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東日本大震災記録コミュの166、東日本大震災:がれき、阪神上回る 撤去が自治体の重荷に

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2011年3月27日 23時46分 更新:3月27日 23時52分

 東日本大震災の被災地では、広範囲が同時に被災したため膨大な量のがれきが発生し、撤去・処理が自治体の重荷となっている。がれきの量は95年の阪神大震災を上回り、空前の規模になることが確実で、現場では懸命の作業が続いている。【稲垣淳、阿部弘賢、堀智行、福永方人、樋岡徹也】
 大津波で中心部が大きな被害を受けた岩手県釜石市。県警釜石署周辺では、陸上自衛隊第7施設群(京都府)の隊員21人が、市の要請で道路が通行できるよう流されてきた家屋や船などの撤去を続けている。通常の土砂災害なら重機を使って一気に作業を進めるが、がれきの中に行方不明者がいる可能性があり、隊員は木材や畳を手作業でめくって確認しながら作業している。
 米津浩幸群長は「通常の2倍の作業時間がかかるが、一人でも多くの行方不明者を見つけたい」。これまでに約20体を収容したという。財布や金庫を発見すると、警察へ届ける。アルバムや手紙は道路脇に並べており、隊員は「我々は写真の持ち主を捜せない。持ち主が見つかることを祈って置いている」と話す。
 同じく津波で壊滅的な被害を受けた宮城県東松島市。「がれきが吹きだまり、山のように積み重なった場所がいくつもある。撤去にどのくらい時間がかかるかめども立たない」。撤去作業にあたる矢本消防署の斉藤啓一副署長はため息をつく。
 市内には数百台の車が散乱するが、所有者の同意がなければ処分できない。斉藤副署長は「所有者に電話をかけても、避難したり、行方不明になっている人も多く、ほとんど連絡がつかない」。市は車台番号や特徴を写真などで記録したうえで保管場所へ搬送する予定だが、数百台の車を保管できるスペースがあるかは調査中という。
 政府が発表した指針は、使用できない車や船舶は仮置き場に移動し、所有者が引き渡しを求めなければ処分できるとした。アルバムや位牌(いはい)など「持ち主にとって価値がある」ものは一定期間保管した上で、遺失物法に基づき廃棄するとした。
 環境省は作業中に見つけたものは保管するよう求めているが、東松島市の担当者は「おびただしいがれきの中で、どれを保管してどれを廃棄するかなんて判断がつかない。現場の作業員の判断に委ねるしかない」と話す。
 がれきを撤去する自治体の負担は大きい。
 環境省や兵庫県などによると、阪神大震災のがれき処理量は約1500万トンで、処理費は約3200億円。最終処分の完了まで3年以上かかった。今回は阪神大震災を上回る見込みで、国は市町村の負担軽減のため、処理費のほぼ全額を補助する方針を決めた。ただ国の財政状況も厳しく「財源をどうするかは今後の議論になるが、確保は容易ではない」(環境省廃棄物対策課)という。
 がれきは、仮置き場に集めて分別し、リサイクルできない物は焼却するか埋設処分する仕組み。本来は市町村が実施するが、職員が被災して人手を確保できない市町村もある。
 このため岩手県は、9市町村の業務を代行することを決め、自衛隊や消防と連携し、県内の建設業者にも作業を委託して対応する方針だ。ただ、「がれきの量がどのくらいになるか見当もつかず、長期化する恐れもある」(県土整備企画室)。
 一方、宮城県と福島県には市町村からの代行要請はないが、宮城県廃棄物対策課は「県がスムーズに代行できるよう、財源確保も含めた廃棄物処理法の運用などを政府に要望している」と話す。
 焼却や埋設作業も難航が予想される。がれきの量が膨大で、県内外の広範囲の自治体に受け入れを要請することになるのは必至だ。07年の新潟県中越沖地震で、県外の自治体との交渉に奔走した柏崎市の担当者は「県の枠を超えて受け入れ先を探すのに苦労した。交渉先が広域にわたるであろう今回は、国が調整することも検討すべきでは」と話す。同地震で処理したがれきは約42万トンだが、最終的な処分完了まで2年以上かかった。
 衛生面も大きな課題だ。
 東松島市ではごみ収集が追いつかず、道ばたにがれきとごみが残ったまま。津波で浸水した家屋内にも、下水や田んぼの泥が入り交じったヘドロがたまっているという。市は感染症対策として、ヘドロなどの有機物の分解を促進し、消毒効果のある石灰を散布し始めたが、人手や車両も限られるため、建設業者がスコップを使って手作業でまくしかない状況だ。
 作業中も風が吹くたびに大量のほこりが巻き上がるため、作業員に防じんマスクの着用を呼びかけている。市の担当者は「これから暖かくなるので感染症が一番心配だが、現状では対策が追いつかない」と苦悩する。
 釜石市でも、がれき撤去にあたる県建設業協会釜石支部は、現場の作業員約100人に防じんマスクを配布するなどの対策を講じている。
■近年の主な地震のがれき撤去量と費用 
         がれきの量 撤去費用
阪神大震災     約1500万トン 約3246億円
新潟県中越地震    約50万トン 約111億円
新潟県中越沖地震   約42万トン  約76億円
岩手・宮城内陸地震  約1300トン 約6000万円

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