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小説書いちゃいませんか!コミュの[回想、阪神大震災]。私の夫は、警察官

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激しい地震の揺れに、気がついて目を覚ました時、すでに、

夫は、ねむっている私の上に覆いかぶさって、私と私達のお腹の赤ちゃんを守っていました、

「菜々、大丈夫だ、動くな」。激しい夫の声にビックリする優しさを感じた瞬間だった、

「鋭登(エイト)」私は、必死で夫の名前を叫んだ、

私と私達のお腹の赤ちゃんと夫は、縦一つに重なり合って、激しい揺れに身を任せていた、

天井からぶら下がっていた蛍光灯が天井板を突き破るように激しく何度も何度もぶつかる音、

家具の全てが、激しくきしむ音、

暗闇の中で、なにもかも破壊していく音だけが響く、

怖い、すごく怖い、だけど、夫が守ってくれてる、 夫が大好きだ、だけど、怖い、

大切な、私達のお腹の赤ちゃんも、夫が守っている、

怖くても、
武道で鍛えぬいた、夫の優しさが、頼りだった、

激しい揺れは、さらに激しさを増し、ついには、
寝床の横のタンスが、夫の上に、倒れかぶさってきた、

「痛いっ」、夫の苦痛の悲鳴、
「大丈夫だ、菜々、大丈夫だ」、夫は必死で、私を安心させようとしていた、

まだ、
私と私達のお腹の赤ちゃんと夫とそして、固いタンスが、
縦一つに重なり合って、激しく揺れている、

なかなか、揺れが止まらない、怖い、 
でも、夫がいる、
でも、夫の背中に襲い掛かっているタンスが、夫を苦しめている、

私には、何も出来ない、

武道で鍛えた、警察官の夫、たくましい、


地震の激しい揺れは、ようやく治まったようだったが、私は、何がなんだかわからなかった、
ボウーとしていると、

「菜々、どけ」と、乱暴な夫の声、でも優しい、

私は、速やかに、夫の下から這い出すと、
夫は、背中でタンスを持ち上げ、立てさせました、

電気は消えて、暗闇の中、
それでも、夫の背中に、血がにじんでいるのが、はっきり見えました、

夫が、懐中電灯をつけ、部屋を一巡して、うめいた
「ひどいなあ」

そして、寝巻き姿のまま、懐中電灯持って、いそいで出て行きました、

いそいでと言っても、出入り口の扉はきしんで、容易に開きません
「ちくしょう」、乱暴に扉を、壊して出て行きました、

なかなか、帰ってきません、

寒い、 停電しているので、ファンヒーターが付けられません、

朝がゆっくりやってきました、部屋の中に、明るさがゆっくりやってきました、

『どうすればいいの?』、めちゃくちゃになった部屋の中が、次第に明らかになってきました、
言葉や文章で表現できません、

私達のお腹の中の赤ちゃんが、お腹を蹴飛ばして「どうしたの?」と、聞いてくる、

『どうすればいいの?』????。

ようやく、帰ってきた夫は、私の気持ちなど、全く気に止まらないように、、
「良かった、アパートの奴らは、みんな無事だ」と、一言だけ、

「近所も見てくる」。今度は、ジャンパーを羽織って、すぐ出て行ってしまいました、
た、

夫は、出て行ったきり、帰ってきません、
アパートのみんなが、集まってきました、
みんな、よそは夫婦、家族揃って、集まってきました、
私は、一人ぼっち、

「中畑さんは?」
「『近所を見てくる』と言って出て行った」と私、ちょっと愚痴ってしまった、
「中畑さんは、立派な警察官だなあ」

いくら、夫を褒められても、私は寂しい、
アパートのみんなが羨ましい、

私たちは、○○高校に避難する事に、しました、
私は、夫の帰りを待って、避難すると伝えて、みんなを見送りました、

アパートで一人きりになると、寂しくて仕方ありません、心細い、
夫は、今日は非番なので、ずうっーと、一緒にいられるはずなのに、
三宮のデパートで、赤ちゃんの為のものを買い行く予定だったけど、

心細い、さびしい、早く帰ってきて鋭登さん、


何時間もたってから、夫がようやく帰ってきました、
でも、夫は、私のことに、全くかまってくれません、
すごく心細かったのに、

「5人くらい、助け出した、大変だった」、夫の独り言
「署に、行ってくる」
夫は、座る事も無く、すぐ、パジャマを、通勤の服に着替えて、出て行ってしまいました、

「今日は非番でしょ」夫に追いかけるように、頼んだ、
「こんな時、非番なんかあるもんか」、はき捨てるような返事で自転車にまたがった、

私は、避難所に行くことを伝えるのがやっとだった、

夫の後姿を見送って、涙が出てきた、さびしい、
だけど、夫が、すごく頼もしい、

寂しさが、いつの間にか、
夫の優しさに、誇りを感じていました、

ガンバレ、鋭登、

私は、夫の誇りを、お腹の赤ちゃんと一緒に感じられるようになっていました、、

避難所の○○高校にいきました、

避難所に到着すると、アパートの人たちが、一番暖かそうな場所を、用意して待っていてくれました、

「地震の後、すぐに中畑さんに、声をかけられて、嬉しかったよ」と、
夫に向けられた、お礼を、たくさん受けて、

ますます、夫を、秘かに自慢していました。



コメント(4)

harukaさん、コメントありがとう、
東北大震災で、
16年前のことが、
フラッシュバックするように、いろんな事を、思い出してしまいました、
まだ、幾つか思い出を小説化したいなあと思っています、

出来たら、また、ここに掲載させてくださいね、
さいぞう、さん、コメントありがとうございます、

これは、フィクションです、

震災の時、警察官、消防団、自衛隊員、みんな、

自分の命を惜しまず、他人の命を救いました、

超過労で、多くの救助に携わっていた方が、亡くなりました、

その中に、結婚して間もない、20代の、若いおまわりさんがいました。

その、若い新婚おまわりさんを、想像して、書きました、

過労死まで、書きたかったのですが、

テーマが、途中で『愛(妻の幸せ)』に、変わってしまったので、筆を置きました。


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