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PHPV(第一次硝子体過形成遺残)コミュのPHPVについての資料

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こんにちは、やまさんです。
先日、医大の図書館でPHPVの資料をコピーしてきました。
あと担当医から成育の東先生がPHPVについて書かれたものをもらったので、掲載しようと思います。(当然ですが東先生には無許可です。)
資料によって多少相違点があるので、とりあえず東先生のものを、そのまま写します。

1疾患概念
第一次硝子体過形成遺残(PHPV)は、硝子体の先天性異常であり、その名のごとく発生初期の硝子体が過形成を起こし、これが遺残したものである。硝子体血管は胎齢4〜5週に胎生裂から侵入した間葉細胞より分化し、8〜10週に最も発達し、以後末梢より退縮する。PHPVは主に初期の間葉細胞から硝子体血管への分化の時期に起こると考えられている。遺残した第一次硝子体は白色の繊維組織として観察され、硝子体腔中のさまざまな部位に起こるが、同時に周囲組織の発達も障害されるため、網膜異形成、白内障、毛様体の形成不全、小眼球などを合併することも多い。
Pruettらは、硝子体病変の部位によってanterior type(前部型),posterior type(後部型)と水晶体後部から眼底後極まで連なるintermediate type(中間型)に分類したが植村anterior typeとposterior typeは臨床上厳密に分けられないことからこれを一括し、前部型と後部型に分類した。従来、posterior PHPVと呼ばれているものは乳頭からのびる網膜ひだを指しているものが多く、繊維組織は眼底周辺部にあって、むしろanterior PHPVの特殊型で、多彩な乳頭所見を示す。一方硝子体動脈遺残は病理組織としては軽度の繊維増殖組織を伴っていることもあり、PHPVの軽症例とはいわないまでも、これに連なる先天性異常である。
PHPVで硝子体血管が過形成を起こすのは発生初期と考えられているが、硝子体の繊維組織は他にも発生のさまざまな時期に起こり得る。発生中期以降に網膜血管のような血管新生増殖を起こす可能性もあるし、網膜に発生異常が起これば、硝子体の発生が二次的に障害される場合もある。出血や感染が起こっても硝子体繊維組織が形成される。Bergmeister乳頭のグリア組織があり、これが遺残あるいは増殖することもある。これらのいずれも周囲組織の発生を障害し、重篤であれば小眼球となる。臨床上ではこれらの瘢痕化した末期像をみているので、実際には鑑別は難しい。
 白色瞳孔で発見されることが多く、網膜芽細胞腫との鑑別が重要である。治療の対象となるものはわずかであるが、白内障や緑内障が進行するものもあり、経過観察が必要である。
2眼所見(表1)
硝子体腔のさまざまな部位に血管を含んだ白色繊維組織がみられる。水晶体後面にあれば毛様体突起が牽引されて車軸状に延長している。白内障がみられたり、ときには後囊が破れて繊維組織が水晶体内に侵入している。
 繊維組織が眼底周辺部にあって網膜に癒着していれば、網膜はこれに引かれて網膜ひだを形成する。乳頭上に限局すれば、乳頭の拡大や、網膜の牽引によるひだ、血管の異常がみられる。これらでは網膜はしばしば形成異常を起こし、広汎な萎縮を呈する。
 繊維組織が硝子体腔に充満していれば、網膜は全剥離して著明な異形性となり、眼球の発育も障害されて小眼球となる。また、繊維組織が収縮すると水晶体が前方に押し出されて前房が浅くなり、消失すれば角膜混濁をきたす。
 緑内障は浅前房と隅角の発育異常によって起こるが、頻度は高くない。
3視力(表2)
繊維組織の程度と網膜・視神経を中心とする合併症の有無、眼球の発育状態によって、さまざまである。繊維組織が軽度で、網膜・視神経に異常がなければ比較的良好なものもあり、形態覚遮断弱視を形成するものもあるが、多くは合併症を伴う器質弱視である。
        『グラフを見て数値化しました』 
表1 PHPVの眼所見
        前部型          後部型
主症状 水晶体後部繊維血管組織      先天性鎌状剥離
小眼球       50%        約1〜2%
白内障       30%           20%
毛様体突起延長   20%         約3〜4%
浅前房       40%         約3〜4%
角膜混濁      約5%            0%
網膜変性    約5〜6%          約28%
網膜剥離      約5%           約8%
網膜他の異常    約5%          約26%
コロボーマ黄斑部  約0%           約4%
コロボーマ脈絡膜  約5%           約0%
緑内障       約5%           約0%
眼球癆       約5%         約1〜2%
ERG消失型   約29%          約18%
VEP反応なし  約58%          約32%

表2 PHPVの視力
             前部型       後部型
光覚なし        13/25      4/21
光覚あり≦ ≦手動弁    6         3
0.01≦ ≦0.09   5         7 
0.1≦ ≦0.5     1         6
0.6≦ ≦0.9     0         0
1.0≦          0         1
4補助診断
1.超音波検査、CT,MRI検査
いずれも硝子体腔の繊維組織の分布や網膜剥離の程度、眼球の大きさを知るうえで、網膜芽細胞腫との鑑別からも重要な検査である。多発奇形や全身の異常を伴う症候群の一症状として発生することもあるので、CTとMRIは頭蓋内病変の検索のためにも行うべきである。
2.ERG・VEP
網膜に変性や異形成がある場合、視力予後を判定する目的で行う。ことにPHPVに対する硝子体手術の適応決定には必須である。

5鑑別診断
1. 硝子体動脈遺残
一般に視力には影響しない、軽度の硝子体血管本幹の先天性異常である。一部に繊維組織増殖組織を伴い、PHPVの軽症例と思われるものも多い。
2. Norrie病
X染色体劣性の遺伝疾患で、両眼に顕著な網膜異形成、硝子体内繊維増殖、小眼球がみられる。近年、遺伝子が同定された。
3.家族性滲出硝子体網膜症
先天性、遺伝性(常染色体優性、X染色体劣性)の網膜血管先天性異常で、周辺部網膜上の増殖組織によって、牽引乳頭や網膜ひだを起こす。重症であれば、繊維組織は硝子体腔内に充満し、小眼球、角膜混濁をきたす。PHPVとの区別は難しいが、程度の差はあれ両眼性であり、家族内に発生があって、網膜血管の発育不全(無血管領域、境界線など)がみられれば診断が確定する。X染色体劣性ではNorrie病の原因遺伝子の変異がみつかっており、両疾患の関連性が示唆されている。
4.未熟児網膜症
未熟児の治療歴あるので間違うことはないが、眼底像は後部型PHPVや家族性滲出硝子体網膜症ときわめて類似する。
5.その他白色瞳孔をきたす疾患
網膜芽細胞腫、Coats病、コロボーマ、トキソカーラ感染など眼底に白色変化がみられるもの。
6.朝顔症候群などの乳頭部先天異常
乳頭部PHPVとの鑑別を要する。朝顔症候群など乳頭部上に白色組織があるが超音波検査で乳頭部周囲の陥凹がみられる。これら乳頭先天性異常の白色組織がPHPVなのか、Bergmeister乳頭のグリアの増殖なのかは明らかでない。しかし、コロボーマや朝顔症候群などの先天性異常でPHPVが合併し、乳頭から水晶体後部へ索状組織が伸びるものも存在する。
4治療
1.硝子体手術
前部型の軽度なものには先天性白内障に準じて硝子体手術を行う。繊維組織が水晶体後面に限られ、網膜・視神経に異常がないこと、形態覚遮断弱視が確立してないことが前提である。術前にERG・VEPを行って適応を決める。手術では水晶体を保存して繊維組織だけを除去することはまず無理で、水晶体除去も行う。血管が侵入しているので、眼内バイポーラなどで止血が必要である。術後はコンタクトレンズや眼鏡で屈折矯正をし、片眼性であれば健眼遮蔽など視能訓練を行う。浅前房や隅角の形成異常を伴うので、先天白内障に比べると、術後緑内障が発生する危険性が高く、注意深い検査が必要である。後部型PHPVは網膜・視神経の異常を伴うことが多く、手術適応は少ない。出生後に繊維組織の増殖や牽引が進行して、網膜ひだが増強し黄班部が剥離することがあれば、硝子体手術を行う。
2.白内障
軽度の前部型PHPVで白内障を伴うものは適応であり、一方、先天白内障と診断して手術を行った所、術中に水晶体後部にPHPVが見出されることもある。したがって、術前の超音波検査が重要である。手術は、いずれにせよ、前述のように水晶体切除と引き続いて繊維組織の切除を行う。
3. 緑内障
PHPVによる緑内障の頻度は通常危惧されているほど高くはないが、急に眼圧が上昇することもある。視機能があれば手術が必要であるが、視力がない場合は濾過手術によって前部ぶどう腫となることもあるので、まず薬物治療を行って経過をみる方がよい。
4. 硝子体出血
小児期、まれに成人に至っても、打撲や眼球運動によって繊維組織内の血管が破綻して硝子体出血を起こすことがある。多くは自然に消退し、硝子体手術に至るのはまれである。
5.網膜剥離
未熟児網膜症や家族性滲出硝子体網膜症のように晩期合併症として変性・萎縮した網膜から裂孔原生剥離を起こすことがある。繊維組織の近くに裂孔が形成されることが多いので、バックリングだけでは治らず、硝子体手術が必要になることが多い。また、網膜は広い範囲で裂孔を形成する可能性があるので、広めの網膜凝固やバックリングとともに、輪状締結を行った方がよい。
6.小眼球
小眼球が顕著であれば、眼窩骨の成長不全をきたして顔面が変形する。これを予防するためには、定期的に顔面X線撮影を行って骨の発育を検査し、発育不全が疑われれば義眼を装用させる。ある程度視機能がある場合は問題で、視力と美容のどちらを優先させるかは、両親と十分に相談する必要がある。

その他の資料にはこんなことも記載されていました。
2:1で男性に多い、両眼性22.2%、片眼性77.8%。
約50%が1歳未満に受診。anterior type44.4%、posterior type22.2%、intermediate type28.6%。
斜視52.4%、眼振12.7%

誤字脱字等ございましたらお許しください。
みなさんのお役に立てれば幸いです。
できたらコメントください。

コメント(13)

詳しくありがとうございます!
やまさんにミクシイに来ていただいてよかったです!

ふむふむ、やっぱり両眼性の方が少ないですね。
朝顔症候群の関係の知り合いも多いんですが(コミュもあります)、そちらでも参考になったりするでしょうか?
早速、読んでいただきありがとうございます。
そう、言ってもらえて嬉しいです。

そうですね、この資料によると、両眼性の女性というのは少ないらしいですね。かこみんさん、なかなかいなさそうですよ。

朝顔症候群は最近、私もコミニティに参加させてもらったのですが。
朝顔症候群も後部型PHPVも本質的にまったく異なるものでなく同一疾患のバリエーションと推論する。
と書いてありました。(まわりくどい、言いかたですよね)
簡単に言うとほぼ同じだと思う。
らしいので、見たいかたもいるかもしれません。
あっちにも、別に載せたほうがいいですか?。




 
はじめまして
ウチの大和はanterior PHPVの特殊型ではないかと思っています。まだ、解らないことがあるのでハッキリはしないですが・・
また、何かあったら書き込みます。
できれば、画像を入れたいなー、と 今、収集中です。
朝顔のコミュは知り合いがとても多いんですよ。もしよかったらみなさんがどう反応されるかはわかんないですが、載せてみてあげられたらどうかなと。

貴重な両眼性PHPVの女性の知り合いが3人はいますが、少ないのですね♪
やまさん初めてましてほっとした顔1歳の息子が両眼PHPVの光角なしです!これから光角がでるかもしれないとは言われています。 
書き込み拝見しました。難しい言葉や知らないことが沢山のっていて勉強になりましたほっとした顔 
両眼性は結構少ないんですねexclamation & questionうちの息子は両眼性なので何となく複雑な感じですあせあせ 
東先生の書いた文を拝見したことがなかったので、乗せてくださって感謝してますほっとした顔
かこみんさん 
3人知ってるって、すごいですね!
でも、計算するとPHPVの疾患50人中4人が両眼性の女性となり8人が男性となります。かこみんさんなら50人知ってそうですよね?(いったい、何人ぐらいお知り合いがいるのですか?)

Erikaさん
光覚は、でないと言われて、出た人もいるようですし。
光覚でるといいですね!

補足1
最初の東先生の資料中のデータは1986年 植村、その他の資料に書かいたものは 眼科MOOKという本の中にあった1981 植村、のもので、後者のデータは慶応大学眼科で小児 63例中と書いてありました。
63例というのはデータ的には少ないと思いますが、多分集まらなかったのでしょう。
ちなみに 植村というひとは昔の慶応大学眼科の教授だと思われます。

補足2
後部型 PHPVで水晶体を温存した手術が福大(福岡大学?)で行われ、うまくいったという記事もありました。
50人も知らないですよお〜(笑)
だいたい大人のPHPVさんは(片眼も含めて)5人くらいしか知らないですもの。
男性は皆無ですし。
お子様だったら片眼も含めたらかなり知ってるかもわかりません。30人くらいはいらっしゃるかも。
成人の視覚障害者さんのお友達は色素変性さんが一番多いです、たぶん。白内障も多いかな。
それは圧倒的に患者数が多いからでしょうね、
補足2について(福岡大学でした。)
 
 生後三ヶ月の男の子に硝子体手術を行ったそうで、術後10ヶ月皺壁もきえたそうです。
 眼科医に資料を持って聞いてみたところ、まずやるのであれば生後5ヶ月以内に黄班部などが形成されるため、それまでにやらなければならない。
 硝子体手術を行うことでいずれ白内障になり水晶体を取り除く手術をしなければならない。
とのことでした。

やまさんありがとうございます。やっぱりうちの次男くんは病名違うのかな…硝子体動脈遺残一般に視力には影響しないって何を見ても書いてあるしたらーっ(汗)次男くんと目が合う事が…無いに近い…涙

ゆうきぃさん
 ん〜どうなんでしょう。
一般にと書いてあるので例外もあるのかもしれませんね。
 水晶体、黄班部、視神経の状態で視力が大体決まると思います。後部PHPVのように第一次硝子体が網膜とくっつき黄班部をひっぱたり、前部型のように水晶体後面に繊維組織がくっついたりすると視力に影響が出るはずです。

 硝子体動脈遺残の場合も水晶体後面に血管が残ったり、後部PHPVのように繊維組織が網膜とくっついて黄班部を引っ張っているものもあるのかもしれません。(推測ですが)

 病名が変わったところで、することは同じですがはっきりさせたいですよね。

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