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東日本大震災記録コミュの575、「脅し」でなく適切な「政策」で  今夏の電力は充分足りる!

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夏場の電力不足と、計画停電の実施が懸念されている。震災直後、予定が何度も覆される“無計画停電”で巻き起こされた混乱はご免被りたい。しかし実際のところ、夏場の電力は充分足りるはずなのだ。必要な施策について、まだ国も十分な手を打てていないので、ここで提案しよう。

東電の供給能力は
震災直後より1500万kW増

 一足早く梅雨がやって来た。果たして、昨年のような猛暑になるのだろうか。夏場の電力供給不足が予想され、節電が喧伝されているため、みな「家庭やオフィスはどんなに暑くなることか」「また計画停電で電車が大混乱するのか」と今から戦々恐々である。

 しかし、結論から言えば、今夏の電力供給量は足りるはずだ。

 まず、東京電力の供給能力は日を追って増強されている。確かに、震災直後の3月下旬には、4650万kWという厳しい見通しだった。

 ところが、その後の火力・水力発電所の復旧などで供給能力は増強されつつある。5月下旬の見通しでは、揚水発電を含めると6000万kWを越え、実に当初予測より約1500万kWも上乗せされた。

 第一回でも述べたが、日本のピーク時の電力需要量は10年前から下がり続けている。近年では、観測史上もっとも暑かった昨年の夏でさえ、6000万kW弱である。もともと大震災前に予測していた今夏の最大電力量である5700万kWと比較しても、現実の供給能力は十分にカバーしていることがわかる。

 では、電力需要のピーク使用量が急増する恐れはあるだろうか? 

 震災後に取り組まれたさまざまな節電対策の効果をみれば、ほとんど考えにくい。震災直後、東電が緊急の計画停電を発表したときの、節電の呼びかけと自粛による省エネ・節電効果は、なんと約500万kW前後にのぼったと推測される。

2011年6月9日
http://diamond.jp/articles/-/12623

 東京電力は当初、大震災直後の休日明けについて、ピーク時の最大需要を例年どおりの数字そのままに4100万kWと見込んでいた。しかし蓋を開けてみると、当然ながら需要量は大幅に少なく、計画停電は限定的な地域・時間にとどめられることとなった。不幸中の幸いと言えるだろう。

 とはいえ、揚水発電を駆使しての数字であり、圧倒的に供給量が需要を上回るとは言えない。厳しい状況にあることに変わりはない。

 確実な電力需給を実現する方法があるのか? 

 震災直後は、強引な「無計画停電」だったものが、その後は「談合的節電」に進んだ。もう少し合理的な市場メカニズムを利用した、21世紀型施策を講じるべきではないだろうか。

需要家側の戦略的な管理が
夏場の電力需給には必須

 それには、需要家側の管理が欠かせないと考える。これをディマンドサイド・マネジメント(DSM)、あるいは「節電発電所」と呼ぶ。

 方策は、効果の小さいほうから以下の3点がある。

 第一に、家庭および中小オフィスビル等の小口電力(50kW以下)について、直接的な引き下げ効果を狙う。小口電力は、電気料金の変化に対してあまり需要量が変わらない、すなわち価格弾力性が小さいためだ。

「お願い」という啓発ベースではなかなか進まないので、アンペアブレーカーを変更し、一律2割程度を強制的に引き下げさせる。家庭の電力使用量は常にフルアンペアではないので、一気に2割減るわけではないが、ピーク時の使用量を押し下げる効果はあるはずだ。

 たとえば、60アンペアなら50アンペアに、50アンペアなら40アンペアに、といった具合である。引き下げ効果の歩留まりが50%と仮定すれば、合計で約2500万kWある家庭・小口の最大電力量に対して、約250万kW引き下げることができる。

 第二に、中小事業者(50〜500kW)には、「ピーク料金」を適用する。電気需要のピーク時に課徴金(サーチャージ)を上乗せし、ピーク需要が25%程度引き下げられるような価格設定を行う。結果、管内に約7万5000口ある対象需要家の電力量を約200万kW引き下げる可能性がある。

 ただし、このときの課徴金は東電の収入や国庫に入れるべきではない。中小事業者に節電メリットが出るように、省エネ投資への補助金に充てるとともに、需要家へのインセンティブとして還付する方式が望ましいだろう。

最も大きな効果が期待される
大口需要家との需給調整契約

 第三に、500kW以上の需要家に対する「需給調整契約」を、基本的には全需要家に拡大することだ。

 需給調整契約というのは、電力需給が逼迫したときに電力会社が使用削減を要請できるもので、通常は大口需要家との間で取り交わされている。現在、約1300件の契約がある模様だが、これを強制的に拡大するのである。

 たとえば2000kW以上の大口需要家は、東電管内に約2000万kW(約3000口)あると推定される。これら大口顧客には、ライフラインなど絶対に止められない設備や公共的に優先度の高い施設を除いて、国のあっせんのもとで基本的に需給調整契約を結んでもらう。ピーク料金との選択制にしても良い。これによって、全体でざっと約500万kWの低減効果が期待される。

 これには副次的な効果も期待できる。

 企業側に、いざというときに電気を止められる施設と止められない施設を自ら仕分けしてもらい、その情報を東電および国と共有しておくことは、社会全体で優先順位を見極めることにつながる。リスクマネジメントを強化することができるわけだ。

 また、500〜2000kW以下の需要家は、およそ650万kW(6200口)あるものと思われる。こちらは、まずはピーク価格の適用から開始し、順次、大口側から需給調整契約へ誘導する。これで約150万kWの引き下げ効果が見込まれる。

 これら3つの施策を足し合わせると、合計1000万kW以上の削減効果が期待できる計算になる。大きなバッファーである。

 需給調整契約や、ピーク時の課徴金を“強制的に”実施するには、電気事業法第27条の発動により、具体的措置を定めるための政省令を策定する必要がある。だが、この手の“作文”は、官僚が得意とするところだ。大きなハードルではないはずで、実現可能性は高い方策である。

無理ない省エネは
継続して構造化する

 上記施策とは別に、無理のないかたちの省エネには自発的に取り組んでもらいたい。減らせる先は、「家庭」「事務所ビル」「産業」の大きく3部門が考えられる。

 特に効果が大きいのは「事務所ビル」と「産業」部門である。

 事務所ビル部門で電力量が多いのは、照明と空調、パソコンなどのデータセンターである。照明は人感センサーなどつけて、どんどん消す仕組みを導入したり、空調時に外から熱が入らないようにする工夫で、電気使用量をかなり減らせる。

 産業部門では、工場など製造プロセスに関わる電気と、事務部門のユーティリティ使用に大別されるが、意外と多く電気を使うのが後者である。事務所ビルと同様の方策で、相当量が効率化できるだろう。

 前者は、もう少し大きなグランドデザインが必要だ。鉄にしろセメントにしろ、社会全体のスループット(資源の消費と流通の総量)を引き下げる社会システムに見直さねばならない。資源のリサイクル化と再生可能化を推し進めるとともに、個別の工場プロセスについても、設備投資のタイミングでエネルギー効率を最適化するなど、大局的で多層な取り組みが不可欠だ。

 ただし、この手の取り組みを実現するには、時間を有するだろう。

 皆さんの電力不足に対する不安は払拭できただろうか。そもそも、昨今のように声高に夏場の“電力不安説”が唱えられ始めたのは、いつからか覚えているだろうか。

浜岡停止は英断だが
電力不安を煽った遠因

 私が記憶する限り、菅直人首相が中部電力浜岡原子力発電所のすべての原子炉を停止すべき、と要請した5月6日以降である。この「英断」は評価できるが、過剰な“電気が足りなくなる”キャンペーンはここから始まった。

 東京電力管内に比べて、他の電力会社はもっと余裕がある。そうしたデータも踏まえずに「電力不安説」が広がったのは、明らかに、浜岡以外の原発を止めないためのプロパガンダの様相である。

 浜岡を止め、それ以外を動かすかどうかを判定するにあたって、明確な基準、いわゆるストレステストの基準を示さなかったためである。原発を動かし続けたい人たちも地方自治体の首長も誰もが疑心暗鬼になって、こうした騒動を呼んだわけだ。

 結局、政治的判断と、政策プロセスの失敗に他ならない。場当たり的な判断に惑わされず、合理的かつ現代的な施策を探求してもらいたい。

http://diamond.jp/articles/-/12623?page=5

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