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東日本大震災記録コミュの576、災害時「人はなぜ逃げ遅れるのか」心理に「あそび」鈍る危機感

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 東日本大震災では、1万5000人以上が津波の犠牲になった。津波警報が鳴っても、すぐに逃げなかった人が少なくない。人はなぜ逃げ遅れるのか。心理的側面から対策を考えてみたい。

 異常事態を正常内と誤認…「人間は安心して生きるために、心の中に『あそび』の部分がある。ある範囲までの異常は異常と感じず、正常範囲内と受け止めてしまう」。東京女子大名誉教授(災害心理学)の広瀬弘忠さんは、そう指摘する。

 この「あそび」を専門用語で正常性バイアス、あるいは正常化の偏見と呼ぶ。小さな物音などにいつも驚いていては神経が持たず、心を守るために必要な反応だが、非常時に危機感を鈍らせてしまう働きもある。

 広瀬さんが、テレビ局の控室で若い男性約80人に行った実験では、控室にいきなり白煙を吹き込んでも、吹き込む速度がゆっくりだと、7割の人が煙が充満しても逃げなかった。

 煙は無害だが、少し刺激臭があった。ところが逃げなかった人たちは「いい匂いでお香かと思った」「体によい煙だと思った」などと都合のよい解釈をしていた。また、非常ベルの音、消防車のサイレン、煙の進入、を順番に発生させて反応を見る実験では、一緒にいる人が無反応だと、逃げない人が多かった。

 こんな調子では、死者が多数出てしまう。生き残るために、何を心掛けたらいいのか。東日本大震災の見事な避難例をみてみよう。

 「地震が起こったら、君が最初に逃げる人になれ」。群馬大学広域首都圏防災研究センター長の片田敏孝さんは、7年前から防災教育に携わる岩手県釜石市で、小中学生一人ひとりに訴え続けた。そして起こった大地震。子どもたちは教師の指示を待たずに、高台に向けて一斉に駆けだした。

 途中、小学生と合流した中学生は、低学年の児童の手を引いたり、おぶったりして一緒に逃げた。指定の避難場所も危ないと判断し、さらに高台に上がって助かった子どももいた。同市の小中学生の生存率は99・8%。子どもたちが逃げる姿を見て慌てて避難し、助かった住民も多かった。

 片田さんは「正常性バイアスに加え、自分だけが飛び出して何もなかったら恥をかくという思いが、避難を遅らせる。非常時には自分の生存を第一に考え、ためらわず行動する自主性が何より大切。その素早い行動が周囲も救う」と話す。

 また、広瀬さんは「行く先々で、避難ルートの確認を習慣づけてほしい」と勧める。例えば、建物内では非常口を必ず確認する。海で遊ぶ時は、高台の位置や距離を気に留めておく。飛行機に乗った時は、緊急時の対応ビデオを必ず見る。

 「そうした短時間の確認を事前に行うだけで、いざという時の心身の反応が抜群に早くなる」という。

 古今東西、災害で生き残るのは、誰よりも早く逃げた人と決まっている。今、あなたの身に災害が降りかかったら、どんなルートで逃げますか?

防災専門家の判断にも影響…正常性バイアスは防災の専門家の意識も鈍らせる。関西学院大教授の室崎益輝さんは、阪神大震災前、震度5強を想定した神戸市の防災計画を作成した。過去の記録を調べると、震度7の地震が起こる恐れはあったが、「神戸は安全と多くの人が信じており、私も影響された。震度7は私が生きている間はないと思い込んでしまった」と悔やむ。

 今後、各地で見直しが進む防災計画や原発の安全対策。正常性バイアスに陥っていないか、作成する専門家自身が、自らに問い続ける必要があるだろう。(佐藤光展)

読売新聞(ヨミドクター) 6月9日(木)15時50分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110609-00000305-yomidr-soci

コメント(3)

「バイアス」については、次のブログもご覧ください。

バイアスの危険性について知ろう!
http://garoa.ti-da.net/e2957479.html
                        「パニック神話」 が被害増やす

 東日本大震災では、1万5千人以上の人が津波にのまれて亡くなりました。地震の直後、すぐに避難を始めていたら、死者は激減したに違いありません。人はなぜ逃げ遅れるのでしょうか。
 また、福島第一原発の事故では、政府や東京電力の発表の遅れが目立っています。その背景には「情報をすぐに伝えたらパニックが起こる」という恐れがあったのかもしれません。でも、迅速な情報提供は、本当にパニックにつながるのでしょうか。
 災害心理学が専門の東京女子大名誉教授(安全・安心研究センター長)、広瀬弘忠さんと考えてみました。

 ── 人はなぜ逃げ遅れるのでしょうか?

 人の心の中にある「あそび」が原因です。私たちはそれを、正常性バイアス、あるいは正常化の偏見などと呼んでいます。
 この正常性バイアスは、2003年に韓国のテグ市で起きた地下鉄火災で、乗客が撮った写真に如実に現れていました。死者約200人にのぼる大惨事で、放火された列車と、ちょうど反対ホームに入ってきた列車の乗客に死者が多数出ました。

 死者がより多かったのは、放火列車よりも反対ホームの列車です。この反対ホームの列車内で撮られた写真に、煙が充満してきているのに、携帯電話を眺めていたり、じっといすに座り続けたりする乗客の姿が写っています。みんな何かおかしいと感じているのに、危険を意識して危機対応の行動をとる人がいないのです。

 そこで私たちは、実験を行ってみました。「テレビのインタビュー」という名目でテレビ局に来てもらった男性約80人に、控え室で待機してもらい、そこに煙を吹き込んで反応を見たのです。煙を勢いよく吹き込むと、さすがに逃げ出しますが、ゆっくり吹き込み続けると、室内に白煙が充満しても逃げない人が7割にのぼりました。また、一人よりも複数ですごしている場合、周りが無反応だとそれに引きずられ、逃げ遅れる傾向があることも分かりました。

 煙は無害ですが、少し刺激臭がします。それなのに、最後まで残った人たちは「健康によい煙だと思った」「いいにおいなのでお香かと思った」などと都合のよい受け止め方をしていました。テレビ局で、まさか火事が起こるはずはないという思い込みが、嗅覚まで鈍らせてしまったようです。

 ── いち早く避難するには、正確な情報提供も必要ですね。

 はい。韓国の地下鉄火災では、列車内で「軽い事故が発生したので車内でお待ちください」というアナウンスが流れたという証言があります。このような情報が、被害を増大させた可能性があります。
 ── 情報を提供する側は、パニックを恐れて冷静な対応を求めがちです。ですが、実際は冷静にしている場合じゃないこともありますね。

 現代社会では、災害や事故が突然ふりかかっても、大勢の人が互いに踏みつけたり、押しつぶしたりして死傷者が出るようなパニックはめったに起こらないことが分かっています。パニックを恐れるのは古い災害感に根ざした考えで、われわれは少し皮肉をこめて「パニック神話」と呼んでいます。

 逆に、パニックを恐れて正確な情報を知らせないことが、被害を増やします。米国のクラブの火災では、混乱を恐れた従業員が客に伝えた「ボヤなので心配いりません」という情報が、避難の遅れを招き、重大な結果につながってしまいました。同様のケースは数多くあります。

 ── 東日本大震災で、目立った略奪が起こらなかった日本は世界から賞賛されました。逆に言えば、世界ではパニックや略奪が頻発しているのではないですか。

 略奪がおこるかどうかは、人間心理というよりも、国の豊かさによります。大災害があっても、日本のように数日以内に食糧が届く国であれば、被災者は店から食料を奪う必要はありません。しかし政情不安定で、迅速な救援が期待できない国や地域であれば、決して勧められる行為ではありませんが、生きるために食料を奪わなければならない状況もあるでしょう。

 ── 災害直後の現場で私がこれまで目にしてきた被災者の反応は、パニックで慌てふためくというよりも、腰を抜かしたように動けない人が多いという印象です。

 凍りつき症候群ですね。人は、いきなり身に降りかかってきた災難に対し、何が起こったか分からないと凍りついてしまいます。過去に海外で起こった大津波で、津波が目前に迫っているのに、呆然と立っている人たちの写真を一度は見たことがあるのではないでしょうか。このような人たちは、とにかく急かして逃げさせないといけません。

 大災害時は、パニックが起こることが問題なのではなく、パニックが起こらないほうが問題なのです。政府や行政機関などは、パニックは神話だということを踏まえ、災害時の情報提供のあり方を見直す必要があるでしょう。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=41980&from=yh

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