウタ地区ではHIV検査施設が2ヶ月前にできたばかり。
意識の欠如はスティグマの存在を意味し、大きな問題となっている。
本来ならば親族が手を差し伸べるところだが、HIV/AIDSの恐怖から以前のようにはいかない。

「私は今まで戦争でトラウマを受けた多くの子どもたちと接してきました」と
モザンビーク赤十字HIV/AIDS担当のボージスさんは言う。
「彼らは親族や里親に預けてこれたが、今回は違う。これは差別」と語る。

家族を養うのは困難

ロウリータとソフィアに手を差し伸べる親戚はいなかった。
それどころか1人の伯父は7人の従兄弟を通学に便利だからという理由で2人の家に住まわせた。
伯父は7人に食事を提供しているが、ロウリータとソフィアの分はない。

エイズ孤児は親が亡くなった時、彼ら自身で家族を養い、
兄弟の保護者にならなければならない場合がある。
事前の忠告にもかかわらず死期を前にした親が遺言状を書かないことも少なくない。

カストディオ・フリオ(16)の母は昨年7月に亡くなった。
間もなく父もトウモロコシ畑で倒れ、亡くなった。
この時からカストディオが3人の弟の面倒を見ることになった。

生活の心配よりも先に父親の葬儀費用を工面しなければならなかった。
彼は屋根に使われていた薄い鉄板を売り、友人から借金をした。
返済のためにトウモロコシ畑の一部を売却し、1月には貯蓄も底を突いた。
「何人かの友人が助けてくれるけど、いつも助けてくれるわけじゃない」と彼は語る。

カストディオや、同じように家族を養っている
他の子どもたちにとって、日々は食べ物を得るための争いと化す。
トウモロコシを買うために、多くの場合は唯一の財産であるヤギを売ったり、
通学を犠牲にして日雇いの仕事をしたり、森に入って野菜を探し回る。
食事は一日一食に限定される。

2006年9月、モザンビーク赤十字はこのような子どもたちを支援するために
HIV/AIDSによって影響を受けた家庭を対象に、トウモロコシ、調理油、石鹸などの
生活必需品を配給するプログラムを開始した。
地域リーダーによって選出された赤十字ボランティアは子どもたちを訪問し、
親の死やその後の生活で被った精神的なストレスの緩和に努めている。

カストディオを含む1,400人しかこのプログラムに登録していないが、
資金不足から、さらにその中の400人のみが配給を受けれている。
カストディオはまだ配給を受けていない。

未来が見えない

アルベルト・チャサッタの父親が亡くなったのは16歳の時だったが、学校に通い続けることはできた。
だが2006年11月に母親を失った時、19歳だった彼は未来も同時に失った。
長男だった彼が4人の弟、妹たちを養うことが必要になったからだ。
伯父や叔母は彼の助けには応じなかった。

10年生だったアルベルトが母親の死を知らされた時、彼は家から100kmの場所にある学校にいた。
テテ州ではごく僅かしか10年生まで進学しない。
彼はその後の進学も視野に入れていたが、
現在、彼は弟と妹たちの学費と食費を工面するために働いている。

他の多くのエイズ孤児やその地域に住む人々と同様に、アルベルトと兄弟はHIV検査を受けていない。
「受けた方がいいでしょうね」と彼は言うが、検査を受けに行くには一人$2必要になる。

おそらく彼は自分たちの状態を知ったところで何も変わらないと思っているのだろう。
「僕は暗闇の中にいる」と彼は言う。

「僕は独りなんだ」


原題: "I am in the darkness" - AIDS orphan
日付: March 15, 2007
出典: Integrated Regional Information Networks
URL : http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=70723



コメント(89)

http://www.plas-aids.org/blog/2009/07/weekly_newshiv_6.html

●【Weekly News】HIV感染移民に立ちはだかる差別の壁
〜UNAIDS(国連合同エイズ計画)運営委員会は移民の権利保護をもっと訴えるべき〜

国際機関、各国政府やドナーは、移民や移住労働者の人権を守り、彼らがエイズの感染予防と治療に取り組めるよう努めなければならない。6月22日にジュネーブで開催されたUNAIDS(国連合同エイズ計画)の事業調整理事会に先立ち、Human Rights Watch(人権NGO、以下HRW)は移民の人権に関する報告書を発表した。

移民への差別や人権侵害が彼らのHIV感染を広め、また治療やサポートを受けにくくしている。

HRW、保健と人権プログラムのディレクター、Joseph Amon氏は次のように話している。
「差別的な法律や政治活動は移民のHIV感染予防や治療を妨げ、ひいては世界的なエイズ対策をも脅かしている。HIV陽性者の治療ができないという事は、更なる感染拡大を招き、また治療薬に対する耐性ができてしまう可能性もある。それらは結果的に陽性者たちの早期の死を招くことになる」と。

世界では毎年数億人にも及ぶ人々が様々な理由から国内外への移住をしている。2006年の国連総会では、“エイズ予防・治療・ケア・支援プログラムを2010年迄に世界レベルで確立したい”とされていた。しかし多くの国では、HIVと共に生きる移住者たちが治療や支援を受けるのが難しいというのが現状だ。差別を助長するような法律や政治政策によって、HIV感染者の入国・滞在・居住を制限し、また彼らが治療を受けにくくしている。

国際機関、各国政府、ドナー、NGOは世界中のHIV感染移民・移住労働者たちが差別から開放され、また継続的に治療を受けられるよう、法改正や対策強化に協力して取り組まなくてはならない。報告書の中でHRWはこのように続けた。

出身国や市民権の有無などによってエイズの治療が制限される事はあってはならない。
そして、HIVに感染した移民たちを送還させる時、送還後も治療が継続できるかどうかを確認できるような方法も検討していく必要がある。

HIV/AIDSの感染が拡大してからというもの、HIV感染した移民たちが弱い立場に置かれていることはよく知られていたはず。 HRWのAmon氏は強調する。各国政府やドナーは、移民たちのHIV感染予防事業への参加や急を要する治療を受けることさえもできにくくしてしまっていたのが現実だ。2010年までの目標である"universal access” (誰もが感染予防や治療に手が届く状況)とは裏腹に、移民たちは差別や国外追放といった困難に直面している。


原題: HIV-Positive Migrants Face Deadly Barriers
日付: June 18, 2009
出典: Human Rights Watch
URL : http://www.hrw.org/en/news/2009/06/18/hiv-positive-migrants-face-deadly-barriers
http://www.plas-aids.org/blog/2009/08/weekly_news_34.html

●【Weekly News】南アフリカ:アフリカ初のHIVワクチン臨床試験が開始
アフリカで開発された初のHIVワクチン候補の臨床試験が
南アフリカの2ヶ所で開始された。

南アフリカ医療研究委員会の南アフリカエイズワクチン推進構想(SAAVI)は
8年間に渡りワクチンを開発してきた。
候補となっている2種類のワクチンには臨床試験のフェーズIが実施される。
これはアメリカ、ボストンでは12人のボランティア、
ケープタウンとヨハネスブルグでは36人の参加者が対象となる。

この臨床試験は国際HIVワクチン試験ネットワークの南アフリカ支部と
米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAIDS)の共同試験として行われる。
ケープタウン大学で開発されたこの2種類のワクチンは南アフリカで多くみられる
タイプのHIVに対応したもので、動物実験ですでに成果を上げている。

南アフリカ医療研究委員会会長のMBewu氏は今回の臨床試験の意義をこう語る。
「南アフリカではこの10年間、欧米で開発されたワクチンの試験をしてきたが、
今回は開発途上国で開発された、自国向けのワクチン試験が初めて実施されることになる。」

フェーズIが順調に進めば試験対象を約200人に増員したフェーズ?が実施され、
双方で結果が出れば、6年後にはワクチンが完成する見込み。

南ア政府は過去10年で2億5千万南アランド(およそ3400万USドル)を
HIVワクチン研究に投資している。
(訳:大島陸)


原題: Trial of Africa's first HIV vaccines underway
日付: July 23, 2009
出典: SciDev.Net
URL : http://www.scidev.net/en/news/trial-of-africa-s-first-hiv-vaccines-underway.html
http://www.plas-aids.org/blog/2009/08/weekly_newshiv_7.html

●【Weekly News】アフリカ、ゲイ男性間でHIV感染拡大
アフリカ諸国の同性愛の男性たちの間で、HIV感染率が上がっている。
Lancet(イギリスの医療雑誌)がアフリカの数カ国で実施した調査によれば、ゲイ男性のHIV感染率は一般男性に比べ10倍以上であることが明らかになった。

Lancetの調査レポートによると、ゲイに対する社会の偏見が彼らを孤立させ、彼らのリスクある性行動を助長しているということだ。さらに、HIV感染リスクはゲイの男性たちにとどまらず、彼らの女性パートナーたちにも及んでいる。感染をこれ以上拡大させないためにも、エイズに関する正しい知識と感染防止のための物資を、これまで以上に供給する必要がある。

オックスフォード大学の調査によると、サハラ以南のアフリカ諸国では、“文化的、宗教的、政治的に、ゲイ男性を社会の平等な存在として認めたくない”という考え方があり、それがゲイ男性間のHIV感染を拡大させているという。“同性愛者に対する根深い差別や敵対意識が彼らをますます孤立させてしまっている”、調査を指導したAdrian Smith氏は、BBCに対してこの様に話をした。

ゲイ男性同士の性交渉はHIV感染リスクがかなり高い、これは世界的にもよく知られている。ゲイの男性たちはそれに加え、金銭目的で性交渉をしたり、複数のパートナーと性的な関係をもったり、また、注射器を介した薬物を使用したりと、エイズ感染リスクの高い行動に染まりやすい状況にあるのだ。

教育の必要性

ブルンジ(アフリカ中東部の共和国)でゲイの権利保護を訴える活動家、George Kanuma氏はBBCに次の様に説明した。多くのゲイ男性は、結婚して子どもを持ちたいと考えるので、自分たちの性行動をパートナーの女性に隠したがる。そして結婚後も、それまで通り男性との性交渉を続ける場合が多い。

女性との性交渉でエイズや他の性感染症に感染する可能性があるという事は、彼らもよく認識している。しかし、男性同士での性交渉では感染リスクが低いと考えている男性も、実は多い。HIV感染拡大を食い止めるため、彼らにエイズの基本知識や予防方法を教え、また、コンドームなどの物資を供給する必要がある。さらに、二次感染を防ぐため、HIV感染者たちへの正しいエイズ知識の提供や治療、精神的なケアも緊急で求められている。

国連合同エイズ計画によると、全世界で3,300万人がHIVに感染している。その3分の2はサハラ以南のアフリカ諸国に集中しており、多くの国で、感染は拡大の一途をたどっている。
(訳:大場菜生子)


原題: Alarming Africa male gay HIV rate
日付: July 20, 2009
出典: BBC News
URL : http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8158469.stm
http://www.plas-aids.org/blog/2009/09/weekly_news_35.html

●【Weekly News】ウガンダ:エイズ患者、食糧不足で薬の服用も困難に
干ばつの被害を受けたウガンダ東部では、HIV感染者の多くが、HIV(エイズウイルス)の増殖を抑える抗レトロウイルス薬の服用を停止しようとしている。食糧不足が更に続けば彼らはやがて薬の服用をやめ、生きられなくなってしまうだろう。

災害・難民対策担当大臣であるMusa Ecweru氏はIRIN(国連人道問題調整事務所の報道部門)に対して次のように説明した。ウガンダ東部のTeso地方を調査したところ、この地域のHIV陽性者は“食事ができなければ抗レトロウイルス薬は服用できない”と考えており、食糧不足の今、彼らの多くが薬の服用をやめようとしているという。

長く続いた干ばつにより作物の多くが被害にあい、数千万人が飢えに直面している。ウガンダ東部、Amuria県代表であるOmax Hebron Omeda氏も、「こんなにひどい食糧不足は見たことがない。中でも大変な状況にいるのがHIV感染者たち。もし政府が早急に食糧提供をしなければ、大勢の人が死んでしまうだろう」と話している。

この地域に住むHIV感染者の一人、Julius Ochenは治療薬の服用をやめてしまったそうだ。何も食べずに薬を服用すると吐き気があり、具合が悪くなるからだという。他の住民も、これ以上食糧不足が続けば多くのHIV患者が栄養不足と病気の進行で死んでしまうのではないかと懸念している。

薬の副作用が強くても、HIV患者たちには薬を飲み続けてもらいたい。地元NGOもこのように強調する。食事をしないで薬を飲むと体調不良を訴える人が多いのは事実。でも、薬を飲んだ方がエイズの進行を遅らせることができるし、より長く生きられるのもまた事実なのだ。保健省のHIV/AIDS対策プログラム主事、Zainabu Akol氏 も同様に、HIV感染者に対して“薬の服用を続けるように”と警告している。

栄養不足はHIV陽性者たちの免疫力をも弱めてしまう。それによりエイズの発症を早めたり、抗レトロウイルス薬を服用できない段階まで病状が進行したりと、HIV感染者は食糧不足による影響をとにかく受けやすいのだ。 十分な食事は薬の副作用を和らげ、患者たちの薬の服用を後押しする。

ウガンダ政府はおよそ1千万ドル分の食糧を被害が深刻だったTeso地方に提供したが、まだまだ足りていないという。地元メディアによると、5月以降この地域では、40人以上が飢えが原因で亡くなっているそうだ。Ecweru担当大臣は、抗レトロウイルス薬を服用するHIV陽性者たちには特に食糧が届くように保健省と話し合いを進めているというが、食糧が行き渡るにはまだ時間がかかりそうだ。

ウガンダの北部と東部の17県は干ばつの被害が最も深刻だ。その他の35県も被害を受けており、干ばつの被害と食糧不足は広がり続けている。
(訳:大場菜生子)


原題: Hungry HIV-positive patients abandon ARVs
日付: August 18, 2009
出典: IRIN PlusNews
URL : http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=85757
http://www.plas-aids.org/blog/2009/10/weekly_newsunaids.html

●【Weekly News】UNAIDS、同性愛者のエイズと人権問題について提言
UNAIDS (国連合同エイズ計画)の事務局長、Michel Sidibe氏は、9月にワシントンD.C.で開催されたHIV、人権問題、同性愛者に関するフォーラムに参加した。社会的性的弱者(同性愛者含む)に関する政策を検討する作業部会に加え、アメリカの下院議員2名らも参加した。

世界のいたるところに差別的な政治政策や社会的偏見が存在する。そのため、同性愛者やその他の社会的性的弱者がHIV感染防止や治療などの支援を受けるのは依然として難しい。この問題に正面から立ち向かい、2010年までの目標である"universal access” (誰もが感染予防プログラムや治療に手が届く状況)をなんとしても実現させたい、Sidibe氏はフォーラム開催に際してこのように強調している。

会議では次のようなことも話し合われた。同性愛者のHIV感染拡大が世界中で叫ばれる中、米国の政策決定者やエイズ関連団体は、PEPFAR(米国大統領によるエイズ救済緊急計画)支援対象国における“同性愛者のエイズ問題”にどのように向き合うことができるのか。そして、同性愛者のHIV感染予防のために、どのような方法でサポートするのが適切なのか。同性愛者のHIV感染拡大は、エイズ問題について議論する上で今や目を背けることのできないくらい重大な課題なのだ。

UNAIDSによると、国によってその比率に差はあるものの、世界のHIV感染者の5〜10%はコンドームを使用しない男性同士の性行為によるものだという。この感染経路は先進国に顕著なHIV感染ルートである。

世界中の多くの地域で同性愛はタブー視されている。そのため多くの同性愛者は自分たちの性行動を隠してしまい、彼らの女性パートナーたちをもHIV感染リスクにさらしてしまっているのだ。“同性愛者へのエイズ関連支援は彼らのHIV感染率を下げている”という調査報告もある。しかし、社会的偏見や差別が存在するために、“同性愛者だと気づかれたくない”との思いから支援を受けるのを拒む人も多いという。

HIVに関するフォーラムは以前から開催されているが、同性愛者のエイズ問題をテーマにするのは今回が初めてだった。10月、UNAIDSとその協力機関は、同性愛者、薬物注射使用者、性労働者などHIV感染リスクの高い人たちに焦点を当てた話合いの場を設ける考えだ。10月15日には性労働者に関する政策会議も開催される予定。差別などから社会的に厳しい立場に置かれている人々にも、人間としての権利が等しくある。その事実を、今一度認識するべき時がきているようだ。
(訳:大場菜生子)


原題: UNAIDS Forum on HIV, Human Rights and Men Who Have Sex with Men
日付: September 17, 2009
出典: UNAIDS
URL : http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/FeatureStories/archive/2009/20090917_MSM_Forum.asp
http://www.plas-aids.org/blog/2009/11/weekly_newshiv_8.html

●【Weekly News】マリ:親を失い、HIV感染した子どもたち
アフリカ北西部にあるマリの首都、バマコにあるGabriel Toure病院。祖母と思われる女性たちが、病院の遊び場で子どもたちと一緒に診察の順番を待つ。祖母たちは、自分たちの子どもをエイズ関連の病気で亡くし、HIV感染した孫たちを病院に連れてきているのだ。この病院でエイズ治療を受けている子どものおよそ60%が、両方、又は片方の親を亡くしているそうだ。

今年61歳になるAminata Soumaoroもその一人。自らの子どもをエイズ関連の病気で亡くし、HIV感染した孫の世話をしている。彼女の娘は妊娠3ヶ月で他界、娘の夫も病気で大変な状況にあった。小さな体で産まれた孫はかろうじて生き延び、大きくなった。彼女は「自分の娘を失ったように、この子は失いたくはない。」と考え、治療費を捻出。経済的に困難な状況にありながらも、孫にエイズ治療を受けさせることにした。

この病院の小児科医であり、エイズ治療に精通しているAnta Koita氏は次のように話している。「祖母たちは、親を亡くした子どもを育てていくことに戸惑うことも多い。それに、エイズやその治療に関する知識も乏しい」。HIV感染した子どもたちの体はどういう状況にあるのか、治療を継続しなかったらどうなるのか、などを知る者は多くない。

この病院で抗レトロウイルス治療を受ける935名の子どものうち、定期的に病院に通っているのはおよそ半数。マリ厚生省によると、これまでにマリで抗レトロウイルス治療を始めた子ども1,428名のうち約3分の1は治療をやめてしまっているそうで、その理由は様々だ。小児科医であるAnta Kota氏は、「HIV感染が発覚した時点で家から追い出されてしまう子どもも多い」と言う。また、例え追い出されないにしても、金銭的に治療が続けられない場合もあるようだ。

エイズや治療に関する知識が浸透していないのは課題の一つ。抗レトロウイルス薬は一旦服用を始めたら定期的に服用しないとその効果が薄れてしまう。薬の誤った服用により、その効果を実感できない人も少なくない。HIV感染者たちが薬を手に入れることができたとしても、必ずしも“効果がでている”とは言えないようだ。治療薬と服用に関する正しい知識を広めることは必要だ。

ユニセフ協力の下、マリ政府は、エイズ治療ができる場所をこれまで以上に増やし、遠くから都市部の病院に通う感染者とその家族の肉体的、精神的負担を減らすようにしている。また、一般の小児科医にもエイズ治療の方法を教え、より多くの小児科医が子どものエイズ治療をできるように訓練している。HIV感染した子どもとその家族が社会的、精神的サポートを受けられるよう、マリ政府は対策を進めている。
(訳:大場菜生子)

原題: HIV-Positive Children 'Missing' From Health System
日付: October 14, 2009
出典: IRIN News
URL : http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=86570
http://www.plas-aids.org/blog/2009/11/weekly_news_36.html

●【Weekly News】ケニア:緊急避妊薬普及でコンドームを使用しない若者たち
ケニア政府が緊急避妊薬を家族計画政策の一環として推進し始めて3年。一般市民たちがその使用目的を正確に理解していないという課題が浮き彫りになっている。この薬の普及はコンドームを使用しない性行為を助長することになり、若者たちはますますHIV感染のリスクにさらされている。

ケニア政府によるthe Abstinence and Worth the Wait programme(禁欲と性モラルに関するプログラム)のコーディネーター、Anne Muisyo氏は次のように話している。「性行為に関して10代の若者たちが気にしているのは、HIVやその他の性感染症のことではない。若者たちの関心は“妊娠するかどうか”ということにある」。緊急避妊薬は、“使用すれば妊娠の確率を下げられる”との考えから、若者の“コンドーム未使用の性行為”を助長しているのだ。

ケニア職業能力開発大学の学生、Jack(仮名)はコンドーム使用について次のように話している。「いつもコンドームを持っているわけではない。コンドームを使わなかった場合、翌日緊急避妊薬を買えるように女性に少しお金を渡すよ」。同大学に通う別の学生も、「パートナーとの性行為にコンドームは使わない。緊急避妊薬が安く手に入るという安心感はいつでもある。」と話す。

政府は“緊急避妊薬は必ずしもコンドームの代わりにはならない”と強調するが、正確な認識はなかなか定着しない。確かに、緊急避妊薬で妊娠の確率は下げられるかもしれないが、HIVを含む性感染症への感染は防げない。ケニア厚生省のShahnaaz Sharif氏は、「コンドームなら妊娠と性感染症への感染の両方を防ぐことができる。」とし、コンドーム使用を強く勧めている。

家族計画に関するNGO、Family Health Internationalの地域医療アドバイザー、Marsden Solomon氏は次のように話す。「性交渉において多くの若者が気にするのはやはり“妊娠するかどうか”ということ。これは経済的にも精神的にも影響力が大きいからだ。そのため、コンドームは使わないけれど緊急避妊薬を使って妊娠への不安を取り除こうとする。この時、“コンドームを使用しない=HIVや他の性感染症に感染する可能性がある”という事実はほとんど認識されない」。

調査によるとケニアでは望まない妊娠も増えているようなので、やはり緊急避妊薬はこれからも普及させていくべきだとSolomon氏はいう。ただ、緊急避妊薬とコンドーム、それぞれの使用目的への理解が広まらない限り、ケニア国民の性感染症へのリスクは高まる一方である。
(訳:大場菜生子)


原題: More education needed on emergency contraception
日付: November 18, 2009
出典: IRIN Plus News
URL : http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=86953
http://www.plas-aids.org/blog/2009/12/weekly_newshiv_9.html
●【Weekly News】イギリス:止まらないHIV感染

HIVと共に生きる人々がイギリスで増え続けている。
しかしながらその4分の1以上の人がそれを自覚していない現状が
英国健康保護局(HPA)の最新調査から分かった。

HPAは年次報告で、2007年からの一年間でHIVの推定感染件数が8%増加したと記している。
国内の推定感染者83,000人のうち、22,000人がHIV感染を認識していないと報告している。
また、HIV感染者数は引き続き増加の傾向にあるとの見解を示し、
これには医療技術の進歩でHIV陽性でも生存率が上がったこと、
さらにHIV検査の受診件数も2008年は前年に比べ10万件増加していることを理由として挙げている。

2008年は7,300人の新規感染が報告された。
感染者の内訳を見てみると、前年に比べゲイ/バイセクシャル男性の新規感染数は減少したものの
感染リスクが非常に高いグループであることに変わりはなかった。
この新規感染のうち、58%は異性間との性的接触が濃厚とみられ、
その3分の2を占めるアフリカ出身者は国外で感染した可能性が高いという。
そして、国内の異性間感染も増加傾向にある。

HIV検査の重要性

HIV感染率が全国平均より高い43の地方自治体においては
医療従事者が定期的に患者に検査受診を促すことが必要ではないか。
HPAでHIVを専門としているDelpech医師は次のように話している。
「HIV感染は深刻ですが、早期発見ができれば効果的な治療方法が存在します。
問題視すべきは22,000人もの人々が感染を認識せず、治療の恩恵を受けられずにいるということ。
これからもコンドーム使用の呼びかけなど、セーフセックスのメッセージを発信し続けることが必要ではないでしょうか。」

また、National AIDS Trustの最高責任者、Deborah Jack氏は現状をこう語っている。
「ゲイ男性の感染のほかに、イギリス国内では異性間感染も増えつつある。
1つの感染を防ぐことで多くの人々を守ることができるはずが、
この10年間、エイズ問題が政治的にたな晒しにされ続け、
地域レベルでのHIV感染予防活動が縮小した結果ではないだろうか。」
(訳:大島陸)


原題: UK HIV cases 'higher than ever'
日付: November 27, 2009
出典: BBC News
URL : http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8382787.stm
http://www.plas-aids.org/blog/2009/12/weekly_newshiv_10.html
●【Weekly News】ケニア:HIV検査で感染拡大を防ぐ

11 月、ケニア政府は、国内全土で少なくとも100万人以上の国民がHIV検査を受けられるようにと、3週間にわたりエイズキャンペーンを推進した。政府は、 “2010年6月までに1,000万の国民がHIV検査を受ける”という目標を掲げている。11月に行われたキャンペーンはその第一歩であった。

The National AIDS and Sexually transmitted infection Control Programme(エイズとその他の性感染症に関するプログラム)の代表、Nicholas Muraguri氏は次のように話している。「HIV検査は陽性者にとっても陰性者にとってもいい影響を与える。検査結果が陽性だった人は、自分がHIV 感染していることを知ることができ、治療や精神的ケアを受けようとする。また、検査結果が陰性だった人たちも、HIV感染しないように気をつけるようになる」。

2007年の調査によると、80%のHIV陽性の大人たちは、自分たちがHIVに感染していることを認識していないという。“あなたには、今のあなたを知る権利がある。”と銘打たれたこのエイズキャンペーンはケニアの首都、ナイロビから始まった。

Muraguri氏は「このキャンペーンは全ての世代をターゲットとしている。若い世代の感染率は特に上がってきている。また、“自分たちは大丈夫”と思っている中高年にも感染の可能性がある。既婚者の50%さえも新たに感染していると言われている」と話し、誰にでも感染のリスクがあることを強調している。「このキャンペーンで多くの男女がHIV検査を受け、自らのHIV感染の有無を知れば、胎児や乳児のHIV感染さえも防ぐことさえできる。」とし、検査の有効性が大いにあることを訴える。

とにかく、誰にでもHIV感染の可能性があることを認識してもらい、まずは検査を受けてもらう。それがひいては国内のHIV感染拡大を防止することに繋がる。ケニア政府は、国民がHIV検査を受けられるよう対策を進めている。
(訳:大場菜生子)


原題: New drive aims to test one million in three weeks
日付: December 9, 2009
出典: IRIN News
URL : http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=87192
http://www.plas-aids.org/blog/2010/02/weekly_newshiv_11.html
●【Weekly News】ジンバブエ:教育現場の現状、HIV感染者への差別

7歳になる少女、メモリーはHIVに感染している。メモリーの祖母は、“彼女は十分学ぶ程生きられない”と考え、学校を辞めさせようかと思っていた。HIV 感染が原因で、メモリーは学校で差別を受けている。担任の先生からもばかにされるようになったようで、学校に行くことが彼女にとって本当に価値のあることなのかと考えてしまうそうだ。

ジンバブエでは、12万人の子どもたちがHIVに感染していると言われている。学校の先生たちは、HIV流行の最前線にいると言っても過言ではない。しかしながら、国家エイズ評議会の調査によると、学校の先生たちは特に訓練を受けているわけでもなく、エイズやエイズ治療薬使用などについての知識が乏しいようだ。また、HIV感染した子どもたちの心と体をどの様にサポートすればよいのかもわからないということだ。メモリーの直面する現実から見ても、このことは明らかだ。

HIV陽性の生徒が教育現場でどの様な扱いを受けているかは、これまで見過ごされてきた。ジンバブエの首都にあるUNESCO(ユネスコ)のHarare事務局は、高等教育省と協力して教育者のためのHIV/AIDSマニュアルを作成した。

このマニュアルは、今年1月から、教育者を養成する学校のカリキュラムに取り入れられている。既に働いている先生たちにも同様にして配られ、また、HIV/AIDS理解のための特別なプログラムやワークショップも行われる予定だ。

高等教育省の事務次官、Washington Mbizvo氏は、「HIV/AIDSと闘う際、教育者が果たす役割は大きい」と言う。HIV感染拡大を防ぎ、HIV感染者たちをサポートする取り組みの中で、教育者たちが学校現場でできることは多く、影響力もとても大きい。ユネスコの現地代表、Soo Hyang Choi氏もこの様に強調する。

メモリーのHIV感染は、小学校に入学した2005年に判明した。祖母と親戚は地域の支援団体のサポートを受けたので、メモリーは感染の事実を受け入れることができたし、それまでと変わらない生活をしていけると信じていた。でも、学校での差別が彼女の生活に影を落としている。学校のほとんど全ての生徒がメモリーのHIV感染を知っている。先生もメモリーのことを重大な犯罪者のような目で見る。このような状況は、国全体の多くのHIV陽性の生徒が経験しているようだ。

今年から使用されるようになったHIV/AIDSに関するマニュアルには、HIV/AIDSに関連する基本的な情報や性のこと、そして、HIV陽性の子どもたちをどの様にサポートすればよいかが書かれている。Women’s Comfort Corner(女性のための草の根NGO)の代表、Rita Mbatha氏も、このマニュアルが活用されることを大いに期待している。

Mbatha氏は次のように話す。「教育者はHIV/AIDSと闘う上でとても重要な役目を果たす。“HIV感染した生徒に対して先生がどのような態度をとるか”は、生徒たちの手本にもなる」。ひいてはそれが、その地域における“HIVとHIV陽性者に対する態度”を決める場合もある。それ位、教育者の行動は生徒と地域社会に影響力があるということだ。

Mbatha氏は、作成されたマニュアルが“HIV陽性の子ども・保護者・先生を結ぶ重要な鍵”になってくれると信じている。HIV感染した子どもたちが、感染の事実を知る前と変わらない生活ができるよう、そして他の子どもと同じように通学できるよう、学校と地域は協力してサポートしていかなければならない。
(訳:大場菜生子)


原題: Training Teachers to Cope With HIV-Positive Students
日付: January 15, 2010
出典: all Africa
URL : http://allafrica.com/stories/201001150884.html
http://www.plas-aids.org/blog/?p=439
【Weekly News】タンザニア:家族計画とHIVケアは一緒に

タンザニアで行われている家族計画に関するプロジェクトでは、地域のヘルスワーカーがHIV陽性の男女を対象に、家族計画と同時に望まない妊娠やHIVの母子感染をどう防ぐか、などを教えている。

首都、ダルエスサラームでコミュニティヘルスワーカーとして働くMargaret Mapundaは次のように話す。「私の知るカップルの多くは避妊の方法を知らず、社会の目を気にするためか誰かに聞くこともほとんどない。多くはHIV に感染している。HIVの母子感染も心配されるところだが、出産はとりあえず、伝統的な方法でお産を手助けする地域の産婆のところへ行く人が多い」ということだ。

2009年のとある研究によると、家族計画のカウンセリングは、望まない妊娠やHIV感染拡大を防ぐ意味でもとても重要。HIVテストを実施するクリニックなどが行えば、HIVケアも同時に行えるのでなおいいという。2009年のユニセフのレポートによると、タンザニアでは毎年13万人にも及ぶ HIV陽性の女性が妊娠している。

Pathfinder International(家族計画に関するNGO)による2008年の研究によると、“お産の手助けのみでなく、家族計画やHIVのカウンセリングも同時にしたい”と考える産婆も多いという。ただ、適切な訓練を受けていないからできないのだそうだ。

同NGO、Judith Rwakyendelaは産婆の存在の大きさを次のように話す。「地域でお産の手助けをする産婆は、HIV陽性者と接する機会が、実は誰よりも多いのかもしれない」。彼女たちは妊娠したHIV患者にとって一番近い存在だから、産婆が家族計画やHIVの母子感染についての話もできれば、妊産婦にとってもよいのではないか。

ダルエスサラームで生活するとある夫婦は、5人の子どもをもつ。政府の管理する病院では費用がかかるから、地域の小さなクリニックで出産してきたという。彼らは今、ヘルスワーカーのカウンセリングを受け、避妊をしているそうだ。

この例から見ても、地域のクリニックや産婆、ヘルスワーカーは、地元の人にとって身近な存在だと言える。家族計画・出産・HIVカウンセリングなどを総合して引き受けられる存在があれば、HIVケアの実施や、HIV感染拡大を防ぐ意味でもとても大きな役割を果たすと考えられる。

ヘルスワーカーのMapundaは“家族計画やHIVケアを考える時、男性の協力も必要だ”と強調する。 HIV感染の事実を夫に伝えず、夫に知られないようカウンセリングを受けにくる女性も多いそうだ。夫がHIV感染しているかを知らない女性も多い。 HIV/AIDSがまだまだ社会できちんと理解されていない今、男女共に、家族計画の相談やお産、HIVケアが総合的に受けられる存在や仕組みがあるといい。大きな挑戦だが、できることからやっていくしかない。Mapundaは決意を新たにしている。
(訳:大場菜生子)

原題:Merging family planning and HIV services
日付:March 1, 2010
出典:IRIN News
URL:http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=88263
http://www.plas-aids.org/blog/?p=531
【Weekly News】東アフリカ:国境を越えたHIV対策を

East African Community(東アフリカ共同体)に加盟している5カ国(ブルンジ、ケニア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダ)が、5カ国に共通のHIV関連法案を 検討している。この法案は、近隣諸国を行き来する機会の多い人たちが、どの国にいても同じようにHIVサービスが受けられるような最低限の基準を設けるこ とを目的としている。

The East African Common Market(東アフリカ共同体共同市場)が今年6月から始動する。5カ国であわせて1億2600万人がHIV感染拡大の危機にさらされている今、国境を 越えた法とサービスを確立する必要がある。

協議されている法案には、HIVに関して“人間の基本的な権利は守られるべきだ”という考え方が、基本的にはある。ただ、残念なことに、法案の最新 の草案では、性労働者・男性の同性愛者・注射器を使った麻薬常習者など、感染リスクの高い人たちに関しては触れられていなかった。

全ての人の人権やプライバシーが守られなかったり、全ての人が平等にHIVサービスを受けられないような法案は認められないとして、活動家たちも声 を上げている。

法案は東アフリカ立法議会に提出され、4月から始まった協議でさらに話し合われている。法案が成立されれば、今後各国の事情に合わせたHIV関連の 法整備を進める上でも参考にすることができる。また、例え成立されなかったとしても、今回の話合いが無駄になることはない。ヘルスケアや人権問題がいかに 大切かということが東アフリカ共同体にも印象付けられただろう。

各国において、そして地域全体において、全ての人が平等にHIVサービスを受けられるような法整備がなされることを期待する。その試みは、まだまだ 始まったばかりだ。
(翻訳:大場菜生子)

原題:One region, one HIV law
日付:March 31, 2010
出展:IRIN News
URL:http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportId=88635
http://www.plas-aids.org/blog/?p=550
【Weekly News】ソマリア:学校でエイズ教育を

HIV/AIDSを正しく理解してもらうための新しいプログラムが4月にスタートした。ソマリア北西部にあるソマリランドの、およそ800人の小中学生が対象だ。

Somaliland Health and Social Care Organization(SOHASCO)、ソマリランドで活動する組織の事務局長、Mohamoud Hassan Abdillahiは次のように話す。「子どもの年齢は7歳から19歳と幅広い。当然、ほとんどの子の性行動はまだ活発でない。でも、子どもたちはすぐに HIVのリスクにさらされる世代になる。それに、私たちからのメッセージを各家庭にも持ち帰ってくれる」。

HIV/AIDSの正しい情報を伝えようとする人たちは、賞賛されることもある。しかし、地域の大人たちの多くはあまり喜ばない。子どもたちが小さい頃から、性に関するあらゆる事を知るようになってしまうと考えるからだ。

子どもを持つ親の心境も複雑だ。Ali Jama Abdiも次のように話す。「子どもたちがHIV/AIDSについて教えられるのは嬉しくない。イスラムの世界では、ある一定の年齢に達すれば、リスクある性行動はしてはいけないと教えられるのが普通。それに、子どもたちが、性に関する多くを知ることは、イスラム教では許されていないから」。

SOHASCOがHIVの感染経路を説明する時、HIVは“不法な”性行為によって感染するとか、“不道徳”、“不貞”といった言葉を使用するので、それは時に、HIV感染者を非難する形になってしまう。でも、宗教色が強くて保守的なソマリランドでは、そのような言葉を使って説明しないとエイズ教育は受け入れられない。SOHASCOとしては、“HIV感染者は不名誉”だという印象を軽減していきたいところなのだが。

SOHASCOによると、教育現場の先生たちはエイズ教育の難しさを訴えている。「感染の危険から子どもたちを守るには、エイズ教育は必須。先生方もHIV/AIDSを知っているが、どう教えるかということに関しては、手探り状態が続いている」。

ソマリランドの国立エイズ委員会によると、現在エイズ教育の授業計画が検討されており、今年中にはその草案が発表されるようだ。

ソマリランドのHIV感染率は現在1.4%と言われている。今後感染が拡大する可能性もあり、教育現場でのエイズ教育の重要性が見直されつつある。
(翻訳:大場菜生子)

原題:HIV education goes to school
日付:April 15, 2010
出展:IRIN News
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=88829
http://www.plas-aids.org/blog/?p=555
【Weekly News】スイス:世界HIVワクチンデーとワクチン開発

国際的に認知されつつある、5月18日の「世界HIVワクチンデー」にちなんで、UNAIDS(国際連合エイズ合同計画)の事務局長がHIVワクチンについてのコメントを発表した。HIVの感染拡大に歯止めをかけるためにも、ワクチンの開発に対する期待は大きい。

2009年にタイで行われたHIVワクチン投与に関する試験では、全体の31%が感染リスクを防ぐことができるという結果がでている。安全で効果的なHIVワクチンの開発に対してはより一層の期待がかかる中、世界各国の有識者・研究者たちは、安全かつ効果的なワクチンの研究・開発に取り組んでいる。開発への道のりは困難も多く、課題もたくさんあるため、先進国と開発途上国が協力して取り組んでいかなければならない。

UNAIDSはHIVワクチンの研究・開発に向け、関連機関と協力のもと、さらなる努力を重ねていくとしている。2008年には新たに270万人のHIV感染が報告されており、HIV感染拡大防止のための更なる対策の必要性が叫ばれている。また、世界の誰もがHIV感染防止の方法を知ることができ、治療・ケア・サポートを受けられるようにしていかなければならない。

世界では今、“2人”がHIV治療を受けられるようになった時、新たに“5人”がHIVに感染している。適切な治療が受けられる人はまだまだ少なく、そしてHIV感染は広がるばかりだ。世界中にいるHIV感染者の全てにケアが行き届くように、そして新たな感染をできるだけ防ぐように、引き続き活動していく必要がある。
(訳:大場菜生子)

原題: International HIV Vaccine Day
日付: May 18, 2010
出典: UNAIDS
URL: http://www.unaids.org/en/KnowledgeCentre/Resources/PressCentre/PressReleases/2010/20100518_PS_IntVaccineDay.asp
http://www.plas-aids.org/blog/?p=606
【Weekly News】アフリカ:ワールドカップ開催、HIVキャンペーンも

2010年FIFAワールドカップが南アフリカで開催され、世界中の視線がアフリカに注がれる今、アフリカ全土でHIV/AIDSに関するキャンペーンが行われている。

様々なプログラムがあるが、そのうちの一つ、“Brothers for Life”は、国際的にも有名なサッカーのスーパースター、フランス代表のティエリ・アンリ選手やアルゼンチン代表のリオネル・メッシ選手らも協力。南アフリカの各地で、ラジオ、CM、野外広告、パンフレットなどを通して、「自律と勇気ある態度でHIV感染や女性への暴力的行為を防いでいこう」と、若い男性たちに訴えかけている。

カメルーンとガーナの貧しい地域では、ソニー、UNDP(国連開発計画)、JICA(国際協力機構)の連携の下、ワールドカップ20試合のパブリックビューイングが行われ、同時にHIV検査やHIV予防の啓発活動も行われている。多くの若者が気軽に集まれるよう、試合の観戦に加え、参加型のサッカーゲームを行うところもある。

ケニアではThe National AIDS and Sexually transmitted infections Control Programme(エイズ・性感染症対策プログラム)が国内3ヵ所に試合観戦用スクリーンを設置。そこでは、他のNGOとも協力してHIV検査やカウンセリングも行われている。ワールドカップ期間中、1日33,000人以上の検査受診を目標にしている。

FIFA(国際サッカー連盟)も、サッカーを通じて子どもたちの教育や健康問題の解決を目指す「フットボール・フォー・ホープ・センター」をアフリカ中20ヵ所に設立。特に、伝染病が蔓延したり、様々な支援が必要とされている地域に設立されていて、若い人たちがHIVやその他感染症から自分を守れるよう情報提供を行っている。

アフリカだけではなく、インターネット上でも様々な企画が実施されている。ホームページで様々な立場の人がHIV/AIDSについて意見を交わせる機会を提供する国際協力団体もある。アフリカにとっては「HIV/AIDSを正しく理解する機会」が、そして世界にとっては「HIV/AIDSを含めたアフリカの現状を知る機会」が今与えられている。
(翻訳:大場菜生子)

原題: World Cup HIV campaigns
日付: June 25, 2010
出典: IRIN News
URL: http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=89517
http://www.plas-aids.org/blog/?p=749
【Weekly News】ミレニアム開発目標 首脳会合:エイズ対策、何が必要か

先月国連本部で行われた「ミレニアム開発目標(以下MDGs)」に関する首脳会合。

保健分野を担当する国連職員も参加し、“エイズ対策が波に乗りつつある今、継続的な途上国支援をすることで、2015年までにはHIV/AIDSの感染拡大は収まってくるのではないか”との意見が出された。

「HIVの母子感染防止」はとても重要な課題。「乳幼児死亡率引き下げ」「妊産婦の健康状態改善」「エイズ/マラリアなどの蔓延防止」など、MDGsの8項目のうちの3項目の達成とも深く関係する。

MDGsが宣言されてから10年が経過した。HIVに感染した妊婦全体の中でどれ位の人数が抗レトロウィルス薬による治療を受けられたか。近年のリサーチによると、2007年は約35%だったのに対し、2008年は約45%と、対策の効果が見られる部分もある。しかし、エイズ対策が必ずしも十分だったとは言いがたい。

「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」は、HIV母子感染防止をより現実的なものにするためには、今後3年間で13〜20億ドルが必要との見解を示した。フランス、カナダ、ドイツ、ノルウェーなど、各国が資金提供を表明するも、必要とされる額に至るには10億ドル以上が不足。アメリカも、今後も資金提供を続けるとしたものの、今回の首脳会合では具体的な増額に関する発言はなかった。

ただ、ユニセフのHIV/AIDS分野でのトップ、Jimmy Kolkerは、資金面以外でも改善すべき課題がたくさんあると言う。“課題は山積。HIV検査を受ける妊婦がまだまだ多くないことや、検査を受けても結果を聞きに来ない人も少なくないこと。薬を持ち帰ってもしっかり服用しない人。妻がHIV陽性でもHIV検査を受けない夫・・・。”エイズ対策を充実させるためには、資金面でのより一層の支援に加え、各ターゲットに対するより積極的かつ効果的なアプローチが必要のようだ。
(訳:大場菜生子)

原題:MDGs:Donors hold key to HIV-free generation
日付:September 23, 2010
出典:Plus News
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=90558
http://www.plas-aids.org/blog/?p=805
【Weekly News】ケニア:結婚した青年期の少女へのHIV予防

西部ケニアで14‐24歳の結婚している青年期の少女たちに向けた、HIV/エイズなど保健に関するプログラムを、NGO – Programme for Appropriate Technology in Health (PATH)が実施している。これは、従来のHIVプログラムから除外された青年期の少女たちに、HIV/エイズや避妊のようなリプロダクティブヘルス、カップルカウンセリング、経済的自立を得るための所得創出活動、家族計画の情報提供といったサービスを提供している。

「結婚した若者の女性は、その多くが騙されやすいだけでなく、性暴力に直面しているので、HIV感染のリスクが高い。また、多くが複婚集団に属し、セーフセックスを交渉することができない。というのも、彼女らは交渉するスキルを持っておらず、自分たちよりもはるかに年上と結婚しているからである。これはパートナー同士のコミュニケーションを妨げる」と、PATHのパートナー団体(APHIA II)プログラムオフィサーの Pamela Odolo氏は述べる。また、青年期の少女たちのHIVへの脆弱性に関する報告書の著者、Judith Bruce氏によると、結婚した青年は、同年代の仲間とほとんど接触を持たず、社会階層における流動が限られ、低い教育レベルであり、メディアや保健メッセージへもアクセスに制約がありがち、と述べている。

PATHのプログラムは、西ケニアの4万5千人以上の青年期の少女に届いていている。その際に、「メンター」(助言者)が活躍するが、メンターは地域社会から尊敬されている女性であり、カップル間のコミュニケーションやカウンセリングのスキルを身につけている。メンターは、若い女性たちの夫や家族に、彼女たちが仲間の集まりに参加するのを認めるように説得したり、病院に付き添う役割を担っている。
しかし、プログラムのターゲットとなっている人々は、多くの子どもをもつことを奨励する文化を持っているので、家族計画等の変化がいつも受け入れられるわけではない。だが、ゆっくりながらも、PATHのプログラムは家族計画サービスやカップルのHIVカウンセリングとテスト、ヘルスワーカーが介助する出産への理解を著しく高めてきている、とOdolo氏は言う。Odolo氏によると、プログラムのすべての少女たちとそのパートナーは、テストを受け、授乳について学ぶほか、家族計画を採用してきている。また、保健制度での分娩が増加している事例は、HIVの母子感染予防を猛烈に促進させている。

(翻訳:中村 麻友)

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原題:KENYA: HIV prevention for married adolescents
日付:15 October 2010
出展:Plus News
URL: http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=90775
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http://www.plas-aids.org/blog/?p=808
【Weekly News】南アフリカ:多くの病院でHIVに感染した乳幼児の治療体制が不十分

クワズルナタル州は、HIV/エイズが蔓延している南アフリカ共和国の中でも特に感染率が高い地域である。しかし、医療施設を対象に同国政府とウィットワーテルスランド大学の母子保健研究科(MatCH)が実施した調査によって、州の約3割の病院がここ数年間HIVに感染した乳幼児に抗レトロウイルス薬(以下ARV)の処方を全く行っていないことが分かった。

MatCHは、同州にあるダーバン市の主な病院10施設を対象に、過去3年間ARVを処方されている15歳以下の子どもの数をARV登録記録と州政府が定期的に報告している統計を基に調査。結果、10ある病院のうち3施設はHIV陽性の乳幼児の処置を行った記録がなく、2施設は11人またはそれ以下の乳幼児にしか薬を処方していないことが判明。

「ARVが必要な子どもは多くいるが、彼らにARVが行き渡るための努力はほとんど行われていない。」とMatCHの研究員、ラビカンティ・ラピティ氏は話す。市のテクウィニ地区にはおよそ93,000人のHIV陽性の子どもが存在するそうだ。

2008年に同国が取り入れたARV治療法は、母子感染率を5%まで下げることが可能だ。しかし、先ごろ同国政府が提出したHIV/エイズ戦略計画の経過報告によると、HIV陽性の母親を持つ乳幼児のうち約40% が、母子感染予防の体制不備のため、感染のリスクにさらされている。また、近年改定された同国HIV 治療指針によれば、ARVの服用はHIVに感染している全ての1歳未満の乳幼児に適切な処置であり、UNICEFは服用しない場合3分の1の乳幼児が1歳を迎えないまま亡くなってしまうと発表している。

本調査は、HIV陽性の子どもとHIV治療の間にある大きな2つの壁である、医療従事者の同国HIV治療指針の理解の低さ、そして自分の子どもにHIV検査を受けさせたくないという母親の心情を明らかにした。

これらの問題を改善すべく、MatCHは医療従事者を対象にARV治療のトレーニングを開始。加えて、大人と子どものARV治療の違いが分かるポスターを作製した。一部医療機関では、看護師を対象とした乳幼児のARV治療に関するセミナーを、従来のように週に1度ではなく1日で実施。看護師の時間や交通費の浪費を考慮した上での対策だ。さらに、MatCHとその協力団体は、読み書きが出来ないHIV陽性の子どもの保護者でも適切な処置を行えるよう、薬の順番や医療器具が分かる良案を提示した。また、同氏はカウンセラーと共に待合室にいる母親と直接対話する試みを開始。会話の内容は低体重や低身長などを含む乳幼児の健康全般から、HIV検査についてまで様々だ。

(翻訳:足立真希)

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原題:SOUTH AFRICA: Hospitals failing to treat HIV-positive infants
日付:November 2, 2010
出展:IRIN News
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=90954
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http://www.plas-aids.org/blog/?p=856
【Weekly News】ウガンダ:毎日360人がHIVに感染

保健省の母子感染予防部門責任者のゴッドフレー・エシル氏は、「毎日約360人のウガンダ市民がHIVに感染している。これまで国際社会や政府の一致した努力にもかかわらず、HIVの感染率は確実と上がっている」と述べた。

「ウガンダでは13万人以上のHIVの新規感染者が毎年報告されている。つまり毎日約360人が新規に感染しているということです。これはHIVが再度脅威となってきていることを示しており、いくつかの地域では感染拡大に関する情報をすでに受け取っている。主な感染経路は無防備な性交渉であり、次に母子感染が多い」とエシル氏は述べた。

100人の新規感染者のうち、80人が感染者との無防備な性交渉を通しての感染であり、15人は母子感染である。その他の原因としては、医療従事者の手術中や交通事故での感染者の血液との接触である。エシル氏は、この新規感染者数の上昇は、主に貧困レベルが高いためであるとの見方を示している。貧困レベルは売春や世代間の性交渉、また抗レトロウイルス薬を使用中の人々の間でのリスクの高い性行動を促進する要因となるからだ。また、結婚した人々による夫婦間以外の性交渉が、新規感染者の6%に昇るというデータもある。

エシル氏によると、2000年の調査では6.4%の国内HIV感染率が、来年発表となる調査では上昇すると予測されているという。さらに都会では比較的感染率が高く、その周辺地域ですでに感染が広がっているだろう、と付け加えた。

ウガンダでは、100万人の人々がHIVと共に生活をしている。子どもがウイルス感染率0.6%の一方、女性は6.5%と最も高い。抗レトロウイルス薬を受けるべき50万人の内、資金不足のために50%しか治療を受けていない現状。母子感染予防運動へのさらなる男性の参加が叫ばれている。

(翻訳:久保山敬太)

原題: 360 Citizens Infected With HIV Daily
日付: November 19, 2010
出典: The New Vision
URL: http://allafrica.com/stories/201011200058.html
http://www.plas-aids.org/blog/?p=909
【Weekly News】ルワンダ: HIV母子感染率、8%減少

キガリ ― この国でのHIVの母子感染率は、2004年の11%から昨年末の2.7%まで減り、8.3%の減少となった。

感染症研究センター(Trac-Plus)のHIV予防部門代表であるムグワネザ博士が、昨日、上記の情報を、国家エイズ管理委員会(the National AIDS Control Commission :CNLS)による記者会見で、明らかにした。近く開催される(11月17~19日)、HIV/エイズに感染・影響を受けている子どもたちのための第6回国家小児会議の開催に合わせて述べられたものである。

ムグワネザ博士は、HIV陽性の妊婦が注目されるようになり、母子感染率が減少傾向にあると帰結した。彼女によると、現在、健康な赤ん坊が生まれることを支援するために、地域を越えて384の保健施設が妊婦にサービスを提供しているという。また、彼女によると、胎児へのHIV感染をより効果的に予防するために、妊婦が出産前に服用する薬を28週から14週へ短縮してきたという。

ムグワネザ博士は、毎年、約23,000人の子どもたちがHIV陽性の母親から生まれ、7,000人以上の子どもたちがエイズ治療を必要としている、と言及した。CNLSの事務局長であるアシームウェ博士によると、現在、HIVに感染した子どもたちの72%は抗レトロウイルス治療(antiretroviral therapy :ART)にアクセスできているという。2005年から10%の増加だ。CNLSの統計によると、210,000人のエイズ孤児がおり、彼らのうち27,000人は、14歳以下でHIVに感染している。

この小児科の会議は、「教育セクターに焦点を当てたHIV/エイズに対する経済開発貧困削減戦略」というテーマの下、開催される。アシームウェ博士は、この会議はHIVに感染していない赤ん坊の出産と同様に、HIVを持つ子どもたちのニーズを主張し啓発するのに役立つだろうと話した。また、この会議は、「教育にふさわしい子どもの役割」というテーマも設定され、9年間の普遍教育へのアクセス、ジェンダー不平等の軽減を保証し、測定可能な学習成果を伴う質的教育の確保を目的とする、ルワンダの教育政策の枠組みの下、議論が進められる。

(翻訳:中村 麻友)

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原題:Rwanda: HIV Mother-to-Child Transmission Down to Eight Percent
日付:12 November 2010
出典:The New Times
URL:http://allafrica.com/stories/201011120399.html
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http://www.plas-aids.org/blog/?p=926
【Weekly News】HIV/エイズから解放された世代を現実に

2015年までに新生児や乳幼児がHIV感染をせずに生きられるようにする − 実現できる可能性はまだある。ただ、そのためにやるべきことはたくさんある。国連児童基金(ユニセフ)はこのように伝えている。

HIV感染した母親から生まれる新生児全体で、母子感染率を5%以下に抑えたい。この実現に科学の劇的な進歩は必要なく、より活発な資金調達と末端への支援提供が、女性や乳幼児など、多くの人をHIVサービスに巻き込むことに繋がる。ユニセフのHIV/AIDS対策の責任者、ジミー・コルカ―氏はこのように語っている。

タンザニアやケニアなど、一部の国では母子感染防止プログラムが進んでいて、来年には、HIV感染した妊産婦の8割に、必要なエイズ治療やサービスが行き届くようになると言われている。ただ、全体を見ると母子感染防止に関する取り組みは決して十分とは言えず、毎年約37万にも及ぶ新生児がHIVに感染しているとされている。

HIV母子感染は、必要な薬を定期的にしっかり服用すれば5%以下にまで抑えられるのだが、サービスを必要とする人に薬が届くことはまだまだ多くない。医療機関は、出産後も母親や新生児に対するケアを続け、母子がHIV治療に長期的に取り組めるようサポートすることも大切だと、コルカ―氏は話す。

母子感染を防ぐ上で一役かっているのはユニセフの「HIV母子感染防止パック」(mother-baby packs)。妊娠中から出産後に服用すべき薬(抗レトロウィルス薬)がわかりやすくまとめられているので、クリニックや保健センターに定期的に通うのが難しい遠隔地に住む妊産婦でも、服用を継続しやすい。

HIVの母子感染の90%はサハラ以南のアフリカ大陸で起こっている。ケニアやザンビアでは既に1万パックが提供されている。1パックにかかるコストは70ドル。ユニセフはこのパックの提供に更に数百万ドルを費やす予定。

「HIV母子感染防止パック」は今後も普及させていく必要があるが、資金は不足しており、資金調達はユニセフにとって大きな課題。ユニセフだけでなく、HIV感染率の高い各国も、HIV対策へのより多くの予算をあてる必要がある。ユニセフと各国が協力して、資金調達と継続的な支援活動をしていくことが、引き続き重要のようだ。

(翻訳:大場菜生子)

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原題:HIV/AIDS: Looking forward to an AIDS-free generation
日付:December 1, 2010
出展:PlusNews
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=91250
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http://www.plas-aids.org/blog/?p=926
【Weekly News】エイズ孤児のトラウマを軽減する5つの方法

親をHIV/エイズで亡くした子ども、エイズ孤児の人生には様々な困難が立ちはだかる。心理的ストレスを抱えている彼らの精神的安定のために、何を成すべきか。以下がエイズ孤児のトラウマを軽減する5つの方法である。

1. 家族と過ごす
アフリカのエイズ孤児の多くは親戚や祖父母に引き取られるが、家族やより近しい親戚と共に過ごすことが彼らのストレス軽減に1番効果的である。1988年のザンビアの研究では、兄弟を離れ離れにすることは子どもに大きなストレスを与えるとし、2003年にウガンダのラカイ県で行われた研究では、引き取られ先が遠い親戚になるほど、孤児の生存率が下がるという結果が出ている。

2. 最低限のニーズに応える
アフリカでは遺書を残すことは稀だ。ウガンダの統計によると、13〜18歳の孤児の多くは遺産争いを経験したことがあるという。加えて、孤児を引き取った親戚は経済的余裕がなく、孤児を十分に養えないため、経済的支援、例えば、学校給食、農業支援、雇用の拡大、奨学金等を通してエイズ孤児は支えられる。

3. 心理社会的ケア
親を亡くすだけでも子どもにとっては衝撃であるが、親が亡くなる過程を目の当たりにし、新しい環境の中で差別や偏見に耐え、さらに経済的困窮に陥るという状況を打開するために、カウンセリングは重要である。2002年にエチオピアで行われた調査では、非孤児に比べて孤児は自分を責め、問題を心のうちに抱える傾向にあることが分かっている。彼らは同じ状況下にいる仲間と問題や感情を共有することで、ストレスを軽減することができる。

4. 学校に通う
病気の親の介護が原因で多くの孤児は退学を余儀なくされる。2004年のプリンストン大学の研究によれば、サハラ以南の10ヶ国において、孤児の就学率は著しく低い。しかし、学校に通うことは孤児にとって大きな意味を持つ。ウガンダで孤児のための学校を運営している団体、キトブ・モバイルの理事ラビナ・セントンゴ氏はこう語る。「孤児が学校に行くと自分の人生と向き合うようになる。学校初日と1学期終了後の子どもの成長は目を見張るほど。」初等教育の無償化によって生徒の出席率は改善されたが、未だ教育を受けられない孤児も多くいる。

5. 孤児の保護者のケア
心に傷を負った孤児を引き取る側にも、新しい家族環境、出費、重い責任などの困難が伴う。自分の子どもが亡くなった祖父母は、孫の親となるため、祖父母が経済的困窮や過度のストレスに陥ることは多いと言う。2009年の南アフリカの研究では、孤児を引き取った家族に対して社会的支援が不十分だと指摘し、保健所や在宅ケアを通して、孤児の保護者のケアができるような体制を作る必要性について言及している。

(文責:現地インターン 足立真希)

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原題:Five ways to reduce trauma in HIV orphans
日付:Nov 10th , 2010
出展:IRIN News
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=90992
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http://www.plas-aids.org/blog/?p=1003
【Weekly News】南アフリカ:青年期を迎える南アフリカのエイズ孤児

HIV/エイズに影響を受けた子どもたちが年齢を重ねるにつれて、彼らは特別なケアを必要とする、とヨハネスブルクに拠点を置く、「HIVがもたらす子どもたちへの影響改善 Enhancing Children’s HIV Outcomes」のハリー・モウルトリーは強調した。

南アフリカはHIVと共に生きる人々が世界で最多。現在およそ300万人の孤児がおり、彼らの多くは親をエイズで亡くしている。南アフリカ民主主義研究所(Institute for Democracy in South Africa: IDASA)によると、約28万人の15歳以下の子どもたちがウイルスに感染している。治療がなければHIVを保有している子どもたちの3分の1は1歳になる前に亡くなり、半数は2歳の誕生日を迎えることはないだろう、と言われている。しかし、南アフリカでは抗レトロウイルス薬が広く分配され、以前は青年期まで生きられなかった多くのHIV陽性の孤児が、大学生の年齢まで達することができている。

それでも10代の孤児の人数は増加しており、彼らにより特化された支援が必要とされている。IDASA の最近の研究では、多くの孤児がHIVを持っており、親の死による大きな精神的喪失感を経験していると示した。「彼らは性的な問題へのサポートグループや無償教育へのアクセス、健康ケアや訓練の機会が必要である」と、IDASA政府エイズプログラムのマリエトジェ・オエロフセン局長は述べた。政府はHIV/エイズに影響を受けた孤児に財政的な支援を提供しているがそれも18歳までとなっている。

政府が設立した組織であるHerartbeatは、HIV/エイズに影響を受けた4,000人の孤児にキャリアカウンセリング、セックスと麻薬に関する指導、スポーツの機会を提供しており、子どもたちは円座して彼ら自身の問題について話し合う。3年前に母親をエイズで亡くした17歳のある少年は、Heartbeatでのセッションは、アルコールや薬物乱用、リスクのある性行動の危険性を教えてくれたと述べている。「何が悪くて何が正しいのかを教えてくれる人がいないので、僕らのなかにはこの3つのことについて知らない子がいるんだ。だから、セッションはとても重要なんだ」と少年は言った。

(翻訳 中村 麻友)

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原題:SAfrican AIDS orphans aging
日付:September 30, 2010
出展:The Boston Globe
URL:http://www.boston.com/news/health/articles/2010/09/30/safrican_aids_orphans_aging/ ===============================
http://www.plas-aids.org/blog/?p=1103
【Weekly News】ケニア:支え合うHIV陽性の子どもたち

12歳の少年、ヨナはHIVに感染している。数年前に両親がエイズで他界。現在は祖母と一緒に暮らしている。祖母は、近所の人たちに彼がHIV陽性であることを話している。ヨナが周囲の人に理解してもらえるようにとの配慮だったが、ヨナを理解してくれる人は少ない。同世代の子どもたちも、ヨナを遊びに入れようとはしない。「一緒に遊んでも僕はHIVをうつさないことを知っている。でも、そう言っても信じてもらえない」。

3年前、彼に友達ができた。ケニア政府とNGOなどが進めているプログラム、ジンガシャ・マイシャ(スワヒリ語で“人生・生活スタイルをよく考えよう”の意味)。そのプログラムのサポートグループが、HIV陽性の子どもたちが同世代の子どもと出会える機会を提供している。子どもたちはお互いのことを話したり、薬の飲み忘れがないか確認し合ったりして、絆を深めている。

ケニア西部、ビヒガ県では最近、20以上のサポートグループがHIV感染した子どもたち、600名程の心と体のケアに従事している。600名のうちの8割には両親がいない。ケニア全体では、およそ17万人の子どもたちがHIVに感染しているようだ。

HIVの子どもたちを支えるサポートグループの一つ、EGPAFの現地調整員、オリウォ氏は、子どもたちが必要とするサポートは、HIV感染した大人たちが求めるサポートとは違うと言う。子どもたちには、差別や偏見がなく自由に友達と遊べる場所が必要。彼らが「独りぼっちじゃない」と感じられる場所や機会が必要だと、彼女は続ける。

小さい頃からHIV/エイズと向き合ってきた子どもたちは、大きくなった時、ピア・エデュケーターとして同世代の子どもたちにHIV/エイズを語ることができるようにもなる。サポートグループによって支えられて育つ子どもたちは、自分のHIVステータスを受け入れやすくもなっているようだ。

HIVに感染した子どもだけでなく、その家族にも教育活動を行うサポートグループもある。地域に根ざした活動を続けるサポートグループは、これからも、HIVや感染した子どもたちと向き合う上で、欠かすことのできない存在のようだ。

(翻訳:大場菜生子)

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原題:KENYA: HIV-positive kids get by with a little help from their friends
日付:December 31, 2010
出展:PlusNews
URL:http://www.plusnews.org/Report.aspx?ReportId=91504
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http://www.plas-aids.org/blog/?p=1165
【Weekly News】ケニア:孤児の保護者のケア

「子育て」は65歳のアンジェリーン・アブガの老後の予定にはなかったが、彼女の息子夫婦がHIVによる合併症で4年前に亡くなった時、彼女は5人の幼い子どもの保護者となった。
「彼らを満足に食べさせるのが大変」と彼女は話す。「子どもたちに売春はしてほしくないし、アルコールに依存してほしくもない。思春期の彼らが道を踏み外さないよう、そして彼らの親のようにHIVの危険にさらされないよう、守る必要がある。」

アブガにはルーシー・アディアンボという良き助言者がいる。彼女は孤児の保護者のサポートをしているNGOのプログラム、Speak for the Childから派遣されて週に3回アブガを訪問し、健康や教育に関する助言をしている。
「彼女は子育てについてアドバイスをくれ、HIV陽性の子どもを病院に連れて行くこと、衛生面で気を配るべきことを教えてくれる。」アブガは話す。「子どもたちに直接売春やアルコールの危険性も話してくれるわ。」
Speak for the Childは、孤児の保護者のケアだけではなく、虐待を受けた孤児のサポートも行っており、ケニア西部、南西部、そして海岸地方で約5万人の15歳以下の子どもたちを支援をしている。

政府によるとケニアにはおよそ240万人の孤児が存在し、その半数はエイズによって親を亡くした、エイズ孤児だという。「孤児の保護者も『孤児を養わなければいけない』という重圧から病気になることがある。アドバイザーは医療施設と孤児、そして保護者を繋ぐ役割を担っている。」とプログラム・マネージャーのジョージ・アリヤは言う。

アドバイザーは子どもに対しHIVに感染していることを伝える役割も担っている。
アリヤ氏によると、同プログラムは孤児や保護者が医療施設に通うための交通費を支給するため、HIVに感染している孤児にARVの服用を促進する効果があるとのこと。
さらに、ニャンザ州管轄エイズ・性感染症調整官、チャールス・オカルによれば、Speak for the Childの活動は孤児や保護者が抱えている問題の解消に効果的とのこと。
「人々は孤児の親がどのようにHIVで亡くなったかを話したがるが、孤児の保護者も支援を必要としていることを忘れてはいけない」と、オカル氏は言う。

(文責:足立真希)
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原題:Kenya: Caring for the care-givers
日付:Jan 19th , 2011
出展:IRIN News
URL:http://www.irinnews.org/report.aspx?ReportID=91670
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http://www.plas-aids.org/blog/?p=1188
【Weekly News】スワジランド:孤児への悲観的な予測は消えた

孤児と脆弱な立場に置かれた子どもたち(Orphans and vulnerable children:以下、OVC)は、スワジランド人口100万人のうちの5分の1を構成しており、2004年の予測よりも8万人増えている。2004年、UNICEFは、世界で最も高いHIV感染率―26.1%(15〜49歳)のため、この内陸国の暗たんたる未来を推測していた。最新の政府のデータによると、スワジランドの子どもたちの約23%は孤児であり、その大部分のHIV/エイズ流行の結果だ。

しかし、人々が危惧していた社会崩壊は起こらなかった。それは、数々のHIV/エイズ対策プログラムが実施されていることにも関連している。

10年前には存在していなかったHIV/エイズ対策プログラムは、子どもの健康や教育、保護をターゲットにしている、とUNICEF駐スワジランド代表のジュマ・グレイド(Jama Gulaid)は述べている。過去10年で、副首相府の下にある、国立児童福祉局(National Children’s Coordination Office)と警察署の家庭内・子ども虐待課を含めて、子どもの福祉サービスが設けられた。「今までこれらの制度はなかった。2005年に、憲法は全ての子どもが小学校に通えるように定め、今日、多くの子どもたちが政府の奨学金を受けている。」
奨学金に関しては、同じ子どもが学費を様々な組織や個人からも受け取る二重、三重払いの問題もあるが、副首相府は14万人のOVCに学費の支援をしている。

また、子どもが世帯主の家庭を見つけるため、2005年にUNICEFが主導したパイロットプログラムが大きな成功を収めた。政府はOVCが保護され教育を受けることを保証するためにそのプログラムを採用、国中に拡大した。UNICEFのグレイド氏は、スワジランドで最も注目すべきことは、政府がHIVという新たな脅威に対し優先的に取り組む一方、他の児童福祉プログラムを維持したことである、と語る。
ポリオは根絶し、はしか抑えられ、コレラはめったに発生しない。

副首相のゼンバ・マスク氏は、OVCが直面するであろう将来の難題について次のように述べている。

――OVCの問題に取り組むには、まず、彼らのニーズに対応した社会政策が必要である。そして、OVCの数が増え続ける傾向が今後10年でも続くならば、私たちを待っているのは異なる社会。学校卒業後、子どもたちに仕事がなければ社会情勢は不安定になる――

スワジランドの失業率は、約40%に達している。

(翻訳 中村 麻友)

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原題:SWAZILAND: Orphans’ Doomsday Scenario Fails to Materialize
日付:26 January 2011
出典:IRIN
URL:http://www.irinnews.org/Report.aspx?ReportID=91741
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【Weekly News】ジンバブエ:HIV感染率低下の理由

1997年から2007年の10年間で、ジンバブエのHIV感染率は13%も下がった。ハーバード大学のダニエル・ハルペリン氏は次のように話す。「性交渉をするパートナー数の減少や、意識や行動の変化があったのでは。でも、一番の理由ははっきりしない」。その理由を突き止めれば、アフリカの他の国でも応用できるのではと同氏は考えている。
なぜ感染率が低下したのか。調査グループは…

>>つづきはこちら http://www.plas-aids.org/blog/2011/02/16/3198
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【Weekly News】2011年、エイズ対策で注目すべき5ヶ国
近年、エイズ問題にも明るい兆しが見えてきた。新しい感染者数は減少、治療も進み、感染者への差別に対する取り組みも進んでいる。しかし、まだやるべきことは多くある。以下5ヶ国を例に、2011年のエイズ問題を展望したい。

南アフリカ
世界でもHIV感染者数が最も多い国、南アフリカでは、約500万人以上がHIVに感染しており、そのうち、約1/5がARVの治療を受けている。同国はHIV/AIDS対策にかかる費用を他国からの支援で賄うのではなく、問題を自国の問題と受け止め、国の予算のうち約7億7千ドルをそれに当てている。同国はHIV検査とカウンセリングの実施や地域病院でのARV処方の強化などに力を入れている。



そのほか4カ国は、ロシア、ウガンダ、ハイチ、インドです。
4カ国の状況は是非こちらでご覧下さい
>> http://www.plas-aids.org/blog/2011/02/23/3207

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南アフリカで現在出回っているウーンガという麻薬についてです。

【Weekly News】南アフリカ:HIV陽性者を脅かす麻薬「ウーンガ」

南アフリカ共和国ダーバン郊外のタウンシップ、ウムラジで、HIV陽性者が命綱である抗レトロウイルス薬(以下ARV)を目的とした強盗に襲われるケースが急増している。原因はストリートに出回っている「ウーンガ」という毒性、中毒性ともに高い麻薬で、ARVをマリファナ、粉末洗剤、ネズミ駆除剤と合成しつくられるもの。他の麻薬に比べても安価で、使用者が増え続けている。科学的には証明されていないが、ストクリンというARVの一種がマリファナの幻覚症状をさらに増幅させると信じられていることから、このような犯罪が増えているとみられている。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/03/02/3387
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スワジランドで3人の子どもと暮らすHIV陽性のお母さんのお話です。

【Weekly News】「腐ったポテト」HIV陽性者が語る差別の現状

3人の子どもの母であるテンビさん(33)はスワジランド中部マンジニ地方で貧困のなか子どもたちと暮らしている。夫は南アフリカに出稼ぎに行っている。

「妊娠時の検査で私がHIV陽性であることが分かったのですが、夫にはそのことを伝えていません。夫から感染をしたはずなので彼もHIV陽性のはずですが、知りたくないのか、まだ検査には行っていないようです。彼は前妻がHIV陽性であることを知った途端に家から追い出したことがあるので、私も伝えられないのです。」

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/03/09/3448
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今週は自分のHIV感染に向き合いながら活動する女性のお話です。

【Weekly News】ジンバブエ:HIVに向き合い活動する若者

エリザベス・マタムバナゾさん(18)はマニカランド州ニャンガにあるFACT (Family AIDS Caring Trust)というHIV陽性者支援団体で高齢者やエイズ患者などの介護ボランティアとして活動している。

「私たちボランティアは介護師の方と一緒に地域の家庭を訪問し、水くみや調理、洗濯といった家事を行います。これまでは介護師が介護と家事の両方を担当しなければならなかったのですが、私たちボランティアが参加することで介護師は介護に集中できるのです。」

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/03/16/3513
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医療機関での出産が普及しないエチオピア、その背景についてです。

【Weekly News】エチオピア:普及が進まない医療機関での出産

エチオピアでは現在政府の方針で医療体制の充実が図られている。中でもHIVの母子感染予防は重要課題となっているが、大半の妊産婦は母子感染予防プログラムを受けられない自宅出産を選択している。2009年度にはHIV陽性の妊産婦のうち、医療機関での母子感染予防プログラムを受けたのはわずか8%にとどまっている。

ハウィ・デベレさん(29)は医療機関が多数存在する首都アディスアベバに住んでいる。しかし2人の子どもは自宅で出産した。「母も私を含む兄弟全員を自宅で出産しました。この地域の人達はみんな産婆さん(医療資格を持たない伝統的助産師)に手伝ってもらって自宅で出産しています」と、デベレさんは語る。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/03/23/3553
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ケニアで航空券代にHIV/エイズ対策費を課税することについてです。

【Weekly News】ケニア:航空税の引上げでHIV対策資金の確保を

航空税を引き上げ、まだまだ資金が必要なHIV対策に役立てたい−ケニア政府の考えに対して、航空産業界は反対の意思を示した。

ケニア航空のCEO、ナイクニ氏は反対の理由として、この新しい税制が社会・経済に与える影響の大きさを強調する。「わざわざ航空税の高い航空会社を使ってケニアの野生動物を見に来るだろうか。それなら、タンザニアの野生動物を見に行くに違いない」。そうして観光客が減れば、観光業界含め社会のいたるところにマイナスの影響を与えかねない。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/03/30/3604
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医療機関で抗レトロウイルス薬のパックを配布するという母子感染予防の新たな試みです。

【Weekly News】ケニア:母子感染予防の新しい試み、「母子感染予防パック」

ケニア共和国はHIVの母子感染を予防するため、抗レトロウイルス薬(ARV)パックの配布という新しい試みを始めた。「Maisha Mother-Baby pack」と呼ばれるそれは、各医療機関、産婦人科で配られる。

ケニアのHIV母子感染予防プログラムを担当するマーティン・シレンゴ氏によると、この試みは妊産婦に行きつけの病院が最低1施設あることを前提にしているそう。
「パックには母子感染予防に必要な薬全てが含まれており、医療機関の不足などの問題を緩和させることができる。」とシレンゴ氏は話す。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/04/06/3851
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タンザニアでの不十分な小児HIV診療に対する新たな取り組みです。

【Weekly News】タンザニア:子どものHIVケアを促進するための新しいセンター

タンザニアではHIV母子感染予防施設の15%しか乳児の早期診断を行うことができない。総合病院においてもヘルスワーカーの訓練不足や不十分なインフラにより、HIV陽性の子どもたちへの日常的な検査・治療体制が十分に整備されていないのが現状だ。タンザニアには14〜16万人のHIV/エイズと共に生きる子どもたちがいると推測されているが、現在、彼らのうちの8%だけしかARV(抗レトロウイルス薬)を受け取ることができない、という。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/04/13/4002
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ジンバブエでもHIV/エイズ支援団体がHIV陽性者にとって心の支えになっています。

【Weekly News】ジンバブエ:HIV陽性者団体の取り組み

ジンバブエの人々は直接、または間接的にHIVやエイズに苦しみ、病気と闘う人々にとって、差別や偏見がの大きな問題として残っている。

地域や家族にまでも避けられるHIV陽性者にとって、HIV/エイズ支援団体から治療行為のみならず、厳しい経済状態の中で生きていく元気さえも貰っていると言う人もいる。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/04/20/4169
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ケニアの地方ではコンドームが欲しくても手に入らない状況。
コンドームの再利用をする人もおり、HIV感染の危険性を高めています。

【Weekly News】ケニア:深刻なコンドーム不足に悩む地方

 最近あるテレビ番組で、ケニア北部の地方の男性がコンドームを洗って干している写真が公開された。コンドームの価格が高いため、彼らはそれを一度で使い捨てる余裕がない。性交時にコンドームが入手できない場合はポリエチレン袋や衣類の切れ端で代用することもあるという。
 
 男性用コンドームは一度きりの使い捨てを想定して作られているため、洗って再利用することはゴム素材を弱めて破損の危険性を増加させ、結果として望まない妊娠やHIVを含む性感染症の危険性も増加させる。また、衛生的でない水を用いてコンドームを洗う事はその他の病気も引き起こしうる。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/04/27/4230
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HIV/エイズに対する差別が存在する中では、
教師が担う役割は学校以外の場にも求められています。

【Weekly News】ウガンダ:教師の役割とエイズ教育

ウガンダ北部、グル県。小学校の教諭、ジェフリー・オキラ氏は、毎朝彼の授業を1時間半程止めて、彼のオフィスへと急ぐ。HIV陽性の生徒たちに、抗HIV薬を飲ませるためだ。生徒たちは彼のことを信頼しているので、薬を預けている。先生が薬を飲む時間を覚えていてくれるので、生徒たちは飲み忘れることもない。

 「薬をしっかり飲み、適切な治療を受けることの大切さをいつも話している。それに、できるだけバランスのとれた食事をとること、力仕事をしすぎないこと、悩みを抱え込まないことなども伝えている。それに、そうやって気にかけてくれる人がいるということを知るだけでも、彼らは安心する」。オキラ氏はこのように話している。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/05/04/4276
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HIV/エイズが未だ猛威をふるっている南アフリカでも
エイズとの戦いに勝つために様々な取り組みが行われています。

【Weekly News】南アフリカ:近年のHIV対策成功例トップ5

エイズ否認主義と深刻な治療の遅れに悩まされた暗黒の日々から、南アフリカのHIV/エイズ対策は長い道のりを辿ってきた。年2回開催される南アフリカエイズ会議の議長、フランソワ・ヴェンター氏が、近年の南アフリカにおけるHIV/エイズ対策の進歩について、特筆すべき5点を挙げた。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/06/22/4696
医療施設が少ないジンバブエの農村地域では、HIV陽性者やエイ​ズ孤児を抱える保護者が交通費を捻出するために、唯一の資産を売​却せざるを得ない状況が珍しくないようです。

【Weekly News】ジンバブエ:HIV治療のために家畜を売却する農村地域の住民

自宅から15キロ離れているクリニックで、エイズ孤児である5歳の孫にART(抗レトロウイルス治療)を受けさせるための資金を捻出するため、80歳の祖母は所有している3羽のニワトリ全てを売ることが必要だった。
3羽のニワトリから得られた収入はわずか6ドル。そのうち、2ドルは往復の交通費に、3ドルは医療カードの購入と登録費に消えた。残りの1ドルで、体力が落ちているエイズ孤児のためにバナナを購入した。

>> つづきはこちら! http://www.plas-aids.org/blog/2011/07/20/5062

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